85歳のお母様の異変：介護と仕事の両立、認知症の理解と対策
85歳のお母様の異変：介護と仕事の両立、認知症の理解と対策
この記事では、85歳のお母様の異変に直面し、介護と仕事の両立に悩むあなたに向けて、具体的なアドバイスと解決策を提示します。認知症の理解を深め、適切な対応策を講じることで、あなたとご家族の生活の質を向上させることを目指します。
85才の母の事ですが、2年前までは旅行に行ったり何でも自分でしていたのですが、最近トイレに自分で歩いて用を足せるのですが、トイレに行く事を忘れオムツに漏らしてズボンや布団が濡れていても、そのまま新聞を読み、下痢をしてズボンが濡れていても食事をしています。間に合わず漏らすのはわかりますが、漏らしたまま平気なのが理解出来ません。軽い認知症がある程度なのに、出た事や濡れている事もわからないものなのでしょうか。
お母様の状況を目の当たりにし、深い困惑と心配を感じていらっしゃると思います。2年前までは自立した生活を送っていたお母様が、最近になって排泄に関する問題や、それに気づかない様子が見られるとのこと。これは、認知症の進行に伴う症状である可能性が高いです。この記事では、まず認知症の基礎知識を解説し、具体的な対応策、介護と仕事の両立支援、専門家への相談方法について詳しく解説します。ご自身の状況に合わせて、役立ててください。
1. 認知症の基礎知識：理解を深める
まず、認知症について正しく理解することが重要です。認知症は、単なる物忘れとは異なり、脳の機能が低下することで、日常生活に支障をきたす状態を指します。原因となる病気は様々で、アルツハイマー病が最も一般的ですが、脳血管性認知症、レビー小体型認知症など、様々な種類があります。
1-1. 認知症の症状
認知症の症状は、人によって異なり、進行の度合いも様々です。主な症状には以下のようなものがあります。
- 記憶障害: 最近の出来事を忘れやすい、同じことを何度も言う、物を置いた場所を忘れるなど。
- 見当識障害: 時間、場所、人物がわからなくなる。
- 実行機能障害: 計画を立てたり、手順通りに物事を進めることが難しくなる。
- 言語障害: 言葉が出てこない、話の内容が理解できない。
- 注意障害: 集中力が続かない、気が散りやすい。
- 行動・心理症状（BPSD）: 徘徊、暴言、暴力、不眠、不安、抑うつなど。
お母様の場合、排泄に関する問題、排泄物に気づかない、といった症状が見られることから、認知症の進行が疑われます。特に、排泄に関する問題は、認知症の初期から中期にかけてよく見られる症状です。これは、脳の機能低下により、排泄のタイミングを認識することや、排泄後の不快感に気づくことが難しくなるためです。
1-2. 認知症の種類と原因
認知症の原因となる病気は多岐にわたります。主なものを以下に示します。
- アルツハイマー病: 脳内にアミロイドβというタンパク質が蓄積し、神経細胞が破壊されることで発症。
- 脳血管性認知症: 脳梗塞や脳出血など、脳血管の障害によって脳の血流が悪くなり、脳細胞がダメージを受けることで発症。
- レビー小体型認知症: 脳内にレビー小体というタンパク質が蓄積し、幻視、パーキンソン症状、認知機能の変動などが現れる。
- 前頭側頭型認知症: 前頭葉や側頭葉が萎縮し、人格変化、行動異常、言語障害などが現れる。
お母様の具体的な病状を把握するためには、専門医による診断が必要です。適切な診断を受けることで、適切な治療やケアプランを立てることができます。
2. 具体的な対応策：安心できる生活を支える
認知症の症状に対する具体的な対応策は、症状の程度や原因となる病気によって異なります。ここでは、一般的な対応策と、お母様の状況に合わせた具体的なアドバイスを提示します。
2-1. 排泄に関する問題への対応
お母様の排泄に関する問題への対応は、以下の点を考慮して行いましょう。
- 排泄のタイミングを把握する: 排泄の間隔を記録し、排泄のタイミングを予測する。
- トイレへの誘導: 定期的にトイレに誘い、排泄を促す。
- トイレ環境の整備: トイレまでの動線を確保し、手すりを設置するなど、安全に配慮する。
- 排泄用具の活用: 尿漏れパッドや大人用おむつなどを活用し、清潔を保つ。
- 声かけ: 排泄後には、「きれいになったね」など、安心できる言葉をかける。
排泄の問題は、ご本人にとっても不快感や羞恥心を引き起こす可能性があります。優しく、落ち着いた対応を心がけ、お母様の自尊心を傷つけないように配慮しましょう。
2-2. 漏らしたまま平気な状態への対応
お母様が排泄物に気づかない、または気づいても平気な状態である場合、以下の点を意識しましょう。
- 清潔の保持: 定期的に身体を拭いたり、着替えをさせたりして、清潔を保つ。
- 皮膚の保護: 尿や便による皮膚の刺激を防ぐために、保湿剤を使用する。
- 声かけ: 「気持ち悪いね」「着替えようね」など、安心できる言葉をかける。
- 原因の探求: なぜ気づかないのか、認知機能のどの部分に問題があるのか、専門医と相談する。
排泄物に気づかないことは、ご本人の意思や性格の問題ではありません。認知症による脳機能の低下であることを理解し、責めるような言動は避けましょう。
2-3. 食事に関する注意点
下痢をしているのに食事をする、という状況への対応も重要です。
- 食事内容の見直し: 下痢を悪化させる可能性のある食品（脂っこいもの、刺激物など）を避ける。
- 水分補給: 脱水症状を防ぐために、こまめな水分補給を促す。
- 食事環境の整備: 食事中は落ち着ける環境を作り、食事に集中できるようにする。
