介護現場の多重苦を乗り越える!ベテラン介護士が教える、感染症・人間関係・キャリアの壁を突破する戦略
介護現場の多重苦を乗り越える!ベテラン介護士が教える、感染症・人間関係・キャリアの壁を突破する戦略
介護の現場は、常に多くの課題と向き合う場所です。今回の記事では、感染症の蔓延、人間関係の悪化、そしてキャリアの停滞という、まさに多重苦に陥っている介護現場の状況を詳細に分析し、具体的な解決策を提示します。この記事を読むことで、あなたは以下のことができるようになります。
- 感染症発生時の適切な対応策を理解し、現場の安全を守る方法を習得できます。
- 人間関係の悪化という問題に対し、建設的なコミュニケーションとチームワークを築くための具体的な戦略を学べます。
- 自身のキャリアパスを明確にし、専門性を高め、より良い職場環境を求めるための具体的なステップを踏み出せます。
介護です、CWや他職種の方、貴方ならどうしますか?
Sさん(70才)は、2年前に有料老人ホームに入居された。生活動作は問題なく自立している。年相応の物忘れはあり、既往歴は大きな病気等はなし。お話が好きな方で、対人関係も良好。他の入居者の居室に頻繁に出入りしており、お話をされている。家族は、夫は去年亡くなり娘が一人海外にいるが、ほぼ連絡がつかない。正面に立ち通路を塞ごうとすると叩く行為あり。夜間の徘徊はなし。食事を食べていて嘔吐は何度かあり。(大体問題なし)夜間帯は、訪室なし鍵のチェックのみ。個室から皆が食堂に集まり食事を取られる。いつも遅く来られる。頑固で人の話を全く聞かない。
11月の時期です。Sさんは、デイサービスに行かれました。数日後、朝食中に食堂にて嘔吐されました。本人は食べすぎたと仰っており、職員も「またか」程度にしか思っておらず念の為ナースに連絡すると、「また食べすぎでしょうね」との事で車椅子で居室に戻りました。
その後、昼食の時間になっても降りてこられない為、訪室すると、トイレに籠っていました。1時間くらいトイレに籠っておられたので、職員とNSが訪室したところ、洗面台一杯に吐瀉物を発見。ノロではないかとの事で、急遽NSとCWの主任同士会議し対応が決定。個室に隔離対応になりました。本人には、ノロに掛かり他入居者にもうつるからと伝えてます。
(この時点で娘へ連絡してます。が本人病院拒否、娘も本人が嫌がるのなら自然治療でと)
しかしSさんは他の入居者の方へ行く事が何度かありその度に「Nさんにその病気がうつってしまいますよ?」と伝えるのですが、その場から離れようとしない為、また他の入居者との接触をなるべく避ける為に、追い出すような形で体を少しずつ出口まで押して行ったり車椅子に乗せて居室まで案内していました。次の日の夕食当たりでNさんは嘔吐。
その階は常に見張れず、Sさんが徘徊出来てしまう為CWが居室のドアを一日中見張る事に。スタッフもうつると困る為、感染係として二人だけで対応。また、居室に出られないからか暴力等暴れる事が多くなり男性の方が対応となる。女性CWは、Sさんが部屋の中から杖を取り出し殴ってこられるので対応したくない。
物凄い叩き方で青あざが残るくらいです。
男性のCWはとても優しい方で、居室から出てくる度に説明し杖で殴ってくるのを
受け止めたりしていたのですが、ついにその男性も嘔吐しました。
また、別の入居者(主にSさんが遊びに行かれていた方)が次々と嘔吐し、入居者合計2→6→9名と増えていきました。
そして、居室の外でもガウン、マスク二重、消毒スプレー、ビニールが用意されSさんが居室から出てこられたら、部屋に戻っていただいた後、即座にドアノブ、自分へ、とスプレーし二重にし、廊下で脱いでビニールに入れてました。
ただ、そのような対応でも、もう一人の男性が倒れた為、また急遽会議が行われました。
男性二人が倒れた為、女性CWが対応となるのですが、暴力が受けきれません。と女性スタッフ。やる人がいないので順番が回ってきます。しかし、女性CWが嘔吐、嘔吐、嘔吐、と倒れ続けました。段々とシフト調整も、夜勤入浴、夜勤明け遅番、9連勤、とか分からないシフトになっていきます。
一日中部屋にいるからか夜勤帯も他夜勤者の所へ徘徊するようになりました。3人夜勤なのですが、1日中見張っていなければならず、1人仮眠の為、1人夜勤状態が続きます。暴力の方もひどいので、ドアを開かないように固定する人も出てきました。ナースコールもある為、もうどうしようもなく。
ノロ患者増える。
NS主任は、「そもそも感染対応の仕方が悪いんじゃないの?と」CW主任「NSは対応指示していないよね? ちゃんとやるから指示してくれない?」と段々、CWとNSの中が悪くなります。
Sさんへの暴言も目立つようになりました。「あれを何とかしてほしい」と段々人扱いされなくなりました。
そしてさらなる危機が私たちを襲いました。ノロ発生中に、他の方にインフルが発生したのです。スタッフも40度の熱で倒れる人も出てきており、夜勤明け遅番残業とかいう訳の分からないシフトが全員に割り振られました。
そして、とある入居者がこれノルウェー疥癬っぽくない?と以前他の施設で働いていたCWが気づいてNSに報告したのですが、NSは「違う」と言い続けました。後、職員の体が痒くなっているのに気づきました。病院に連れて行くとノルウェー疥癬に掛かっているとのこと。他の入居者も、様々な人が掛かっていました。
ノロ+インフル+疥癬、三冠達成です。
ここでCWがNSに不信感を持ちました。CWとNSが二つに割れ、チームケアが単独になりました。
報告は、お互いを批判する形になりました。
①貴方の職種を。
②貴方の対応を。
③貴方から見て他の職種は、どうすれば良かったか?
