【介護と障害者認定の疑問を解決】86歳のおじい様の「施設入所」を成功させるための完全ガイド
【介護と障害者認定の疑問を解決】86歳のおじい様の「施設入所」を成功させるための完全ガイド
この記事では、ご家族が直面している介護と障害者認定に関する複雑な問題について、専門家の視点から分かりやすく解説します。特に、86歳のおじい様の施設入所をスムーズに進めるために、障害者手帳の取得、後期高齢者医療制度の活用、そしてリハビリの継続に関する疑問を解決します。介護保険制度や障害者総合支援法など、専門的な知識がなくても理解できるよう、具体的なアドバイスと役立つ情報を提供します。
まず、ご相談内容を整理し、現状を把握しましょう。
祖父（86歳）が昨年8月に脳梗塞になり、右半身麻痺になりました（全く動かず、感覚もなし）。現在座るのも困難で、寝たきり状態です。嚥下困難のため胃ろうで、完全介護です。昨年末に介護認定5を受けました。
急性期病院から療養型病院に10月に転院しましたが、その療養型病院がどうしても合わず、少しでも早く施設にかわりたいと考えています。施設はもう決めて、今は順番待ちです。
その療養型病院は、少しでも長くいて欲しいようで、いろいろ提案してくるのですが…不信感がつのります。本当に合わないのです。脳梗塞の原因を作ったのもその病院ですし。
質問があるのですが、
- 病院のソーシャルワーカーの方は、『あと1か月病院にいて（？）、障害者手帳をもらった方が施設に入るのに有利です』と言われたのですが、施設に入るには、障害者認定と、後期高齢者医療福祉と、どちらが有利ですか？後期高齢者の方が簡単にとれると聞いたことがあるのですが…
- 『脳梗塞後のリハビリは、6か月までは国の補助がたくさん出るけど、6か月を過ぎたら出なくなる。だけどもう少しリハビリすると改善が見込めるような人は、院長先生が少し延ばすように書いてくれる。だから、それを書いてもらうために、脳梗塞発症6か月後の2月末までうちの病院にいた方がいい』とも言われました。家族の意見は、少しでも早く転院したいのですが、2月末までいた方がいいのでしょうか？（そのリハビリの延長？が、どのくらい意義があるのかわかりません。転院先の施設でもリハビリはありますし）
介護、障害など、知識が全くなくて困っています。お知恵を借りたいです。
補足：入る予定の施設は、『老人保健施設』とHPに書いてありました。病院を併設しており、何かあったらその病院に行くそうです。
今後やるべき事は、施設の入所が決まったら、障害者認定をもらうだけでいいですか？
1. 障害者手帳と後期高齢者医療制度：どちらが施設入所に有利？
まず、障害者手帳と後期高齢者医療制度のどちらが施設入所に有利かという点について解説します。結論から言うと、どちらも施設入所において直接的な「有利さ」をもたらすわけではありません。しかし、それぞれの制度が持つ特性を理解し、状況に応じて適切に活用することが重要です。
1-1. 障害者手帳のメリットとデメリット
障害者手帳（身体障害者手帳）は、身体的な障害を持つ方が様々な福祉サービスを利用するためのものです。メリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- 税金の控除: 所得税や住民税の控除が受けられる場合があります。
- 医療費の助成: 医療費の自己負担額が軽減される場合があります。
- 公共料金の割引: 公共交通機関の運賃割引や、携帯電話料金の割引などが受けられる場合があります。
- 福祉サービスの利用: 障害者向けの様々な福祉サービス（訪問介護、デイサービスなど）を利用できます。
一方、デメリットとしては、
- 申請手続きの煩雑さ: 申請には診断書が必要であり、手続きに時間がかかる場合があります。
- 障害の程度の認定: 障害の程度によっては、手帳が交付されない場合があります。
施設入所に関しては、障害者手帳を持っていることで、入所できる施設の選択肢が増える可能性があります。特に、障害者支援施設など、障害者向けの施設への入所を希望する場合は、手帳が必須となる場合があります。しかし、今回のケースのように、老人保健施設への入所を希望する場合は、必ずしも障害者手帳が必須ではありません。
1-2. 後期高齢者医療制度のメリットとデメリット
後期高齢者医療制度は、75歳以上の方（または一定の障害がある65歳以上の方）が加入する医療保険制度です。メリットとしては、
- 医療費の自己負担割合: 原則1割負担（所得によっては3割負担）となります。
- 高額療養費制度: 医療費が高額になった場合に、自己負担額が一定額に抑えられます。
デメリットとしては、
- 保険料の支払い: 保険料を支払う必要があります。
- 保険給付の制限: 制度によっては、保険給付に制限がある場合があります。
施設入所に関しては、後期高齢者医療制度に加入していることは、直接的に有利不利に影響しません。しかし、医療費の自己負担が軽減されるため、経済的な負担を軽減することができます。
1-3. 結論：どちらも重要だが、優先順位は状況による
今回のケースでは、老人保健施設への入所を希望しているため、障害者手帳の有無が直接的な影響を与える可能性は低いと考えられます。しかし、今後の生活において、障害者向けの福祉サービスを利用する可能性がある場合は、障害者手帳を取得しておくことを検討する価値があります。一方、後期高齢者医療制度は、医療費の負担を軽減するために不可欠な制度です。どちらの制度も重要ですが、優先順位は、今後の生活設計や利用したいサービスによって異なります。