- 観察: 食事の様子を観察し、異常があればすぐに専門医に相談する。
食事の管理は、栄養状態を維持し、健康を保つために重要です。ご本人の状態に合わせて、無理のない範囲で食事のサポートを行いましょう。
3. 介護と仕事の両立：負担を軽減する
介護と仕事の両立は、多くの人が抱える大きな課題です。ここでは、両立を支援するための具体的な方法を紹介します。
3-1. 介護保険サービスの活用
介護保険サービスは、介護者の負担を軽減するための重要な手段です。以下のサービスを検討しましょう。
- 訪問介護（ホームヘルプサービス）: ヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排泄などの介護を行います。
- デイサービス（通所介護）: 日中に介護施設に通い、食事、入浴、レクリエーションなどを受けます。
- ショートステイ（短期入所生活介護）: 短期間、介護施設に入所し、介護サービスを受けます。
- 訪問看護: 看護師が自宅を訪問し、健康管理や医療処置を行います。
- 福祉用具のレンタル: 車椅子、ベッド、ポータブルトイレなどの福祉用具をレンタルできます。
これらのサービスを利用することで、介護者の負担を軽減し、仕事との両立を可能にします。お住まいの地域の介護保険サービスについて、市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談しましょう。
3-2. 家族間の連携
介護は、一人で抱え込まず、家族で協力することが重要です。以下の点を意識しましょう。
- 情報共有: 介護に関する情報を共有し、互いの状況を理解する。
- 役割分担: 介護の内容や時間帯を分担し、負担を分散する。
- 定期的な話し合い: 定期的に集まり、介護の状況や課題について話し合う。
- 休息時間の確保: 介護から離れる時間を作り、心身ともにリフレッシュする。
家族間の連携を強化することで、介護の負担を軽減し、より良い介護体制を築くことができます。
3-3. 職場の理解と支援
介護と仕事の両立には、職場の理解と支援も不可欠です。以下の点を検討しましょう。
- 上司や同僚への相談: 介護の状況を上司や同僚に伝え、理解を求める。
- 介護休暇・休業制度の活用: 介護休暇や休業制度を利用し、介護に時間を割く。
- 勤務時間の調整: 時短勤務やフレックスタイム制度などを活用し、柔軟な働き方をする。
- テレワークの活用: テレワーク可能な場合は、自宅で仕事をすることで、介護と仕事を両立する。
職場の理解と支援を得ることで、安心して介護と仕事を両立することができます。事前に、会社の制度を確認し、必要な手続きを行いましょう。
4. 専門家への相談：的確なアドバイスを得る
認知症に関する悩みや、介護に関する問題は、一人で抱え込まず、専門家に相談することが重要です。以下の専門家への相談を検討しましょう。
4-1. 専門医（認知症専門医、精神科医、神経内科医など）
お母様の症状について、専門医に相談し、正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。専門医は、認知症の種類や進行度合いを評価し、薬物療法や非薬物療法（リハビリテーション、認知機能訓練など）を提案します。また、介護に関するアドバイスや、今後の見通しについても相談できます。
4-2. ケアマネジャー
ケアマネジャーは、介護保険サービスの利用に関する相談や、ケアプランの作成をサポートします。お母様の状況や、ご家族の希望に合わせて、最適な介護サービスを提案し、利用手続きを支援します。ケアマネジャーは、介護に関する専門知識を持ち、様々な相談に対応できます。
4-3. 地域包括支援センター
地域包括支援センターは、高齢者の総合的な相談窓口です。介護保険サービスに関する情報提供、介護に関する相談、権利擁護など、様々な支援を提供しています。地域包括支援センターには、保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどがおり、専門的なアドバイスを受けることができます。
4-4. その他の専門家
必要に応じて、以下の専門家にも相談しましょう。
- 精神保健福祉士: 精神的な悩みや、社会的な問題に関する相談に対応します。
- 弁護士: 財産管理や成年後見制度に関する相談に対応します。
- ファイナンシャルプランナー: 介護費用に関する相談に対応します。
専門家への相談は、問題解決への第一歩です。積極的に相談し、適切なアドバイスを得ることで、より良い介護生活を送ることができます。
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5. まとめ：希望を持って、前向きに進むために
お母様の認知症の症状、介護と仕事の両立に関する悩みは、非常にデリケートで、精神的な負担も大きいものです。しかし、適切な知識と対応策を身につけ、周囲の協力を得ながら、前向きに進むことができます。
この記事で紹介した内容を参考に、まずは専門医に相談し、正確な診断と適切な治療を受けましょう。介護保険サービスや、家族間の連携、職場の理解と支援を得ることで、介護の負担を軽減し、仕事との両立を可能にすることができます。そして、決して一人で抱え込まず、専門家や周囲の人々に相談し、サポートを受けましょう。あなたの努力と、適切なサポートがあれば、お母様とあなた自身の生活の質を向上させることができます。希望を持って、前向きに進んでいきましょう。
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