デイサービスの看護体制は大丈夫？ 派遣看護師の実態と、あなたができること
デイサービスの看護体制は大丈夫？ 派遣看護師の実態と、あなたができること
この記事では、高齢者の方の介護施設選びで誰もが抱く不安、特に看護体制に関する疑問に焦点を当て、具体的なアドバイスを提供します。デイサービスに通うことになったご家族の看護体制への不安、派遣看護師の実態、そして、ご自身でできることについて、専門家の視点から詳しく解説します。
家族がデイサービスに通うことになりました。3年ほどデイサービスにはお世話になっていたのですが、引っ越したので、新しく場所を決めました。大きめの企業がしている定員30名の所です。
先日、デイサービスの職員の方と面談がありました。おばあちゃんが看護師さんがどんな方かを伺うと、「定期の看護師がおらず、派遣できてもらっているので、たまには同じ看護師もいますが、毎回のように違う看護師だと思っていてください。」と言われました。「看護師の確保が難しく2年ほどこの状態が続いてまして…」「病院に比べると、小さい私設なのでなかなか続かない方が多くて…」と言ってました。
直接雇用の看護師がいないということですよね？ いわゆる単発派遣？
おばあちゃんは体の動きはそれほど問題ないのですが、皮膚のトラブルが多く、あらゆる軟膏を使い、状態によって使い分けたりもしています。
もちろん病院へは行っていますが、日々状態がかわるので、以前のデイサービスではいつもの看護師さんが、状態をよく観察して下さり、塗りわけしアドバイスをもらっていました。おかげで悪化することもなく過ごせていました。引っ越す上で、今は私がしているのですが、やはり塗りわけがヘタで汗もかく季節なこともあり悪化傾向です、、、
皮膚の状態なんて何度かみてわかるものだと思うし、アドバイスがこれからもらえないと思うと、、、 職員さんは「介護スタッフはそれほど変わりませんし、状態観察と情報の共有はしっかりしているので安心してください」と言われましたが。介護スタッフって、、、皮膚の観察や薬の知識なんて、現場でみた知識程度ですよね？不安です。
なので、契約書はその場にはいなかった夫に書いてもらうのでということで、その場での契約はしませんでした。夫と相談して決めようと思います。
そこで質問なのですが、デイサービスで看護師さんが毎回違う、とか、2年もの間、単発派遣でまかない続けるなんてよくあることなのですか？ 看護師は派遣が禁止という話も聞いたことがあったので、検索してみると沢山ヒットして驚いていますが。
看護師さんの職員がいない(続かない)=何か問題があるのかなぁ～とか勘ぐってしまいました。
ご家族の介護施設選びは、本当に大変ですよね。特に、高齢者の健康管理において重要な役割を担う看護師の体制については、多くの方が不安を感じるポイントです。今回の相談内容を拝見し、デイサービスの看護体制、特に派遣看護師の利用について、疑問や不安を抱かれていることがよく理解できます。この記事では、この問題に対する具体的な情報提供と、ご家族が安心してサービスを利用するための対策を提案します。
1. デイサービスの看護体制：現状と課題
デイサービスにおける看護師の配置は、利用者の健康状態や施設の規模によって異なります。厚生労働省の定める基準では、利用者の状況に応じて看護師または准看護師を配置することが求められています。しかし、現実には、看護師不足や施設の経営状況など、様々な理由から、理想的な看護体制が整わないケースも少なくありません。
今回の相談のように、看護師が派遣で、しかも毎回違うという状況は、決して珍しいことではありません。特に、小規模な施設や、地方の施設では、看護師の確保が難しく、派遣に頼らざるを得ない状況があります。これは、看護師の専門性や経験が、利用者の健康管理に大きく影響するため、非常に重要な問題です。
看護師の役割
- 健康管理：バイタルチェック（体温、血圧、脈拍など）を行い、利用者の健康状態を把握します。
- 服薬管理：医師の指示に基づき、薬の管理と服薬介助を行います。
- 医療処置：褥瘡（床ずれ）の処置、インスリン注射など、必要な医療処置を行います。
- 急変時の対応：利用者の急な体調変化に対応し、必要に応じて医療機関との連携を行います。
- 健康相談：利用者や家族からの健康に関する相談に応じます。
派遣看護師のメリットとデメリット
派遣看護師の利用には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- 柔軟な対応：人件費を抑えつつ、必要な時間帯に看護師を配置できます。
