介護の現場で「ありがとう」に涙…新人介護士が抱える複雑な感情への向き合い方
介護の現場で「ありがとう」に涙…新人介護士が抱える複雑な感情への向き合い方
介護の現場で働き始めたものの、入居者の方々からの「ありがとう」という言葉に、複雑な感情を抱き、涙してしまうという経験をされたのですね。この気持ちは、介護職として働く多くの方が経験するものです。今回は、あなたが抱える感情に寄り添いながら、その理由を紐解き、どのように乗り越えていけば良いのか、具体的なアドバイスをさせていただきます。
今月から無資格未経験で介護職に就いた者です。
介護士の知人が何名かおり、仕事内容のキツさ等は理解していたため覚悟のうえでの就職でした。
前職もそれなりの激務だったため体力面の心配は無用で、問題はやはりおむつ交換です。
いきなり交換してと言われてもキツイものがあります…。
それと、予想外の部分がとてもキツかったのです。
介護士として働いている方にお聞きしたいです。
利用者さん(患者さん?)に「有難う」と感謝の言葉を述べられてどう思いましたか?
嬉しく思いましたか?
普通、感謝されれば嬉しいですし悪い気はしないものですよね。
でも……私は嬉しく思えませんでした。
トイレに行きたいと言われてトイレに連れて行く。
おむつを交換する。
食事の介助をする。
これらをして、おばあちゃん達に「有難うございます有難うございます」「ありがたやありがたや…」と言われて、私はなんともいえない気持ちになりました。
トイレに行きたくなるのは生理現象であり人として当然の欲求で、それらを一人で出来ないのだからしょうがないじゃないですか。
つまり「排泄させてくれて有難う」って言われてるようなものでしょう?
人として何かおかしい、違うなって思ったんです。
介助が必要としない方でも頑張って支えに掴まって、震えながら身体を動かして必死にトイレに座る……
おむつ交換の時だって、好きで交換されてるわけじゃない、出来る事なら誰に見られることなく自分でトイレに行きたいだろうに。
交換されている間の表情はとても渋く、ぎゅっと目を閉じて何かに耐えているようなものでした。
…正直、涙を堪えるのに必死でした。
ご飯もなるべくバランスよく食べさせてあげたくて頑張ったつもりですが、もっとごはん食べたいとか、おかず食べたいとか…順番きっとあったんじゃないかなと。
何せ初めての食事介助だったので、おそらくおぼつかない手つきでおばあちゃんも頼りなかっただろうなって思いました。
まさか利用者さんを見ていて涙が出てくるとは思わず、とても驚きました。
似たような思いを抱いた方はいらっしゃるのでしょうか……。
泣かずに頑張れるような気持ちの切り替え方等知りたいです。
なぜ「ありがとう」に涙してしまうのか? 介護士が感じる複雑な感情の背景
介護の現場で「ありがとう」という言葉に涙してしまう背景には、いくつかの複雑な感情が絡み合っています。それは、単に感謝の言葉を受け取ることが難しいというだけではありません。以下に、主な要因を詳しく解説します。
1. 尊厳への配慮と葛藤
介護の仕事は、利用者の尊厳を守りながら、生活をサポートすることが求められます。しかし、排泄や食事といった、本来は自立して行えるはずの行為を介助することは、利用者の自尊心を傷つけてしまう可能性があります。あなたが「排泄させてくれてありがとう」という言葉に違和感を覚えるのは、まさにこの点にあるでしょう。自立を阻害してしまっているという罪悪感や、自分の介助が相手の尊厳を傷つけているのではないかという不安が、複雑な感情を生み出すのです。
2. 共感性と感情移入
介護の仕事は、利用者の気持ちに寄り添うことが重要です。あなたは、利用者の置かれた状況や、抱えているであろう感情を想像し、共感する能力が高いからこそ、涙してしまうのです。特に、おむつ交換の際の表情や、食事の際の「もっと食べたい」という言葉には、自分の力ではどうにもならない状況に対する無力感や、不自由さへの共感が込められています。この共感性の高さが、あなたの心を揺さぶり、涙を誘うのです。
3. 理想と現実のギャップ
