親の「あれ?もしかして…」を介護のプロが解説!認知症のサインと、あなたができること
親の「あれ?もしかして…」を介護のプロが解説!認知症のサインと、あなたができること
この記事では、ご両親の言動に「もしかして認知症?」と不安を感じているあなたに向けて、介護の専門家である私が、具体的なアドバイスと心のケアをお届けします。ご両親との関係性、そしてあなた自身の心の負担を和らげるためのヒントが満載です。一緒に、この難しい問題に向き合い、より良い未来を築いていきましょう。
両親とも70代前半です。ともに公務員だったからか、若い頃からきちっとしてるというか、「これが常識だ」という言い方をする人達で、社会の一般的な常識を気にするようなところがあり、だからこそか、自分達の常識に反する人や事柄には必要以上に嫌悪感がある感じがある人達です。
その性格が今も続いている感じなのですが、柔軟性がないというか、自分達の常識外のことにすぐキレて困っています。例えば、私は介護施設に勤務しているので、なかなか時間どおりに帰れなかったり、また、夜勤もやっているので、昼間家で寝てることもあるのですが、その事に対して、「勤務時間終わったら、放っといて帰ってきたらいいんだ!」「昼間寝てばかりで、夜ばかり働くな!」と、理不尽なこと言ったり、また、両親が若い頃、私の祖父母をかなり毛嫌いしていた母が、「私は、おじいさん、おばあさんを最期まで大事に世話してたから、今度は私たちが、あんたに世話してもらうのが常識だ」と言うのには、絶句してしまいます。
かなり、驚いたのは、今朝、部屋で寝ている私に客が来たのてすが、母親が私を呼びに来て1分くらいで、客のところまで出ていったのに、「なんで、あんなにお客さんを待たすんだ!」と怒りだし、私が「すぐ出てきたでしょ!」と言っても「いや、すごい遅かった!」と真剣に怒るんです。なんか、おかしいように感じます。
日々、頑固というか、自分達の常識以外を厳しく非難するようになってきていて、これが、認知症の始まりなのか、単に加齢になのか悩みます。
認知症の初期症状とは?専門家が教える見分け方
ご両親の言動に、あなたは大きな不安を感じていることと思います。特に、親御さんの「あれ?もしかして…」という変化は、誰にとっても非常にデリケートな問題です。まずは、認知症の初期症状について、専門家の視点から詳しく見ていきましょう。
1. 記憶障害
認知症の初期症状として、最もよく見られるのが記憶障害です。具体的には、以下のような症状が現れることがあります。
- 最近の出来事を思い出せない(例:今日の食事内容、昨日の会話の内容)
- 同じことを何度も繰り返して言う、聞く
- 物の置き場所を忘れ、探し物が多くなる
- 約束を忘れる
ご両親のケースでは、母親が「お客さんを待たせた」と強く主張する場面がありました。これは、時間の感覚が曖昧になり、記憶が歪んでしまうことと関連している可能性があります。
2. 見当識障害
見当識とは、時間、場所、人物を正しく認識する能力のことです。認知症になると、この見当識が低下し、以下のような症状が現れることがあります。
- 日時や季節が分からなくなる
- 場所が分からなくなり、道に迷う
- 自分のいる場所が分からなくなる(例:自宅なのに「ここはどこ?」と言う)
- 家族の顔が分からなくなる
3. 理解力・判断力の低下
認知症は、理解力や判断力の低下も引き起こします。具体的には、以下のようなことが難しくなります。
- 複雑な指示を理解できない
- 物事の段取りを組めない
- お金の管理ができなくなる
- 以前はできていた料理や趣味ができなくなる
4. 実行機能障害
実行機能とは、計画を立てたり、段取りを組んだり、複数のことを同時にこなす能力のことです。実行機能が低下すると、以下のような症状が現れます。
- 家事の手順が分からなくなる
- 複数のことを同時にこなせなくなる
- 新しいことを覚えられない
5. 感情の変化・性格の変化
認知症になると、感情のコントロールが難しくなり、性格が変化することがあります。具体的には、以下のような症状が現れることがあります。
- 些細なことで怒りやすくなる
- 疑い深くなる(例:家族が自分の財産を狙っていると疑う)
- 不安感が強くなる
- 意欲が低下する
- 以前はしなかったような行動をするようになる
ご両親のケースでは、以前にも増して「自分の常識」に固執し、それ以外を非難する傾向が強くなっているとのこと。これは、感情の変化や性格の変化と関連している可能性があります。
加齢による変化との違い
高齢になると、誰でも物忘れが多くなったり、頑固になったりすることがあります。しかし、認知症の場合は、その程度や進行の度合いが異なります。加齢による変化と認知症の違いを理解することは、早期発見のために非常に重要です。
加齢による変化
- 物忘れ:体験の一部を忘れる(例:夕食のメニューを忘れるが、ヒントがあれば思い出す)
- 判断力の低下:経験に基づいて判断する
- 性格の変化:多少の頑固さ、こだわり
認知症による変化
- 物忘れ:体験のすべてを忘れる(例:夕食を食べたこと自体を忘れる)
- 判断力の低下:判断が全くできなくなる、または誤った判断をする
