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介護現場のジレンマ:困った入居者への対応と、職員の苦悩

介護現場のジレンマ:困った入居者への対応と、職員の苦悩

介護の現場は、常に多くの課題と向き合っています。今回のご相談は、入居者の行動と職員の対応、そして組織としてのジレンマが複雑に絡み合ったケースです。まずはご相談内容を整理し、一緒に考えていきましょう。

うちの老人ホームの個室のベットには呼び出しスイッチがあり、職員を呼びたい時に押して呼ぶことができるんですが、頻繁に押してくるおばあさんがいます。その人は歩行能力が低く歩けないので、確かに職員がトイレや移動に付き添う決まりですが一晩に20回以上呼び出しをします。その内容は「トイレに連れて行ってほしい」というものなんですが、トイレに連れて行って便座に座らせるとほんの少し、スプーン一杯くらいの量を出して「もういいわ」で終わりです。場合によっては一滴も出さずに「ベットに戻ります」ということもあります。それで終わるんならいいのですが、30分くらい経つとまた呼び出しブザーが鳴り、「トイレに連れて行って」なのです。これが毎晩20回以上繰り返されます。

そういった病気ではなく、食事などに行く前にトイレに行くと普通の人の量を出して2時間くらいトイレに行きません。それで来た職員に「あなたは○○な人よね~」みたいなこと、世間話を言って手を握ってきたりするので、どうやら「寂しいから」呼んでいるみたいです。ある程度のお気に入りの職員もいるらしく呼び出しで呼んで「今日は○○さんいるの?」と聞いてくることもあります。これが毎日のことになり、朝の申し送りの時は「昨日は30回呼び出しがあって」みたいな話が普通にすらなっています。

こう書くと「寂しがりな人の行動なんじゃ?寛容なのも大切では?」と思うかもしれませんが、とんでもありません。私たちは常時何十人といる他の入居者の対応があるし、それ以外の書類や掃除、雑務など仕事も沢山あります。それでいちいち部屋に行って出もしないトイレ介助をさせられて、30分後に繰り返しです。どこの施設もそうですが、人手不足なのはうちも同じです。「私たちには他にも仕事があるんですよ」「他の入居者の対応があるから時間がかかります」みたいなことを言った人もいたんですが「だってトイレに行きたいんだもん。」で終わりです。

他の入居者が体調を崩し救急車を呼ぶ日があったんですが、その時も変わらず「トイレに連れてって~」でした。逆に粘って毎回行くようにすると、今度は間隔が短くなって15分位の繰り返しになります。更に厄介な点があり、上記のように忙しくて部屋に行けない時間があると、部屋にある電話で実家に「今日は職員がトイレに連れて行ってくれない」と連絡し、その家族からそのまま問い合わせの連絡があったらしいです。介護業法上トイレに行きたいと言っている以上は連れて行かないといけないんですが、これには本当に困っています。ちなみにその人の部屋にはテレビが置いてあって、退屈しないようにできているはずなのに、まるで「テレビがつまらなくって暇なら職員を呼び出そう」みたいなノリにすら見えます。更に言うとトイレに行くのを忘れてしまう認知症などの可能性もなく、歩けないだけで他は普通に見えます。

それで本題なんですが、その日もしつこくトイレコールがあり30分どころか15分の間隔で呼び出しがあったらしいです。それで一人の職員が部屋に行くと「トイレに連れてって~、早くいかないと死んじゃう~」などと言っていたらしいんですが、その職員は「大変だ、じゃあ救急車呼びましょう!」と言ったらしいんです。それで「トイレに行けばいいから」と言うものの「いえいえ死んじゃったら大変ですから」「トイレに行ってる場合じゃありません」「私たちは苦しんでいるあなたを見捨てたりしません」「職務上の義務として病院に搬送します」「手術しなきゃ」と言って畳みかけると「もういいですから、大丈夫ですから」と、なぜか死んじゃうはずだった人が急に回復したそうです。そしてその日はそれ以降一回もトイレコールは無く静かな夜だったそうです。

この話を聞いてついつい笑ってしまいました。ですがその後その日のことが家族に知れることになり、その職員は叱責されたそうです。うちの所長曰く「虐待に当たる」「あれじゃ脅迫だ」みたいなことで怒られていて、ことあるごとに「くれぐれも救急車を呼ぶなどと言わないように」みたいなことを言われ続けているらしいです。それ以降その職員は仕事の対応を外されているみたいです。ちなみに叱責している所長は夜勤など出ないで、ごくたまにトイレの対応などはしてますが基本的に介護の仕事は私達だけがしています。

今でも30分ごとのトイレコールは変わらず私達は空の仕事を昨日も今日も毎晩毎晩やらされて、他の仕事にも影響が出ています。

質問ですが

  1. 単純にどう思いますか?
  2. そのおばあさんをどう思いますか?
  3. 救急車を呼ぼうとした職員をどう思いますか?
  4. 職員を叱責する所長をどう思いますか?
  5. 今の状況をどう思いますか?
  6. あなたならどうしますか?
  7. 何かいい解決方法はありますか?