介護の仕事に対する理想と、実際の現場とのギャップも、感情的な負担を大きくする要因です。あなたは、利用者のために最善を尽くしたいという強い思いを持っているはずです。しかし、新人介護士として、まだ十分な知識や技術、経験がないために、理想通りのケアを提供できない場合があります。食事介助の際に「おぼつかない手つき」だと感じたり、もっと良い方法があったのではないかと後悔したりするのも、このギャップからくるものです。理想と現実の間に生じる葛藤が、あなたの心を苦しめるのです。
4. 疲労とストレス
介護の仕事は、肉体的にも精神的にも負担が大きい仕事です。体力的な疲労に加え、利用者の状態や感情に常に気を配ることは、大きなストレスとなります。特に、新人介護士は、慣れない環境で、多くのことを覚え、同時に多くのことをこなさなければなりません。この疲労とストレスが蓄積されると、感情のコントロールが難しくなり、些細なことでも涙が出てしまうことがあります。
感情を乗り越えるための具体的な方法
介護の現場で感じる複雑な感情を乗り越え、前向きに仕事に取り組むためには、具体的な方法を実践していくことが重要です。以下に、実践的なアドバイスをいくつかご紹介します。
1. 感情を認識し、受け入れる
まず、自分の感情を認識し、受け入れることが大切です。あなたが感じている感情は、決して異常なものではありません。多くの介護士が同じような感情を経験しています。自分の感情を否定したり、無理に抑え込もうとせず、「私は今、こういう気持ちなんだ」と認めることから始めましょう。感情を言葉にすることで、客観的に自分を理解し、冷静さを保つことができます。
2. 専門的な知識と技術を習得する
介護に関する知識や技術を習得することで、自信を持ってケアを提供できるようになり、理想と現実のギャップを埋めることができます。例えば、食事介助の際には、栄養バランスや嚥下(えんげ)のメカニズムについて学ぶことで、より適切なケアができるようになります。また、排泄ケアや移動介助などの技術を習得することで、利用者の尊厳を守りながら、安全に介助できるようになります。積極的に研修に参加したり、先輩介護士に質問したりして、スキルアップを目指しましょう。
3. コミュニケーションを大切にする
利用者とのコミュニケーションを積極的に行うことで、信頼関係を築き、感謝の言葉の真意を理解することができます。単に介助をするだけでなく、積極的に話しかけ、利用者の気持ちに寄り添うように心がけましょう。例えば、おむつ交換の際には、「嫌ですよね、ごめんなさいね」と声をかけたり、食事の際には、食べたいものや食べ方の希望を聞いたりすることで、利用者の気持ちを理解し、より良いケアを提供することができます。コミュニケーションを通して、感謝の言葉が、単なる社交辞令ではなく、あなたへの信頼と愛情の表れであることを実感できるようになるでしょう。
4. 記録をつける
日々の業務の中で、感じたことや気づいたことを記録する習慣をつけましょう。記録することで、自分の感情を整理し、客観的に状況を把握することができます。例えば、利用者との会話や、ケアの際の工夫などを記録することで、自分の成長を実感し、モチベーションを維持することができます。また、記録は、先輩介護士や同僚との情報共有にも役立ち、より良いケアを提供するためのヒントを得ることができます。
5. 休息とリフレッシュ
心身ともに健康な状態で仕事に取り組むためには、十分な休息とリフレッシュが必要です。仕事とプライベートの時間を区別し、休日はしっかりと休息を取りましょう。趣味を楽しんだり、友人や家族と過ごしたりして、気分転換を図ることも大切です。また、睡眠不足や食生活の乱れは、心身の不調につながるため、規則正しい生活を心がけましょう。
6. 相談できる相手を見つける
一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することも重要です。職場の先輩介護士や同僚、家族、友人など、誰でも構いません。自分の気持ちを話すことで、心が軽くなり、客観的なアドバイスをもらうことができます。また、専門家であるカウンセラーや、医療機関に相談することも有効です。専門家のサポートを受けることで、より深く自分の感情を理解し、適切な対処法を見つけることができます。
7. ポジティブな視点を持つ
