認知症の父が安心して暮らせる施設探し：介護施設選びのプロが教える、失敗しないための徹底ガイド
認知症の父が安心して暮らせる施設探し：介護施設選びのプロが教える、失敗しないための徹底ガイド
この記事では、認知症の父親が安心して暮らせる施設を探しているあなたへ、介護施設選びの専門家として、具体的なアドバイスと情報を提供します。ご家族の状況を深く理解し、最適な選択をするためのステップを、分かりやすく解説します。
昨年12月頃、父母が一緒に住める施設の件でご相談させていただきました。ご回答を下さった皆様、ありがとうございました。
父、母ともに、今は要介護２です。
その後、母は左麻痺はあるものの、ケアハウスに特定を付けて入居し、毎日四点杖で廊下を歩くなど、自己流のリハビリを続け、週に３日のマッサージも受けて、快適に暮らしているようです。ただ、左が使えないため、右手に頼ることになり、腱鞘炎になっているようで、近々病院へ行く予定でいます。
そして、その母と二人で一緒に暮らしたいと言っていた父は、母の施設が満室のため、部屋が空くまで、別のケアハウスに、こちらも特定をつけて入居していますが、２月中頃から認知症らしき症状が出始め、１回の徘徊、４回の転倒を経て入居しました。
もちろん、徘徊や転倒のことは事前に施設に報告し、その上での入居となったわけですが、入居から半月の今までに、転倒２回、徘徊２回と施設の方から報告を受けています。
謝罪はなく報告のみ、むしろ、徘徊の時には、転倒する前に介護スタッフの方に発見されてラッキーだったわねという雰囲気です。
入居してしばらくのうちは、混乱して徘徊することがあるかもしれないけれど、それを超えても徘徊が続くようだと、施設を出てもらうことになるだろうとも言われてしまいました。
他の特定の方の介護が忙しくて、あなたのお父さんのことまで見ている余裕はないとも言われ、納得できない気持ちでいます。
母が入居している施設にも相談しましたが、そこまでいってしまったら、うちでも無理かもしれないと言われてしまいました。
転倒、骨折してからでは遅いので、どこか父くらいの状態で受け入れるのに向いている施設をと思いますが、グループホーム、老健…くらいしか思い浮かびません。
老健といっても、父は「リハビリは面倒だから嫌だ」と言っているため、申し訳程度に３ヶ月だけ入所させてもらい、またどこか他の施設を探すのは心配でもあります。
父は暴力、暴言や性的な問題は今のところ一切ありませんが、食事では、いくら食べてもお腹いっぱいにならないと、山ほどのお菓子を部屋に隠し置いていて、お菓子のファミリーパックなどは一晩で食べ尽くしてしまい、健康面も心配です。
父の栄養面の管理となると、グループホームでは限界があるでしょうか？（基本的には個室ということのようなので）
老健の多床室なら、夜中にお菓子を食べるのも防げるのではと思うのですが…。
自宅にいる時も、子供のためにと買っておいたお菓子を全部食べてしまうことが、たびたびあり、子供達は文句も言えず（父の状態をそれなりに理解しているので）泣いていました。
夜中に食べ物を探そうと台所の棚をあちこち開けて、それで転倒してしまったこともありました。
そうして、夜も落ち着いて眠れない状態だったのが、父を施設に入れても、転倒したの徘徊したのと連絡が入り、施設側から、毎週面会に来て欲しいと言われ、母も毎週来て欲しいといいますし、もう、頭がパンクしそうです。
老健でも、ところによっては、ほぼ終身で利用できるところもあると聞きました。
そのような施設を探すのに、何かコツはあるでしょうか。
長々と申し訳ありませんでした。よろしくお願いいたします。
補足父は、車椅子での移動を前提としての入居になっています。
介護施設の介助の限界もあり、転倒で骨折したりしたら大変なので、車椅子での移動にしましょうとの前提で、入居しています。
父が杖で歩いてしまうのは、施設側にとっては、想定外ということになり、「夜間に歩いて廊下へ出ないよう、説得して下さい」と施設の方から言われてはいますが、約束をしっかり覚えていられない、認知症の父にとっては、毎日言ったとしても、無駄になってしまうことです。
そうなると、父がなるべく歩いて徘徊しないように工夫しなくてはという話になるかと思うのですが、あなたのお父さんにばかり構っていられないと言われてしまうので、事前に、徘徊、転倒があると話した上で、それでもいいですと入居したところを、徘徊されると困るからよく言って聞かせてくれとなってしまうことに、不自然さを感じています。
部屋を出た時にアラームが鳴る赤外線センサーがあると知って、話を聞いたところ、「そんなものがあるとは、見たことも聞いたこともない。ぜひ、インターネットに掲載されているものを印刷して持ってきて欲しい」と言われて、本当に、わけがわからなくなってしまいました。
ご相談ありがとうございます。お父様の施設探し、大変な状況ですね。ご家族の皆様の心労を思うと、胸が痛みます。今回の記事では、認知症のお父様が安心して過ごせる施設を見つけるために、具体的なステップと注意点、そして施設選びのコツを、介護施設選びの専門家として詳細に解説します。ご相談内容を深く理解し、現状を打開するためのヒントを提供します。