1. 現状に対する率直な意見

まず、この状況を客観的に見て、非常に難しい問題だと感じます。入居者のQOL(Quality of Life:生活の質)を守りつつ、他の入居者への対応や職員の負担を考慮しなければならないからです。職員の疲弊は、質の高い介護サービスの提供を妨げる大きな要因となります。今回のケースは、まさにその狭間で揺れ動く現場の苦悩を象徴していると言えるでしょう。

2. おばあさんに対する考察

おばあさんの行動は、一見すると困ったものですが、その背景には様々な要因が考えられます。単なる「寂しさ」だけでなく、身体的な不調、認知機能のわずかな変化、あるいは単に職員とのコミュニケーションを求めている可能性もあります。重要なのは、彼女の行動の根本原因を理解しようと努めることです。もしかしたら、彼女自身も自分の行動が周りに迷惑をかけていることに気づいていないかもしれません。

3. 救急車を呼ぼうとした職員への評価

この職員の行動は、一概に非難できるものではありません。緊急性を装う入居者の言動に対し、何とか事態を収束させようとした結果とも解釈できます。ただし、結果的に「脅迫」と受け取られるような言動をしてしまったことは、問題です。職員は、入居者の安全を守る義務を負っていますが、同時に、入居者の尊厳を尊重し、適切なコミュニケーションを図る必要があります。今回のケースでは、職員の対応が過剰であったことは否めません。

4. 所長の対応への見解

所長の対応は、一側面から見れば、職員の不適切な言動を是正し、虐待を未然に防ぐためのものと言えます。しかし、職員の事情を十分に理解せず、一方的に叱責するだけでは、職員のモチベーションを低下させ、更なる問題を引き起こす可能性があります。所長は、現場の状況を把握し、職員の意見に耳を傾け、適切な指導とサポートを提供する必要があります。また、夜勤に出ないことについては、現場の状況を理解する機会を失っているとも言えます。

5. 現在の状況に対する懸念

現在の状況は、入居者、職員、そして組織全体にとって、非常に危険な状態です。職員の疲弊は限界に達し、質の高い介護サービスの提供が困難になっています。入居者のQOLも低下し、不必要なトラブルが発生するリスクも高まっています。早急な対策が必要です。

6. あなたならどうするか?具体的な解決策の提案

もし私がこの状況に直面した場合、以下のステップで問題解決に取り組みます。

ステップ1:情報収集と現状分析

  • 入居者の詳細な情報収集: 彼女の既往歴、服薬状況、認知機能の状態、生活習慣、家族との関係などを詳しく把握します。
  • 行動パターンの分析: 呼び出しの頻度、時間帯、具体的な要求内容、排尿・排便の状況などを記録し、パターンを分析します。
  • 職員へのヒアリング: 彼女とのコミュニケーションの様子、困っていること、改善策などを詳しく聞き取ります。
  • 家族との連携: 彼女の家族に状況を説明し、協力体制を築きます。彼女の過去の生活や性格、現在の状況に対する考え方などを共有してもらうことが重要です。

ステップ2:多角的なアプローチ

  • 排尿・排便に関する専門的な評価: 医師や専門家による評価を受け、排尿・排便に関する問題がないか確認します。必要に応じて、薬物療法や生活習慣の見直しを行います。
  • 環境調整:
    • トイレへの誘導:定期的にトイレに誘い、排尿を促す。
    • 呼び出しスイッチの設置場所の見直し:手の届きやすい場所に設置されているか確認します。
    • テレビ以外の娯楽の提供:彼女の興味に合わせたアクティビティやレクリエーションを提供し、孤独感を軽減します。
  • コミュニケーションスキルの向上:
    • 職員研修:入居者との効果的なコミュニケーション方法、認知症ケアに関する知識、問題解決能力などを向上させるための研修を実施します。
    • 個別対応:特定の職員だけでなく、複数の職員が彼女に対応することで、職員間の連携を強化し、負担を分散します。
    • 傾聴:彼女の訴えを丁寧に聞き、共感的な態度で接することで、安心感を与えます。
  • 家族との連携強化:
    • 情報共有:定期的に家族に状況を報告し、意見交換を行います。
    • 面会機会の増加:家族との面会を積極的に促し、彼女の精神的な安定を図ります。
    • 家族へのアドバイス:家族に対しても、彼女とのコミュニケーション方法や接し方についてアドバイスを行います。

