床ずれと施設への不信感…介護とキャリアを両立するためのチェックリスト

今回は、介護施設での床ずれ問題と、それに伴う施設への不信感についてのご相談です。ご家族の介護をしながら、仕事との両立に悩むあなたへ、具体的な解決策と心のケアをお届けします。介護は、時に孤独で、多くの困難を伴います。しかし、適切な知識とサポートがあれば、必ず乗り越えられます。この記事では、床ずれの原因、予防策、施設とのコミュニケーション方法、そしてあなたの心の負担を軽減するためのヒントを、具体的なチェックリスト形式でご紹介します。

床擦れについて。どうしたら？施設に不信感があります。要介護5.多系統萎縮症、６１歳の母がロングショートを利用中です。退院してから特養待ちでロングショートを利用、二ヶ月なりませんがお尻全体真っ黒になってました。骨の部分は赤黒く、まだ皮膚が破けたりはないですが母が痛いと渋い顔をするようになりました。車椅子に座っていた時間が長くてこの様になったらしいですが、皮膚科に見せるほどではないという事で任せてますが大丈夫か心配になってきました。クッションなどを購入して持って行った方が良いですよね？施設側からクッションやマットなど使用の許可を家族側には？聞かれない？ないならないで、そのままなんですかね？家族から準備しないといけないですか。私も何から何まで気づきませんし気が回りません。こうなってからベットのマットをお願いしましたがもっと早くに施設側が教えてもらえたらと思ってしまいました。施設とはこんなものなんでしょうか。車椅子クッションも介護用品に含まれますか？まだまだ問題が多々あります。母が薬の副作用で妄想がひどくいくつか薬を減らされましたが、病院を退院してから通院している別病院の先生は聞いてませんでした。減らす様に指示したのはロングショートを使う前に掛かっていた入院していた病院の先生です。この場合、誰から伝えないといけないですか。私は施設かケアマネが伝えてると思ってました。先生ですか？だれに相談すれば良いですか。

1. 床ずれ（褥瘡）の基礎知識と原因

床ずれは、長期間にわたって圧力がかかり続けることで、皮膚や組織が損傷する状態です。主に、寝たきりや車椅子での生活が長い高齢者に多く見られます。今回のケースのように、要介護5の状態で、多系統萎縮症という疾患をお持ちのお母様の場合、特に注意が必要です。

原因

圧力：体重による持続的な圧迫が主な原因です。特に骨の突出部分（仙骨、かかと、肩甲骨など）は圧力が集中しやすく、床ずれのリスクが高まります。
摩擦：皮膚と寝具や衣服との摩擦も、皮膚を傷つけ、床ずれを悪化させる要因となります。
ずれ：体がずれることによって皮膚が引っ張られ、組織が損傷することがあります。
栄養状態：栄養不足は、皮膚の再生能力を低下させ、床ずれのリスクを高めます。
水分：脱水状態も皮膚の弾力性を失わせ、床ずれを悪化させる可能性があります。

ステージ分類

ステージ1：皮膚の赤みや熱感、むくみが見られますが、皮膚はまだ破れていません。
ステージ2：皮膚の一部が破れ、水疱やびらんが見られます。
ステージ3：皮膚の深い部分まで組織が損傷し、脂肪組織が見えることがあります。
ステージ4：筋肉や骨にまで損傷が及び、壊死組織が見られることがあります。

今回のケースでは、お尻全体が黒くなっているとのことですので、ステージ2以上に進行している可能性も考えられます。早急な対応が必要です。

2. 床ずれの予防策：ご家族ができること

床ずれの予防は、早期発見と適切なケアが重要です。以下のチェックリストを参考に、日々の介護に取り入れてみましょう。

床ずれ予防チェックリスト

体位変換：2時間おきに体位変換を行い、圧迫される時間を減らしましょう。特に、仙骨部、かかと、肩甲骨などの骨突出部を重点的に観察し、体位変換の際に褥瘡の有無を確認しましょう。
クッションの使用：車椅子やベッドに、体圧分散効果のあるクッションやマットレスを使用しましょう。
スキンケア：皮膚を清潔に保ち、保湿を行いましょう。入浴時には、優しく洗い、こすりすぎないように注意しましょう。
栄養管理：バランスの取れた食事を提供し、必要に応じて栄養補助食品を活用しましょう。
水分補給：こまめな水分補給を促し、脱水を防ぎましょう。
観察：毎日、皮膚の状態を観察し、早期に異常を発見しましょう。赤み、腫れ、水疱、びらんなどが見られた場合は、すぐに施設職員に報告し、医師の診察を受けましょう。
環境整備：ベッドシーツや衣服は、シワをなくし、清潔に保ちましょう。
情報共有：施設職員と密に連携し、お母様の状態やケアについて情報共有を行いましょう。

ご自身で購入できるものとしては、体圧分散クッションや、褥瘡予防用のマットレスなどがあります。施設によっては、これらの備品を貸し出している場合もありますので、まずは施設に相談してみましょう。

3. 施設とのコミュニケーション：不信感を解消するために

施設への不信感は、介護において大きなストレスとなります。しかし、建設的なコミュニケーションを通じて、問題を解決し、より良いケアを受けることが可能です。以下のステップを参考に、施設との関係を改善しましょう。

