特養での介護、疑問を徹底解説!排泄ケアと摘便、それは本当に正しいの?
特養での介護、疑問を徹底解説!排泄ケアと摘便、それは本当に正しいの?
この記事では、介護業界で働くあなたが抱える可能性のある疑問、特に特養(特別養護老人ホーム)での業務に関する疑問に焦点を当て、具体的な事例を通して、その疑問を解決していきます。介護の現場は、常に変化し、倫理観や法律、そして何よりも利用者の尊厳を守るための知識が求められます。この記事を通して、あなたのキャリアをより良いものにするための一助となれば幸いです。
私は特養で短期間働いていました。その中で疑問に思った事かありますので、皆さんのご意見をお聞かせください。
・その利用者さんは要介護5で左半身麻痺・日常の移動も車いす・一日中のほとんどを眠っているような状態ですが、一日に何度かトイレ誘導をしていました。しかし、私の働いていた所では「日中紙おむつゼロ」というのが方針らしく、そのような利用者さんも本人は眠っているような状態ですが、車いすからトイレの便座に移乗して排泄させるようにしていたのですすが、自力での排泄は難しく、排尿させるためにその利用者さんを前に倒し、下腹部を介護員が力いっぱい押して排尿させていたのですが、そのような行為はどこの施設でもしているのでしょうか?
その施設に入って先輩方がそのような行為をしているのを目の当たりにして「こういうのもありなの?」って困惑しました。ちなみに利用者さんは前に倒され、下腹部を押されるたびに「いーーーー!!」「あーーーーー!!」などというようなうめき声(?)、悲鳴(?)をあげていました。
・ある利用者さんが何日も便が出ていないということで、看護師ではなく、介護員(先輩方→ホームヘルパー2級の資格もなく、実務経験もない方)が医師や看護師の指示もないのに摘便を行っていました。私はホームヘルパー2級の資格を取得する際に行っていた学校では「摘便は医療行為なので看護師しかできません」と聞いていたので、「これって違反行為でないの?」と思い、その方に聞きましたら「本当は摘便は看護師しかできないんだけどね…」という返答。
実際のところ、摘便は医師や看護師の指示がなくても介護員ができる行為なのでしょうか?
皆様のご意見をお聞かせください。(特に医療関係者)
排泄ケアに関する疑問:なぜ「日中紙おむつゼロ」なのか?
まず、最初の疑問である排泄ケアについて考えてみましょう。特養で「日中紙おむつゼロ」という方針が掲げられている場合、その背景にはいくつかの理由が考えられます。
- 褥瘡(床ずれ)予防: 紙おむつを使用することで、皮膚が蒸れやすくなり、褥瘡のリスクが高まる可能性があります。排泄の度にトイレ誘導を行うことで、皮膚を清潔に保ち、褥瘡を予防する目的があります。
- 自立支援: 利用者の自立支援を促すため、可能な限りトイレでの排泄を促すという考え方があります。これは、残存機能を維持し、QOL(生活の質)を高めるための取り組みです。
- 施設の方針: 施設によっては、排泄ケアに対する独自の哲学や方針を持っている場合があります。これは、医療的な根拠に基づいている場合もあれば、単に慣習として行われている場合もあります。
しかし、今回のケースのように、要介護5で左半身麻痺、ほとんどを眠っているような状態の利用者に対して、無理にトイレ誘導を行い、排尿を促すために下腹部を圧迫する行為は、倫理的にも問題があると言わざるを得ません。利用者の尊厳を傷つけ、身体的な苦痛を与える可能性があるからです。
排泄介助における倫理的・法的問題点
下腹部を圧迫して排尿を促す行為は、身体的虐待とみなされる可能性があります。介護保険法では、虐待は「身体的虐待」「性的虐待」「心理的虐待」「ネグレクト」「経済的虐待」の5つに分類されており、身体的虐待は、利用者の身体に外傷が生じ、もしくは生じる恐れのある暴行を加えることを指します。今回のケースでは、利用者が苦痛を感じていることが明確であり、虐待に該当する可能性が高いと考えられます。
また、介護職員が利用者の身体に触れる際には、本人の同意を得ることが原則です。意識のない利用者であっても、家族や後見人の同意を得るなど、適切な手続きを踏む必要があります。今回のケースでは、利用者が意識がない状況で、下腹部を圧迫する行為は、同意を得ているとは言えません。
適切な排泄ケアとは?