1. 現状の整理と課題の明確化
まず、現状を整理し、抱えている課題を明確にしましょう。今回の相談内容から、以下の点が主な課題として挙げられます。
- 認知症の進行: 認知症の症状が進行し、徘徊や転倒のリスクが高まっている。
- 施設側の対応: 施設側の対応に不満があり、十分なサポートが得られていないと感じている。
- 食事管理の問題: 食事のコントロールができず、健康面での懸念がある。
- 施設選びの難しさ: 適切な施設が見つからず、今後の見通しが立たない。
- ご家族の負担: 施設との連携や面会、そして今後の施設探しに、大きな負担を感じている。
これらの課題を一つずつ解決していくために、具体的な対策を検討していきます。
2. 施設の種類と特徴を理解する
認知症の父に合った施設を選ぶためには、それぞれの施設の特徴を理解することが重要です。主な選択肢として、以下の施設が挙げられます。
- グループホーム: 認知症の高齢者を対象とした施設で、少人数制で家庭的な雰囲気の中で生活できます。認知症ケアに特化した専門的な知識を持つスタッフが配置されています。
- 介護老人保健施設（老健）: 医療ケアやリハビリテーションに重点を置いた施設で、在宅復帰を目指すためのサポートが提供されます。終身利用も可能な施設もあります。
- 特別養護老人ホーム（特養）: 終身利用を前提とした施設で、手厚い介護が必要な高齢者向けです。入居待ちの期間が長い傾向があります。
- ケアハウス: 食事や入浴などの生活支援を受けながら、自立した生活を送れる施設です。認知症の方も入居できますが、専門的なケアは限られます。
それぞれの施設には、メリットとデメリットがあります。お父様の状況に合わせて、最適な施設を選ぶことが大切です。
3. 施設選びの具体的なステップ
適切な施設を選ぶための具体的なステップを解説します。
ステップ1: 情報収集と候補施設の選定
まずは、情報収集から始めましょう。インターネット検索や、地域の相談窓口（地域包括支援センターなど）を活用して、候補となる施設を探します。以下の点を考慮して、候補を絞り込みましょう。
- お父様の現在の状態: 認知症の進行度合い、身体的な状態（移動手段、既往症など）、食事の状況などを詳しく把握します。
- 施設の対応力: 認知症ケアの専門性、夜間の対応体制、転倒防止対策などを確認します。
- 施設の雰囲気: 施設の清潔さ、スタッフの対応、入居者の様子などを確認します。
- 費用: 月額費用、入居一時金、その他費用などを比較検討します。
- 立地: ご家族が面会しやすい場所にあるか、周辺環境（病院へのアクセスなど）も考慮します。
ステップ2: 施設の見学と情報収集
候補となる施設をいくつか選び、実際に見学に行きましょう。見学時には、以下の点に注目します。
- 施設の雰囲気: 施設の清潔さ、明るさ、匂いなどを確認します。
- スタッフの対応: スタッフの対応や、入居者とのコミュニケーションの様子を観察します。
- 認知症ケア: 認知症ケアの具体的な内容（レクリエーション、個別ケアなど）を確認します。
- 設備: バリアフリー設計、転倒防止対策、緊急時の対応などを確認します。
- 入居者の様子: 入居者の表情や様子を観察し、その施設での生活がイメージできるかを確認します。
見学時には、積極的に質問し、疑問点を解消しましょう。事前に質問リストを作成しておくと、スムーズに情報収集できます。
ステップ3: 施設の比較検討と決定
複数の施設を見学し、それぞれの情報を比較検討します。以下の点を考慮して、最適な施設を選びましょう。
- お父様のニーズとの合致: お父様の状態や希望に合ったケアが受けられるかを確認します。
- 施設の対応力: 認知症ケアの専門性、夜間の対応体制、緊急時の対応などを評価します。
- 費用: 予算内で利用できるか、費用対効果を考慮します。
- ご家族の負担: 面会のしやすさ、施設との連携のしやすさなどを考慮します。
最終的に、お父様とご家族にとって、最も安心できる施設を選びましょう。
ステップ4: 入居前の準備と手続き
入居が決まったら、必要な準備と手続きを行います。以下の点を確認しましょう。
- 契約内容の確認: 契約内容をよく読み、疑問点は事前に確認します。
- 持ち物の準備: 必要な持ち物（衣類、日用品、薬など）をリストアップし、準備します。
- 入居前の相談: 入居前に、施設のスタッフと面談し、お父様の状態や希望を伝えます。
- 入居後の連携: 入居後も、施設と密に連携し、お父様の状況を共有し、必要なサポートを受けます。
4. 施設選びのコツと注意点
施設選びを成功させるための、具体的なコツと注意点を紹介します。
- 情報収集は徹底的に: インターネット検索だけでなく、地域の相談窓口や、ケアマネジャーなど、専門家からの情報も参考にしましょう。