施設とのコミュニケーションステップ

情報収集：まずは、施設側に状況を詳しく説明してもらいましょう。なぜ床ずれが発生したのか、どのような対策が取られているのか、今後の見通しなどを確認します。
記録：日々のケアの様子や、お母様の状態を記録しましょう。記録は、施設とのコミュニケーションや、今後の対応を検討する上で役立ちます。
面談：施設長や担当のケアマネージャーと定期的に面談を行い、情報共有や相談の機会を持ちましょう。
要望の明確化：改善してほしい点や、希望するケアについて、具体的に伝えましょう。
協力体制の構築：施設職員との協力体制を築き、共に最善のケアを目指しましょう。
第三者への相談：必要に応じて、ケアマネージャーや、地域の相談窓口に相談しましょう。

今回のケースでは、施設側が床ずれの発生を認識していながら、適切な対応を取っていなかった可能性があります。まずは、施設側に状況を説明してもらい、今後の対応について話し合いましょう。必要であれば、皮膚科医の診察を勧め、治療とケアの連携を図るべきです。

4. 薬の副作用と情報伝達：多職種連携の重要性

お母様の薬の副作用に関する問題は、複数の医療機関が関わっている場合に起こりがちです。情報伝達の遅れや、連携不足が原因で、適切なケアが提供されないことがあります。

情報伝達の重要性

主治医：現在の主治医に、薬の副作用や、他の医療機関での治療状況を伝えましょう。
施設：施設職員にも、薬の副作用や、変更された薬について伝え、観察を依頼しましょう。
ケアマネージャー：ケアマネージャーは、医療機関や施設との連携を調整する役割を担っています。積極的に相談し、情報共有を行いましょう。

多職種連携

医師：お母様の健康状態を総合的に把握し、適切な治療方針を決定します。
看護師：服薬管理や、健康状態の観察を行います。
ケアマネージャー：介護計画の作成や、関係機関との連携を行います。
施設職員：日々のケアを提供し、異変に気づいたら、関係者に報告します。

今回のケースでは、薬の変更について、病院の先生と、ロングショートの施設の間での情報共有が不足していたようです。まずは、主治医に相談し、薬の副作用について詳しく説明し、適切な対応を検討しましょう。また、ケアマネージャーを通じて、施設との情報共有を徹底し、連携を強化しましょう。

5. 車椅子クッションと介護用品：適切な選択と利用

車椅子クッションは、床ずれ予防に非常に有効なアイテムです。しかし、種類が豊富で、どれを選べば良いか迷ってしまうこともあります。また、介護保険の適用についても、確認が必要です。

車椅子クッションの種類

ウレタンフォーム：安価で手軽に入手できますが、体圧分散効果はそれほど高くありません。
エアクッション：空気圧を調整することで、体圧分散効果を高めることができます。
ジェルクッション：体圧分散効果が高く、長時間の使用に適しています。
ハニカム構造：通気性が良く、ムレを防ぎます。

介護保険の適用

特定福祉用具：車椅子クッションは、介護保険の特定福祉用具の対象となる場合があります。
購入費の助成：自己負担額の1割〜3割で購入できます。
ケアマネージャーへの相談：介護保険の利用については、ケアマネージャーに相談しましょう。

今回のケースでは、車椅子に座る時間が長いとのことですので、体圧分散効果の高いクッションを選ぶことをお勧めします。ケアマネージャーに相談し、お母様に合ったクッションを選びましょう。

6. 介護と仕事の両立：あなたの心のケア

介護と仕事の両立は、心身ともに大きな負担となります。一人で抱え込まず、周囲のサポートを頼り、自分自身の心のケアも大切にしましょう。

相談窓口の活用

地域包括支援センター：介護に関する相談や、情報提供、関係機関との連携を行っています。
介護保険サービス：訪問介護や、デイサービスなどを利用し、介護負担を軽減しましょう。
家族や友人：困ったときは、家族や友人に相談し、サポートを求めましょう。

仕事との両立支援

勤務先の制度：介護休暇や、時短勤務などの制度を利用できるか、確認しましょう。
テレワーク：テレワークが可能な場合は、介護と仕事を両立しやすくなります。
転職：介護と仕事の両立が難しい場合は、介護に理解のある企業への転職も検討しましょう。

心のケア

休息：十分な休息を取り、心身の疲れを癒しましょう。
趣味：自分の好きなことに時間を使い、ストレスを解消しましょう。
カウンセリング：専門家によるカウンセリングを受け、心の悩みを相談しましょう。

介護と仕事の両立は、困難な道のりですが、決して一人ではありません。周囲のサポートを頼り、自分自身の心のケアも大切にしながら、乗り越えていきましょう。

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7. まとめ：床ずれと施設への不信感を乗り越えるために

床ずれは、適切な予防とケアによって、改善・予防が可能です。施設とのコミュニケーションを密にし、情報共有を徹底することで、より良いケアを受けることができます。また、薬の副作用や、多職種連携の問題についても、積極的に情報収集し、関係者と連携することで、解決への道が開けます。介護と仕事の両立は、大変な道のりですが、決して一人ではありません。周囲のサポートを頼り、自分自身の心のケアも大切にしながら、前向きに進んでいきましょう。

今回のチェックリストを参考に、床ずれの予防と、施設とのコミュニケーション改善に役立ててください。そして、もしあなたが介護と仕事の両立に悩んでいるなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにご相談ください。あなたの状況に合わせた、具体的なアドバイスを提供します。

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