- 専門性の確保：特定のスキルを持つ看護師を、必要な時にだけ利用できます。
デメリット
- 継続性の欠如：同じ看護師が継続して担当しないため、利用者の状態を把握しにくい場合があります。
- 情報共有の課題：看護師が変わるたびに、情報共有がスムーズに行われない可能性があります。
- スキルのばらつき：看護師のスキルや経験に差がある場合があります。
2. 派遣看護師に関する法的側面
看護師の派遣については、法律上の規制があります。看護師は、医療行為を行う専門職であり、その業務には一定の責任が伴います。そのため、派遣の形態や業務内容には、厳格なルールが適用されます。
看護師派遣の法的根拠
看護師の派遣は、職業安定法に基づき、厚生労働大臣の許可を受けた派遣会社が行うことができます。ただし、派遣できる業務内容には制限があり、医療行為のすべてを派遣看護師が行えるわけではありません。例えば、医師の指示に基づく医療行為や、看護師の専門的な判断が必要な業務は、派遣看護師が行うことができます。
派遣看護師の業務範囲
派遣看護師の業務範囲は、契約内容や施設の指示によって異なりますが、一般的には以下の業務が含まれます。
- バイタルチェック
- 服薬管理
- 創傷処置
- 健康相談
- 記録作成
違法な派遣事例
違法な派遣事例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 医師の指示がない医療行為
- 看護師の専門的な判断が必要な業務
- 無資格者による医療行為
もし、デイサービスの看護体制について、疑問や不安がある場合は、施設の管理者や看護師に直接質問し、詳細な情報を得るようにしましょう。また、契約前に、派遣看護師の業務内容や、情報共有の方法について確認することも重要です。
3. デイサービス選びで確認すべきポイント
デイサービスを選ぶ際には、看護体制だけでなく、様々な点を確認することが大切です。以下のポイントを参考に、ご自身に合ったデイサービスを見つけましょう。
1. 看護体制の確認
- 看護師の配置：常勤の看護師がいるか、非常勤の場合はどのくらいの頻度でいるのかを確認しましょう。
- 看護師の経験：看護師の経験年数や、専門分野について尋ねてみましょう。
- 情報共有：看護師間の情報共有の方法や、利用者への情報伝達について確認しましょう。
- 医療処置の対応：必要な医療処置に対応できるか、事前に確認しておきましょう。
- 緊急時の対応：急変時の対応や、医療機関との連携について確認しましょう。
2. 介護スタッフの質
- 研修制度：介護スタッフの研修制度や、資格取得支援について確認しましょう。
- 経験：介護スタッフの経験年数や、専門分野について尋ねてみましょう。
- 人員配置：介護スタッフの人数と、利用者の人数とのバランスを確認しましょう。
- コミュニケーション：介護スタッフと利用者のコミュニケーションの様子を観察しましょう。
3. 施設の環境
- 清潔さ：施設の清潔さや、衛生管理について確認しましょう。
- 設備：バリアフリー設備や、必要な設備が整っているか確認しましょう。
- レクリエーション：レクリエーションの内容や、利用者の様子を観察しましょう。
- 食事：食事の内容や、アレルギー対応について確認しましょう。
4. その他
- 利用者の声：他の利用者の声や、評判について調べてみましょう。
- 体験利用：可能であれば、体験利用をして、施設の雰囲気を確かめましょう。
- 契約内容：契約内容をよく確認し、不明な点は質問しましょう。
- 家族の意見：家族の意見を聞き、一緒に施設を選ぶようにしましょう。
4. 皮膚トラブルへの対応：あなたができること
おばあ様の皮膚トラブルについて、ご自身でできることはたくさんあります。専門的な知識がなくても、日々のケアや観察を通して、状態の改善に貢献できます。
1. 情報収集と記録
- 皮膚の状態観察：毎日、皮膚の状態を観察し、変化を記録しましょう。
- 写真撮影：皮膚の状態を写真で記録しておくと、変化を把握しやすくなります。
- 使用薬剤の確認：使用している軟膏の種類や、使用方法を確認し、正しく使用しましょう。
- 既往歴の把握：皮膚トラブルの原因となる可能性のある既往歴や、アレルギーについて把握しておきましょう。
2. 日常的なケア
- 清潔保持：皮膚を清潔に保ち、入浴やシャワーの際には、優しく洗いましょう。
- 保湿：入浴後や乾燥しやすい時期には、保湿剤を塗布しましょう。
- 保護：皮膚を刺激から保護するために、適切な衣類や寝具を選びましょう。