- 見学は複数回: 1回だけでなく、時間帯を変えて複数回見学し、施設の様々な側面を確認しましょう。
- スタッフとのコミュニケーション: スタッフとのコミュニケーションを密にし、お父様の状況や希望を伝え、連携を深めましょう。
- 入居者の声を聞く: 可能であれば、入居者に話を聞き、施設のリアルな情報を収集しましょう。
- 焦らない: 焦って決めるのではなく、時間をかけて、じっくりと検討しましょう。
- 専門家の意見を聞く: ケアマネジャーや、介護施設選びの専門家など、専門家の意見を聞き、アドバイスを受けましょう。
5. 食事管理と栄養面での注意点
お父様の食事管理と栄養面での注意点について解説します。認知症の方は、食事に関する問題が起こりやすいため、特に注意が必要です。
- 食事の形態: 嚥下機能に問題がある場合は、食事の形態（刻み食、ペースト食など）を調整します。
- 食事の時間と量: 規則正しい時間に、適切な量の食事を提供します。
- 間食の管理: 間食の量や内容を制限し、健康的な食事を心がけます。
- 栄養バランス: バランスの取れた食事を提供し、栄養不足を防ぎます。
- 水分補給: 水分補給をこまめに行い、脱水を防ぎます。
- 食事中の見守り: 食事中の様子を見守り、誤嚥や窒息を防ぎます。
お父様の食事管理については、施設の管理栄養士や、ケアマネジャーと連携し、適切なサポートを受けましょう。
6. 施設との連携とコミュニケーション
施設との連携とコミュニケーションは、お父様の生活の質を向上させるために非常に重要です。以下の点を意識しましょう。
- 定期的な面会: 定期的に施設を訪問し、お父様の様子を確認し、スタッフと情報交換を行います。
- 情報共有: お父様の状態の変化や、気になることがあれば、積極的に施設に伝えましょう。
- 相談: 困ったことや、不安なことがあれば、遠慮なく施設に相談しましょう。
- 感謝の気持ち: スタッフへの感謝の気持ちを伝え、良好な関係を築きましょう。
- 連携体制の構築: ケアマネジャー、医師、看護師など、関係者との連携体制を構築し、多角的なサポートを受けましょう。
7. 転倒と徘徊への対策
転倒と徘徊は、認知症の方にとって、大きなリスクです。施設選びの際には、これらの対策がしっかりと行われているかを確認しましょう。
- 転倒防止対策: バリアフリー設計、手すりの設置、滑り止めマットの利用など、転倒のリスクを減らす対策が行われているかを確認します。
- 徘徊対策: 徘徊感知システム、見守りカメラ、スタッフによる巡回など、徘徊への対策が講じられているかを確認します。
- 環境整備: 落ち着いて過ごせる環境を整え、不安を軽減します。
- 個別ケア: 個別ケア計画に基づき、お父様の状態に合わせたケアを行います。
- 家族との連携: 家族と連携し、お父様の情報を共有し、一緒に見守ります。
8. 老健の終身利用について
老健（介護老人保健施設）の中には、終身利用が可能な施設もあります。終身利用を希望する場合は、以下の点に注意して施設を探しましょう。
- 施設の体制: 終身利用に対応できる体制（医療体制、看護体制など）が整っているかを確認します。
- 入居条件: 終身利用の条件（介護度、健康状態など）を確認します。
- 費用: 終身利用にかかる費用（月額費用、その他費用など）を確認します。
- 施設の雰囲気: 終身利用者が多く、落ち着いて過ごせる雰囲気であるかを確認します。
- 情報収集: 地域の相談窓口や、ケアマネジャーなどから、終身利用可能な老健の情報を収集します。
終身利用を希望する場合は、事前に施設とよく相談し、納得のいく選択をしましょう。
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9. 専門家への相談
施設選びは、ご家族だけで抱え込まず、専門家への相談も検討しましょう。ケアマネジャー、介護施設選びの専門家、医師など、様々な専門家がいます。専門家からのアドバイスを受けることで、より適切な施設選びが可能になります。
- ケアマネジャー: 介護保険に関する相談や、施設の情報提供、入居手続きのサポートなどを行います。
- 介護施設選びの専門家: 施設選びに関する専門的な知識や経験を持ち、個別の相談に対応します。
- 医師: お父様の健康状態に関するアドバイスや、適切な医療ケアが受けられる施設を紹介します。
専門家への相談を通じて、客観的な視点からアドバイスを受け、より良い選択をしましょう。
10. まとめ
認知症のお父様が安心して暮らせる施設を探すことは、大変な道のりですが、諦めずに、一つずつ課題を解決していくことが大切です。今回の記事で紹介したステップと注意点を参考に、情報収集から始め、お父様に合った最適な施設を見つけましょう。そして、ご家族だけで抱え込まず、専門家や周囲のサポートを受けながら、前向きに進んでいきましょう。あなたの努力が、必ず実を結ぶことを願っています。
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