ステップ3:組織としての改善

  • チームワークの強化: 職員間の情報共有を密にし、互いに協力し合える体制を構築します。
  • 労働環境の改善: 職員の負担を軽減するために、人員配置の見直し、業務分担の最適化、休憩時間の確保などを行います。
  • 評価制度の見直し: 職員の頑張りを正当に評価し、モチベーションを向上させるような評価制度を導入します。
  • 相談体制の構築: 職員が抱える悩みや問題を相談できる窓口を設置し、メンタルヘルスケアをサポートします。
  • 記録の徹底: 入居者の状態や対応について、詳細な記録を残し、情報共有に役立てます。

7. 解決のための具体的な方法

上記の対策を講じることで、問題解決への道が開けます。具体的には、以下の方法を試してみましょう。

(1) 入居者の理解を深める

まずは、おばあさんのことを深く理解することから始めましょう。彼女の過去の生活、現在の悩み、そして何が彼女を不安にさせているのかを把握することが重要です。彼女とのコミュニケーションを通じて、彼女の言葉に耳を傾け、彼女の気持ちに寄り添うように心がけましょう。彼女が何を求めているのかを理解することで、適切な対応策を見つけることができます。

(2) 専門家への相談

医師、看護師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなど、専門家のアドバイスを積極的に求めましょう。彼女の健康状態や認知機能の状態を評価してもらい、適切なケアプランを作成します。専門家の知識と経験は、問題解決の大きな助けとなります。

(3) 環境調整

彼女の生活環境を整えることも重要です。例えば、トイレへの誘導をスムーズにするために、トイレまでの動線を分かりやすくしたり、手すりを設置したりするなどの工夫が考えられます。また、彼女が退屈しないように、テレビ以外の娯楽を提供したり、他の入居者との交流を促したりすることも有効です。

(4) コミュニケーションスキルの向上

職員のコミュニケーションスキルを向上させるための研修を実施しましょう。具体的には、認知症ケアに関する知識、傾聴スキル、問題解決能力などを高めるための研修が有効です。また、職員同士で情報交換を行い、互いに学び合う機会を設けることも重要です。

(5) 家族との連携

彼女の家族との連携を密にすることも不可欠です。家族に状況を説明し、彼女の過去の生活や性格、現在の状況に対する考え方などを共有してもらいましょう。家族との協力体制を築くことで、より効果的なケアを提供することができます。

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8. 成功事例の紹介

同様のケースで、以下のような成功事例があります。

  • 事例1: ある施設では、入居者の呼び出し頻度が高い原因を分析した結果、単なる寂しさではなく、排尿に関する不安が原因であることが判明しました。そこで、排尿ケアの専門家を招き、入居者の排尿習慣を改善するためのプログラムを実施しました。その結果、呼び出し頻度が大幅に減少し、入居者のQOLが向上しました。
  • 事例2: ある施設では、職員のコミュニケーションスキルを向上させるための研修を実施しました。研修後、職員は入居者とのコミュニケーションを積極的に行い、入居者の気持ちに寄り添うように心がけました。その結果、入居者の満足度が向上し、職員のモチベーションも高まりました。
  • 事例3: ある施設では、家族との連携を強化するために、定期的に家族会を開催しました。家族会では、入居者の状況について情報共有を行い、家族からの意見を聞き、共に問題解決に取り組みました。その結果、家族の不安が軽減され、施設への信頼も高まりました。

9. 介護現場で働く皆様へ

介護の仕事は、本当に大変です。しかし、入居者の笑顔や感謝の言葉は、私たちの大きな喜びであり、やりがいにつながります。今回のケースのように、困難な状況に直面することもあるかもしれませんが、諦めずに、入居者のために最善を尽くしましょう。そして、困ったことがあれば、一人で抱え込まずに、同僚や上司、専門家などに相談してください。あなたの努力は、必ず報われます。そして、あなた自身を大切にしてください。心身ともに健康で、長くこの仕事に携わっていただきたいと願っています。

10. まとめ

今回のケースは、介護現場で起こりうる様々な問題が凝縮されたものでした。入居者の行動の根本原因を理解し、多角的なアプローチで問題解決に取り組むことが重要です。職員の負担を軽減し、質の高い介護サービスを提供するためには、組織全体での協力体制が不可欠です。そして、何よりも、入居者と職員、双方の尊厳を守り、共に幸せに暮らせる環境を創り出すことが、私たちの使命です。

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