93歳のお父様の終末期医療と、家族としての心のケア：後悔しないための選択
93歳のお父様の終末期医療と、家族としての心のケア：後悔しないための選択
今回は、93歳のお父様の終末期医療に関する、非常にデリケートで重要な問題についてのご相談です。ご家族が直面されている苦しみ、そして今後の対応について、一緒に考えていきましょう。
似たような経験がある方がいらしたらご教授願下さればと思います。93歳の父を85歳の脳梗塞発症時からきょうだい3人で支えてきました。父は発症後認知症はあるものの意思疎通はほぼできる状態で自宅介護、居住型施設、特養、そして3ヶ月前に誤飲性肺炎がきっかけ今はで急性期病院に入院しています。誤飲性肺炎を繰り返し今は全く何も口からは摂取することができません。主治医から「延命」について聞かれました。きょうだい間で話し合い自然に天寿を全うするように胃瘻も中心静脈栄養も拒否し抹消静脈管理で「老衰」を穏やかに迎えられるように無理な「延命」はしないで欲しいと３～4回伝えました。（同じことを何度も聞くので）「管に繋がれてただ生きているだけの状態は嫌だ。」と元気な頃、また認知症が軽く明晰な時も「嫌だ」と言っていました。ところが驚いたことに家族に知らせず医師は勝手にIVHをしてしまいました。父は管を抜こうとします。そのためほとんど24ｈ手足をベッドに拘束されて身動きもできません。父が一番拒否していた状態になってしまいました。とても苦しそうで今までなかった口呼吸をし、目もうつろです。拘束のせいか、全身状態が悪いのか、わかりませんが恐ろしいほど手がむくんでいます。話しかけると聞こえているようで涙を浮かべます。涙を拭き声をかけ頭や頬に手をふれることしかできません。もう終末医療のための転院の手続きは済ませました。週明けに主治医からの説明があります。私ども家族にはIVHを施術する際の同意書はありませんでした。信頼していた医師から裏切られた思いでなりません。しかしながら、もう一度入れてしまったIVHを抜くこともならないでしょう。今後父に何をしてあげられるのか、また、医師に何を言っていいのか混乱しています。急速に事態が動いて、それぞれに病をかかえているきょうだい３人も疲弊しています。色々なアドバイスを頂けたらありがたく思います。
ご相談ありがとうございます。ご家族皆様の深い愛情と、お父様への揺るぎない思いが伝わってきます。93歳というご高齢のお父様を支え、終末期医療という難しい問題に直面し、ご心痛のことと思います。今回の記事では、ご相談内容を詳細に分析し、終末期医療における家族の役割、医師とのコミュニケーション、そして今後の具体的な対応策について、深く掘り下げていきます。ご家族が少しでも穏やかな気持ちで、最期の時を支えられるよう、具体的なアドバイスを提供します。
1. 現状の整理と感情の受容
まずは、現状を客観的に整理し、ご自身の感情を受け入れることが重要です。以下に、現状の整理と感情の整理について、具体的なステップを提示します。
1-1. 現状の客観的な把握
現状を正確に把握するために、以下の点を整理しましょう。
- 医療行為の確認: 現在行われている医療行為（IVH、拘束など）を具体的に確認し、その目的とリスクを理解しましょう。
- 医師からの説明: 週明けの主治医からの説明で、今後の治療方針と予後について詳しく説明を受けてください。疑問点は遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めましょう。
- 転院先の情報: 転院先の医療体制（緩和ケアの有無、家族の面会時間など）を確認し、ご家族の希望に沿った環境であるかを確認しましょう。
1-2. 感情の整理と受容
ご家族の感情は、混乱、怒り、悲しみ、無力感など、様々なものが入り混じっていることでしょう。これらの感情を抑え込まず、受け入れることが大切です。
- 感情を言葉にする: 信頼できる人に話を聞いてもらったり、日記に書き出したりすることで、感情を整理しましょう。
- 専門家のサポート: 精神科医、カウンセラー、またはグリーフケアの専門家などに相談し、心のケアを受けましょう。
- 家族間のコミュニケーション: きょうだい間で率直に感情を共有し、互いを支え合いましょう。
2. 医師とのコミュニケーション
医師とのコミュニケーションは、今後の方向性を決める上で非常に重要です。
2-1. 事前の準備
医師との面談に臨む前に、以下の準備をしましょう。