- 栄養：バランスの取れた食事を心がけ、皮膚の健康に必要な栄養素を摂取しましょう。
3. 専門家との連携
- 医師への相談：皮膚科医に相談し、適切な診断と治療を受けましょう。
- 看護師への相談：デイサービスの看護師に、皮膚の状態やケア方法について相談しましょう。
- 薬剤師への相談：使用している軟膏について、薬剤師に相談し、正しい使用方法や注意点を確認しましょう。
4. デイサービスとの連携
- 情報共有：皮膚の状態や、ケア方法について、デイサービスの看護師や介護スタッフと情報共有しましょう。
- 連携：デイサービスと連携し、適切なケアを受けられるようにしましょう。
- 要望：デイサービスに、皮膚トラブルへの対応について、要望を伝えましょう。
5. 派遣看護師とのコミュニケーション術
派遣看護師とのコミュニケーションは、利用者の健康管理において非常に重要です。円滑なコミュニケーションを図ることで、より質の高いケアを受けることができます。
1. 事前の情報共有
- 基本情報の提供：利用者の基本情報（既往歴、アレルギー、服薬状況など）を、事前に提供しましょう。
- 日々の状態：その日の利用者の状態（体調、気分など）を、簡単に伝えましょう。
- ケア方法：特別なケア方法や、注意点について伝えましょう。
2. 丁寧なコミュニケーション
- 挨拶：笑顔で挨拶し、親しみやすい雰囲気を作りましょう。
- 傾聴：相手の話をよく聞き、共感する姿勢を示しましょう。
- 質問：疑問点や不明な点は、遠慮なく質問しましょう。
- 感謝：感謝の気持ちを伝え、良好な関係を築きましょう。
3. 記録の活用
- 情報共有ノート：連絡事項や、日々の状態を記録するノートを作成し、情報共有に役立てましょう。
- 申し送り：看護師が変わる際に、申し送りを行い、情報伝達を確実に行いましょう。
4. 連携の強化
- 定期的な面談：看護師や、施設のスタッフと定期的に面談し、情報交換を行いましょう。
- フィードバック：ケアに関するフィードバックを行い、改善に繋げましょう。
6. 契約前に確認すべきこと
デイサービスとの契約前に、以下の点を必ず確認しましょう。契約は、サービス利用に関する重要な取り決めであり、後々のトラブルを避けるためにも、慎重に進める必要があります。
1. 看護体制の詳細
- 看護師の配置：常勤・非常勤の別、配置時間、人数などを確認しましょう。
- 看護師の資格：看護師の資格や、経験年数を確認しましょう。
- 医療処置の対応範囲：対応可能な医療処置の範囲を確認しましょう。
- 緊急時の対応：急変時の対応や、医療機関との連携について確認しましょう。
- 情報共有の方法：看護師間の情報共有の方法や、利用者への情報伝達について確認しましょう。
2. サービス内容
- 提供されるサービス：入浴、食事、レクリエーションなど、提供されるサービスの内容を確認しましょう。
- 利用時間：利用時間や、送迎の有無、時間帯を確認しましょう。
- 料金：利用料金や、追加料金について確認しましょう。
- キャンセルポリシー：キャンセル時の対応や、料金について確認しましょう。
3. 契約条件
- 契約期間：契約期間や、更新について確認しましょう。
- 解約条件：解約時の条件や、手続きについて確認しましょう。
- 個人情報の取り扱い：個人情報の取り扱いについて確認しましょう。
- 苦情対応：苦情対応の窓口や、手続きについて確認しましょう。
4. その他
- 重要事項説明書：重要事項説明書をよく読み、内容を理解しましょう。
- 質問：疑問点や不明な点は、遠慮なく質問しましょう。
- 家族との相談：家族と相談し、納得した上で契約しましょう。
- 体験利用：可能であれば、体験利用をして、施設の雰囲気を確かめましょう。
これらの情報を踏まえ、契約前にしっかりと確認し、ご家族が安心して利用できるデイサービスを選びましょう。
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7. まとめ
デイサービスの看護体制に対する不安は、多くの方が抱えるものです。この記事では、派遣看護師の実態、法的側面、そして、ご自身でできることについて解説しました。重要なのは、情報収集と、施設とのコミュニケーションです。契約前にしっかりと確認し、疑問点があれば積極的に質問しましょう。また、ご自身でできるケアや、専門家との連携も大切です。この記事が、ご家族が安心してデイサービスを利用するための、一助となれば幸いです。
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