適切な排泄ケアは、利用者の状態やニーズに合わせて、個別に行われるべきです。以下に、具体的なポイントを挙げます。
- アセスメントの徹底: 利用者の排泄パターン、排尿・排便の状況、既往歴などを詳細にアセスメントし、個別のケアプランを作成します。
- 本人の意思尊重: 本人の意思を確認し、可能な限り本人の希望に沿ったケアを提供します。意識がない場合は、家族や後見人との連携が重要です。
- 安楽な姿勢: トイレ誘導の際は、利用者が最も安楽な姿勢をとり、無理のない体位で排泄できるように配慮します。
- 排泄促進: 必要に応じて、水分摂取を促したり、排便を促すためのマッサージなどを行います。
- 記録: 排泄の状況やケアの内容を詳細に記録し、情報共有を行います。
今回のケースでは、まず、利用者の状態を正確に把握し、医師や看護師、理学療法士などの専門職と連携して、適切なケアプランを作成する必要があります。その上で、利用者の尊厳を守り、身体的な苦痛を与えないようなケアを提供することが重要です。
摘便に関する疑問:介護職員による摘便は可能か?
次に、摘便に関する疑問について解説します。摘便は、便秘などで自力での排便が困難な場合に、肛門から指を入れて便を掻き出す処置です。
一般的に、摘便は医療行為に該当します。医療行為は、医師または看護師が行うことが原則であり、介護職員が行うことは、原則として認められていません。ただし、一定の条件を満たせば、介護職員による摘便が認められる場合があります。
介護職員による摘便が認められる条件
介護職員が摘便を行うためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 医師の指示: 医師が、摘便の必要性や方法、回数などを具体的に指示していること。
- 看護師の指導: 看護師が、介護職員に対して、摘便の手技や注意点などを指導していること。
- 本人の同意: 利用者本人の同意を得ていること。意識がない場合は、家族や後見人の同意を得る。
- 記録: 摘便の実施状況や利用者の反応を詳細に記録し、情報共有を行う。
今回のケースでは、介護職員が医師や看護師の指示なしに摘便を行っていたとのことですので、明らかに違法行為にあたります。また、ホームヘルパー2級の資格しか持たない介護職員が摘便を行うことは、知識や技術の不足から、利用者に身体的な苦痛を与えたり、健康を害するリスクを高める可能性があります。
摘便に関する正しい対応
もし、あなたが介護現場で、介護職員による無資格での摘便を目撃した場合、以下の対応をとることが重要です。
- 上司への報告: まずは、施設長や看護師長などの上司に報告し、状況を説明します。
- 事実確認: 摘便が行われた事実や、医師の指示の有無、看護師の指導の有無などを確認します。
- 改善策の検討: 施設全体で、摘便に関するルールや手順を見直し、再発防止策を検討します。
- 関係機関への相談: 必要に応じて、行政や関係団体に相談し、適切な対応を求めます。
介護職員は、利用者の安全と健康を守るために、医療行為に関する知識や技術を習得し、適切な対応をとる必要があります。もし、あなたが摘便に関する知識や技術に不安がある場合は、看護師に相談したり、研修に参加するなどして、スキルアップを図るようにしましょう。
介護現場で働くあなたのためのヒント
介護の現場では、様々な問題に直面することがあります。以下に、あなたがより良いケアを提供し、安心して働くためのヒントをいくつかご紹介します。
- 知識の習得: 介護に関する知識や技術を常に学び、スキルアップに努めましょう。
- 情報収集: 介護に関する最新の情報や、法律、制度などを積極的に収集しましょう。
- チームワーク: チームの一員として、他の職員と協力し、情報共有を行いましょう。
- 相談: 困ったことや疑問に思うことがあれば、上司や同僚、専門職に相談しましょう。
- 自己研鑽: 自分の強みや弱みを把握し、自己研鑽に励みましょう。
- 倫理観の維持: 利用者の尊厳を守り、倫理的な行動を心がけましょう。
介護の仕事は、大変なことも多いですが、やりがいのある仕事です。あなたの努力が、利用者の笑顔につながり、社会に貢献することになります。自信を持って、あなたのキャリアを築いていきましょう。
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まとめ
この記事では、特養での排泄ケアと摘便に関する疑問について、具体的な事例を通して解説しました。要介護者の尊厳を守り、適切なケアを提供するためには、知識と倫理観、そしてチームワークが不可欠です。もし、あなたが介護現場で疑問や不安を感じたら、一人で抱え込まずに、専門家や同僚に相談し、より良いケアを提供できるよう努めてください。
介護の仕事は、大変なことも多いですが、あなたの努力が、利用者の笑顔につながり、社会に貢献することになります。自信を持って、あなたのキャリアを築いていきましょう。
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