④入居者の気持ちを組む良いケアは?
②と③一緒でも構いません。
この状況は、介護現場で働くすべての人々にとって、非常に深刻な問題です。感染症の蔓延、スタッフの疲弊、人間関係の悪化、そして入居者の方々の不安。これらの問題が複雑に絡み合い、現場はまさに多重苦の状態に陥っています。私は、長年介護の現場で経験を積んできたベテラン介護士として、この状況をどのように打開し、より良いケアを提供できるのか、具体的な解決策を提示します。
1. 介護士としての私の立場と役割
私は、介護福祉士として、長年にわたり様々な介護施設で勤務してきました。今回のケースでは、まず第一に、感染症拡大の防止と、入居者とスタッフの安全確保を最優先に考えます。同時に、Sさんをはじめとする入居者の方々の尊厳を守り、心身の健康を支えるケアを提供することを目指します。具体的には、以下の3つの役割を担います。
- 感染症対策のリーダーシップ: 感染症に関する知識と経験を活かし、適切な感染対策を徹底します。具体的には、感染経路の特定、迅速な隔離、適切な防護具の使用、環境消毒などを指揮します。
- チームの連携とコミュニケーション: 医師、看護師、他の介護士、そして家族との連携を強化し、情報を共有し、協力体制を築きます。
- 入居者への個別ケアの実践: Sさんの状態を詳細に把握し、そのニーズに応じたケアを提供します。暴力行為に対しては、安全を確保しながら、その背景にある原因を理解し、適切な対応を行います。
2. 感染症発生時の具体的対応策
今回のケースでは、ノロウイルス、インフルエンザ、そして疥癬という三重苦に見舞われています。それぞれの感染症に対して、以下のような具体的な対応を行います。
2-1. ノロウイルス対策
- 迅速な隔離: Sさんの隔離を徹底し、他の入居者との接触を完全に遮断します。
- 適切な防護具の使用: ガウン、マスク、手袋を着用し、手指消毒を徹底します。
- 環境消毒: 嘔吐物や汚染された可能性のある場所を、塩素系消毒剤で徹底的に消毒します。
- 情報共有と教育: スタッフ全員にノロウイルスの感染経路、症状、予防策に関する情報を共有し、正しい知識を身につけさせます。
- 入居者への説明: Sさんに対して、ノロウイルスの感染性と、隔離の必要性を丁寧に説明し、理解を求めます。
2-2. インフルエンザ対策
- 早期発見と隔離: 発熱や呼吸器症状のある入居者を早期に発見し、隔離します。
- ワクチン接種の推奨: 入居者とスタッフに対して、インフルエンザワクチンの接種を推奨します。
- マスクの着用: 入居者とスタッフ全員にマスクの着用を義務付けます。
- 換気の徹底: 換気を頻繁に行い、室内の空気を入れ替えます。
- 抗ウイルス薬の投与: 医師の指示のもと、抗ウイルス薬を投与します。
2-3. 疥癬対策
- 早期発見と隔離: 疥癬の疑いがある入居者を早期に発見し、隔離します。
- 適切な治療: 医師の指示のもと、疥癬の治療薬を投与します。
- 環境消毒: 寝具や衣類を高温で洗濯し、必要に応じて消毒を行います。
- 接触者の検査: 疥癬に接触した可能性のある入居者とスタッフに対して、検査を行います。
- 情報共有と教育: スタッフ全員に疥癬の感染経路、症状、予防策に関する情報を共有し、正しい知識を身につけさせます。
3. チームワークとコミュニケーションの改善
今回のケースでは、看護師と介護士の間でコミュニケーション不足が見られ、それが問題の悪化につながっています。チームワークを改善するために、以下の対策を行います。
- 定期的な合同カンファレンス: 医師、看護師、介護士、そして必要に応じて家族も参加する合同カンファレンスを定期的に開催し、情報共有と問題解決を図ります。
- 役割分担の明確化: 各職種の役割を明確にし、責任の所在を明確にします。
- 相互理解の促進: 各職種の専門性や役割を理解し、互いに尊重し合う姿勢を育みます。