2. リハビリ継続の是非：2月末まで病院にいるべき？
次に、リハビリの継続について検討します。病院のソーシャルワーカーは、脳梗塞発症から6か月間のリハビリ補助について言及し、2月末まで病院にいることを勧めています。この点について、以下の観点から考察します。
2-1. リハビリの重要性と効果
脳梗塞後のリハビリは、麻痺や言語障害などの後遺症を軽減し、生活の質を向上させるために非常に重要です。リハビリの効果は、発症からの期間や個人の状態によって異なりますが、早期に適切なリハビリを開始することで、回復の可能性を高めることができます。リハビリの内容としては、
- 理学療法: 体を動かす訓練を行い、身体機能の回復を目指します。
- 作業療法: 日常生活動作（食事、着替え、入浴など）の訓練を行い、自立した生活を支援します。
- 言語聴覚療法: 言語障害や嚥下障害のリハビリを行い、コミュニケーション能力や食事能力の回復を目指します。
リハビリの効果を最大限に引き出すためには、継続的な訓練と、個人の状態に合わせた適切なプログラムが必要です。
2-2. 6か月間のリハビリ補助と、その後の対応
脳梗塞発症から6か月間は、国の補助によりリハビリ費用が軽減される場合があります。しかし、6か月を過ぎると補助が少なくなるため、リハビリを継続するかどうか迷う方も少なくありません。この点については、
- リハビリの必要性: 症状の改善が見込める場合は、リハビリを継続することが推奨されます。
- 転院先の施設でのリハビリ: 転院先の施設でもリハビリが提供される場合、そちらで継続することも可能です。
- 院長先生の判断: 院長先生がリハビリの継続を認める場合、補助の対象となる可能性があります。
重要なのは、リハビリの必要性と、転院先の施設でのリハビリ体制を比較検討することです。
2-3. 療養型病院の提案に対する注意点
療養型病院が2月末までいることを勧める理由として、リハビリの継続と、障害者手帳の取得が挙げられています。しかし、病院への不信感がある場合、その提案を鵜呑みにすることは避けるべきです。以下の点に注意して、判断する必要があります。
- 客観的な情報収集: 医師や理学療法士など、専門家からリハビリに関する客観的な情報を収集する。
- 転院先の施設の確認: 転院先の施設の設備やリハビリ体制を確認する。
- 家族の意向: 家族の意向を尊重し、納得のいく選択をする。
今回のケースでは、療養型病院との相性が悪いとのことですので、できるだけ早く転院し、適切な環境でリハビリを継続することをお勧めします。
2-4. 結論：早期の転院と、適切なリハビリ環境の選択を
2月末まで病院にいることが、必ずしも最善の選択とは限りません。早期に転院し、老人保健施設でリハビリを継続することも可能です。重要なのは、おじい様の状態に合った、適切なリハビリ環境を選択することです。転院先の施設の設備やリハビリ体制を確認し、専門家のアドバイスを受けながら、最適な選択をしてください。
3. 今後やるべきこと：施設入所後の手続き
最後に、施設入所が決まった後の手続きについて解説します。
3-1. 障害者手帳の申請
施設入所後、障害者向けの福祉サービスを利用する可能性がある場合は、障害者手帳の申請を検討しましょう。申請手続きは、お住まいの市区町村の障害福祉窓口で行います。申請には、医師の診断書が必要となります。申請後、審査を経て、障害の程度が認定されれば、障害者手帳が交付されます。
3-2. 介護保険サービスの利用
施設入所後も、介護保険サービスを利用することができます。介護保険サービスを利用するためには、介護保険の申請を行い、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定の結果に応じて、利用できる介護保険サービスが決まります。老人保健施設では、介護保険サービスを利用して、リハビリや日常生活の支援を受けることができます。
3-3. その他必要な手続き
その他、必要に応じて、以下の手続きを行う必要があります。
- 医療保険の手続き: 後期高齢者医療制度の手続きを行います。
- 生活保護の申請: 経済的に困窮している場合は、生活保護の申請を検討します。
- 成年後見制度の利用: 判断能力が低下している場合は、成年後見制度を利用することを検討します。
4. まとめ：スムーズな施設入所に向けて
今回のケースでは、86歳のおじい様の施設入所をスムーズに進めるために、以下の点を意識することが重要です。
- 情報収集: 介護保険制度や障害者総合支援法など、関連する制度について情報を収集し、理解を深める。
- 専門家への相談: ケアマネージャー、医師、ソーシャルワーカーなど、専門家のアドバイスを受ける。
- 家族の協力: 家族で協力し、おじい様の意思を尊重しながら、最適な選択をする。
- 早期の行動: 状況を放置せず、早期に行動を開始する。
介護は、ご家族にとって大きな負担となる場合があります。しかし、適切な情報収集と専門家のアドバイス、そして家族の協力があれば、必ず解決策は見つかります。焦らず、一つ一つ問題を解決していきましょう。
今回のケースでは、療養型病院との相性が悪いとのことですので、できるだけ早く転院し、適切な環境でリハビリを継続することをお勧めします。また、障害者手帳の取得や、後期高齢者医療制度の活用など、状況に応じて適切な手続きを行いましょう。
ご家族皆様が、おじい様と穏やかな生活を送れるよう、心から応援しています。
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