- 性格の変化:極端な変化、感情の起伏が激しくなる、疑い深くなる
ご両親の言動を注意深く観察し、上記の違いを意識することで、認知症の可能性を見極めることができます。
ご両親への接し方:介護のプロが教える3つのポイント
ご両親の言動に戸惑い、どのように接すれば良いのか悩んでいる方も多いでしょう。ここでは、介護のプロである私が、ご両親とのコミュニケーションを円滑にし、関係性を良好に保つための3つのポイントをご紹介します。
1. 傾聴と共感
ご両親の話をよく聞き、共感することが重要です。たとえ理解できない言動であっても、頭ごなしに否定するのではなく、「それは大変でしたね」「つらかったですね」など、相手の気持ちに寄り添う言葉をかけましょう。
具体的な例:
お母様が「お客さんを待たせた」と怒っている場合、「そう感じられたんですね。申し訳ありませんでした」と謝罪し、その上で「何か困ったことはありませんでしたか?」などと尋ねることで、相手の気持ちを理解しようとする姿勢を示すことができます。
2. 落ち着いた対応
ご両親が興奮したり、混乱したりした場合は、落ち着いて対応することが大切です。大きな声を出したり、感情的に言い返したりすると、事態はさらに悪化する可能性があります。
具体的な例:
お父様が「なぜ昼間寝ているんだ!」と怒ってきた場合、「疲れているんだね。少し休んでから話そうか」などと、穏やかな口調で話しかけましょう。そして、なぜあなたが昼間に寝ているのか、丁寧に説明しましょう。
3. 適切な情報提供とサポート
ご両親に、認知症に関する正しい情報を伝えることも重要です。認知症は、誰でもなる可能性がある病気であり、早期に適切な対応をすることで、症状の進行を遅らせることができることを伝えましょう。
具体的な例:
ご両親に「最近、物忘れが多くなったと感じることはありますか?」「何か気になることはありますか?」などと尋ね、必要であれば、専門医への受診を勧めましょう。また、認知症に関する情報をまとめたパンフレットなどを渡すのも良いでしょう。
専門家への相談と、その重要性
ご両親の言動について、一人で悩まず、専門家に相談することも非常に重要です。専門家は、認知症の診断や治療に関する知識だけでなく、ご両親とのコミュニケーション方法や、介護に関するアドバイスも提供してくれます。
1. 専門医への受診
まずは、かかりつけ医や、認知症専門医に相談しましょう。専門医は、ご両親の症状を詳しく診察し、認知症の診断を行います。必要に応じて、脳の検査や、認知機能検査なども行われます。
2. ケアマネージャーへの相談
ケアマネージャーは、介護保険に関する専門家です。ご両親が認知症と診断された場合、ケアマネージャーに相談することで、介護保険サービスの利用や、介護に関する様々なサポートを受けることができます。
3. 地域の相談窓口の活用
各地域には、認知症に関する相談窓口が設置されています。ここでは、専門家による相談や、認知症に関する情報提供、地域資源の紹介などを受けることができます。
専門家への相談は、ご両親の症状を早期に発見し、適切な対応を行うために不可欠です。また、あなた自身の心の負担を軽減するためにも、積極的に相談するようにしましょう。
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あなたの心のケアも大切
ご両親の介護は、あなたにとって大きな負担となる可能性があります。精神的なストレスや、身体的な疲労を感じることもあるでしょう。しかし、あなた自身が心身ともに健康でなければ、ご両親を支えることはできません。
1. 休息とリフレッシュ
十分な休息を取り、心身をリフレッシュすることが大切です。睡眠時間を確保し、趣味や好きなことに時間を使いましょう。また、適度な運動も、心身の健康に良い影響を与えます。
2. 相談できる相手を持つ
一人で抱え込まず、信頼できる人に相談しましょう。家族、友人、専門家など、誰でも構いません。話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなることがあります。
3. 介護サービスの活用
介護保険サービスや、地域のサポートを活用することも検討しましょう。訪問介護やデイサービスなどを利用することで、あなたの負担を軽減することができます。
まとめ:一歩ずつ、寄り添いながら
ご両親の認知症の可能性について、不安な気持ちでいっぱいかもしれません。しかし、早期発見し、適切な対応をすることで、ご両親の生活の質を維持し、あなた自身の心の負担を軽減することができます。
まずは、ご両親の言動を注意深く観察し、専門家への相談を検討しましょう。そして、ご両親とのコミュニケーションを大切にし、あなたの心のケアも忘れずに行いましょう。
この道は長く、困難なことも多いかもしれません。しかし、あなたは一人ではありません。介護の専門家として、私はあなたを応援しています。そして、あなたの選択が、ご両親とあなたの未来を明るく照らすことを心から願っています。
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