- 積極的な情報共有: 記録の共有、申し送り、口頭での報告など、様々な方法で情報を共有し、連携を強化します。
- 問題解決のための話し合い: 問題が発生した場合は、感情的にならず、冷静に話し合い、解決策を見つけます。
4. 入居者の方々への個別ケア
Sさんのような、認知症や精神的な問題を抱える入居者の方々へのケアは、特に重要です。以下の点に注意して、個別ケアを行います。
- Sさんの状態の理解: Sさんの既往歴、現在の状態、性格、嗜好などを詳細に把握し、個別ケア計画を作成します。
- コミュニケーションの工夫: Sさんの言葉に耳を傾け、理解しようと努めます。話が通じにくい場合は、ジェスチャーや写真などを使ってコミュニケーションを図ります。
- 暴力行為への対応: 暴力行為の原因を理解し、安全を確保しながら、落ち着いて対応します。必要に応じて、専門家(医師、精神科医など)の意見を求めます。
- 環境調整: Sさんが落ち着いて過ごせるような環境を整えます。
- 家族との連携: 家族との連携を密にし、Sさんの情報を共有し、協力してケアを行います。
5. 他の職種へのアドバイス
今回のケースでは、看護師と介護士の連携不足が問題の悪化につながっています。他の職種に対して、以下のようなアドバイスを行います。
- 看護師へのアドバイス: 介護士の専門性を理解し、指示だけでなく、根拠や目的を説明することで、介護士の理解と協力を得やすくなります。また、介護士からの報告を真摯に受け止め、共に問題解決に取り組む姿勢が重要です。
- 医師へのアドバイス: 感染症の治療だけでなく、入居者の精神的なケアにも配慮し、必要に応じて精神科医との連携を検討します。
- 他の介護士へのアドバイス: 感染症対策を徹底し、チームワークを重視し、入居者の方々の尊厳を守るケアを提供します。
6. 入居者の気持ちを組む良いケアとは
入居者の気持ちを理解し、寄り添うケアを提供することが、介護の基本です。具体的には、以下の点を心がけます。
- 傾聴: 入居者の話をじっくりと聞き、共感し、理解しようと努めます。
- 尊重: 入居者の人格と尊厳を尊重し、個々のニーズに応じたケアを提供します。
- 安心感を与える: 入居者が安心して過ごせるような環境を整え、不安を取り除くように努めます。
- 自己決定の尊重: 入居者の自己決定を尊重し、可能な限り本人の意思を尊重したケアを提供します。
- 楽しみの提供: 入居者が楽しめるようなレクリエーションやイベントを企画し、生活の質を高めます。
これらの対応を通じて、Sさんや他の入居者の方々の心身の健康を支え、より良い生活を送れるように支援します。
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7. 介護現場の未来のために
今回のケースは、介護現場が抱える多くの課題を浮き彫りにしています。感染症対策の強化、チームワークの改善、そして入居者の方々への質の高いケアの提供。これらの課題を解決するためには、介護士だけでなく、看護師、医師、そして施設全体が協力し、改善に取り組む必要があります。
介護の現場は、常に変化し、進化し続ける必要があります。私たちは、常に学び、成長し、より良いケアを提供するために努力を続ける必要があります。
介護現場の未来は、私たち一人ひとりの行動にかかっています。
8. まとめ
今回のケースを通して、介護現場が抱える多重苦を乗り越えるための具体的な戦略を提示しました。感染症対策、チームワークの改善、個別ケアの充実、そしてキャリアアップ。これらの要素を組み合わせることで、より良い介護の現場を実現することができます。
介護の仕事は、大変なことも多いですが、やりがいのある仕事です。この記事が、あなたのキャリアをより良いものにするための一助となれば幸いです。
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