介護の仕事は、大変なことも多いですが、やりがいも大きい仕事です。利用者の笑顔や、「ありがとう」という感謝の言葉は、あなたの努力が報われた証です。また、介護を通して、人間関係やコミュニケーション能力、問題解決能力など、様々なスキルを身につけることができます。困難な状況に直面したときこそ、ポジティブな視点を持ち、自分の成長の機会と捉えましょう。例えば、「今回はうまくいかなかったけど、次はこの点を改善しよう」と考えることで、前向きな気持ちで仕事に取り組むことができます。
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介護士として長く働くために
介護の仕事は、長く続けることで、より深い知識や技術を身につけ、利用者やその家族に貢献できるようになります。ここでは、介護士として長く働くために、意識しておきたいポイントをご紹介します。
1. キャリアプランを描く
介護士としてのキャリアプランを描くことで、目標を持ち、モチベーションを維持することができます。例えば、介護福祉士の資格を取得し、リーダーやケアマネージャーを目指す、特定の分野(認知症ケア、看取りケアなど)を専門とするなど、様々なキャリアパスがあります。自分の興味や関心に合わせて、具体的な目標を設定し、それに向かって努力することで、仕事への意欲を高めることができます。
2. 職場環境を選ぶ
長く働くためには、自分に合った職場環境を選ぶことが重要です。職場の雰囲気や人間関係、福利厚生、研修制度など、様々な要素を考慮し、自分にとって働きやすい環境を選びましょう。可能であれば、事前に職場見学や、そこで働く介護士の話を聞くなどして、情報を収集することをおすすめします。また、転職を検討する際には、複数の求人情報を比較検討し、自分に最適な職場を見つけましょう。
3. スキルアップを続ける
介護の仕事は、常に新しい知識や技術が求められます。研修に参加したり、資格を取得したりすることで、スキルアップを続けることが大切です。スキルアップすることで、自信を持ってケアを提供できるようになり、仕事へのやりがいも増します。また、スキルアップは、キャリアアップにもつながり、給与アップや、より責任のある仕事に就くチャンスも広がります。
4. メンタルヘルスケア
介護の仕事は、精神的な負担が大きいため、メンタルヘルスケアも重要です。ストレスを溜め込まないように、定期的に休息を取り、気分転換をしましょう。また、職場の相談窓口や、外部のカウンセリングサービスなどを利用することも有効です。自分の心と体の状態に気を配り、必要に応じて専門家のサポートを受けることで、心身ともに健康な状態で、長く介護の仕事に取り組むことができます。
5. チームワークを大切にする
介護の仕事は、チームワークが重要です。同僚と協力し、情報を共有し、互いに支え合うことで、より良いケアを提供することができます。積極的にコミュニケーションを取り、困ったことがあれば、遠慮なく相談しましょう。また、チームの一員として、責任感を持って仕事に取り組むことも大切です。チームワークを大切にすることで、職場の雰囲気が良くなり、仕事へのモチベーションも高まります。
まとめ
介護の現場で「ありがとう」という言葉に涙してしまうのは、あなたの優しさ、共感力、そしてプロ意識の表れです。この感情を乗り越え、前向きに仕事に取り組むためには、自分の感情を認識し、受け入れることが第一歩です。そして、専門的な知識と技術を習得し、利用者とのコミュニケーションを大切にすることで、感謝の言葉の真意を理解し、やりがいを感じられるようになります。また、休息とリフレッシュを心がけ、相談できる相手を見つけることも重要です。介護士として長く働くためには、キャリアプランを描き、自分に合った職場環境を選び、スキルアップを続け、メンタルヘルスケアを行い、チームワークを大切にすることが大切です。あなたの優しさと努力は、必ず利用者の笑顔につながり、介護の現場を明るく照らします。これからも、あなたの温かい心で、多くの人々を支えていってください。
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