- 質問事項の整理: 事前に質問事項をリストアップし、面談時に漏れなく質問できるようにしましょう。
- 希望の明確化: 終末期医療に関するご家族の希望（延命治療の拒否、緩和ケアの希望など）を明確にしておきましょう。
- 記録: 面談の内容を記録するために、メモを取るか、可能であれば録音を許可してもらいましょう。
2-2. コミュニケーションのポイント
医師とのコミュニケーションでは、以下の点に注意しましょう。
- 感謝の気持ち: 医師への感謝の気持ちを伝え、良好な関係を築きましょう。
- 明確な意思表示: ご家族の希望を明確に伝え、理解を求めましょう。
- 根拠に基づいた質問: 治療方針や予後について、根拠に基づいた質問をしましょう。
- 感情的な表現を避ける: 感情的になりすぎず、冷静に話し合いましょう。
- セカンドオピニオン: 必要に応じて、他の医師の意見（セカンドオピニオン）を求めることも検討しましょう。
3. 今後の具体的な対応策
今後の対応策として、以下の点を検討しましょう。
3-1. 緩和ケアの検討
緩和ケアは、患者さんの苦痛を和らげ、生活の質を高めるためのケアです。
- 緩和ケアの専門家への相談: 緩和ケア医や看護師に相談し、適切なケアプランを立ててもらいましょう。
- 痛みのコントロール: 痛みを適切にコントロールし、患者さんの苦痛を軽減しましょう。
- 精神的なサポート: 患者さんの不安や恐怖を和らげるために、精神的なサポートを提供しましょう。
3-2. 家族としてのサポート
ご家族は、患者さんの精神的な支えとなることが重要です。
- 寄り添う時間: 患者さんのそばに寄り添い、話を聞いたり、手を握ったりする時間を持ちましょう。
- コミュニケーション: 患者さんと積極的にコミュニケーションを取り、気持ちを伝え合いましょう。
- 思い出の共有: 過去の思い出を語り合い、楽しい時間を共有しましょう。
- 看取りの準備: 看取りの準備（葬儀、遺品整理など）を、事前に少しずつ始めておきましょう。
3-3. 弁護士への相談
医療行為に関する疑問や、今後の対応について、弁護士に相談することも有効です。
- 医療訴訟専門の弁護士: 医療訴訟に詳しい弁護士に相談し、法的アドバイスを受けましょう。
- 同意書の確認: IVHに関する同意書の有無や、法的効力について確認しましょう。
- 今後の法的対応: 今後の法的対応について、弁護士と相談し、適切な対策を立てましょう。
4. 成功事例と専門家の視点
終末期医療に関する成功事例や、専門家の視点をご紹介します。
4-1. 成功事例
多くのご家族が、終末期医療において、患者さんの尊厳を守り、穏やかな最期を看取ることができています。
- 患者さんの意思尊重: 患者さんの意思を尊重し、本人の希望に沿った治療方針を選択した事例。
- 家族間の協力: 家族が協力し、患者さんを支え、心のケアを行った事例。
- 緩和ケアの活用: 緩和ケアを積極的に活用し、患者さんの苦痛を軽減した事例。
4-2. 専門家の視点
終末期医療の専門家は、以下のように述べています。
- 医師: 「患者さんの意思を尊重し、最善の医療を提供することが重要です。」
- 看護師: 「患者さんの苦痛を和らげ、安らかな最期を迎えられるよう、寄り添うことが大切です。」
- カウンセラー: 「ご家族の心のケアを行い、悲しみを乗り越えるサポートをすることが重要です。」
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5. まとめ：最善の選択のために
今回の相談は、非常に困難な状況であり、ご家族の心労は計り知れません。しかし、ご家族が協力し、適切な情報収集と専門家への相談を行うことで、お父様にとって最善の選択をすることができます。
- 現状の整理: 現状を客観的に把握し、感情を受け入れましょう。
- 医師とのコミュニケーション: 医師とのコミュニケーションを密にし、情報共有と意思疎通を図りましょう。
- 今後の対応策: 緩和ケアの検討、家族としてのサポート、弁護士への相談などを検討しましょう。
- 心のケア: ご家族自身の心のケアを忘れずに行いましょう。
ご家族皆様が、お父様との大切な時間を大切にし、後悔のない選択をされることを心から願っています。
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