「もう無理…」と限界を感じたら。認知症の祖母との関わり方と、あなた自身の心の守り方
「もう無理…」と限界を感じたら。認知症の祖母との関わり方と、あなた自身の心の守り方
この記事は、認知症の祖母の介護に直面し、精神的な負担を感じているあなたへ向けたものです。介護は、愛情と献身を必要とする一方で、時に計り知れないストレスをもたらします。特に、認知症の症状が進行すると、感情のコントロールが難しくなり、介護する側の心身に大きな影響を与えることがあります。この記事では、具体的な事例を通して、認知症の祖母との関わり方、そしてあなた自身の心のケアについて、具体的なアドバイスを提供します。
前に祖母は「祖父が家の中をごそごそして私の金をとろうとしている」「私の金がどこにもない」「祖父がとったんだ」という話を何回も何回も聞き飽きたにも関わらず、母の家にまで来て言っていました。母は「気にしないことが一番」と、そのたびになだめていました。
やりたいこともせずひたすら。
その後、祖母は何円か家で見つけたお金を母に預けているところを見ました。預けた何日か後に「ちょっとこないだの返して」と言ってまたやってきます。
そして3週間ほど前、祖母は「五万あったが祖父に三万取られ、一万持って帰るが一万はあげる」と言い帰りました。その一週間後、祖母は「こないだの五万返してくれ」と家に来ました。前にくれた一万を見せると「それではない！！五万返せ！！」と喚き、心当たりがないので帰すと、その次は十万、その次は二十万、その次は五十万、その次は百万、その次は二百万、今では五百万。
もう祖母は「返してくれないなら死んでもいい」と言って家の包丁を出し死ぬふり。放っておけば包丁はなおします。
来る時間はいつも深夜、一時間や二時間は滞在。しかもいつも次の日は母が仕事の日に来ます。
本当に可哀想で見てられません。
この間(二百万の時)は私が目を見てゆっくり話しかけ帰すということをやりましたが、一時間くらいかかったので深夜にもうやりたくありません。
警察を呼んでもいいですか？また、警察を呼ぶとどうなりますか？(警察の対応と、祖母のその後)
1. 状況の理解と、抱えている問題の本質
ご相談ありがとうございます。お母様とあなた様が、認知症の祖母の介護で大変なご苦労をされている様子が伝わってきます。深夜に何度も訪れ、金銭的な要求を繰り返す祖母の行動は、介護する側にとって大きなストレスとなります。この問題は、単に祖母の行動を止めるだけでは解決しません。根本には、認知症という病気による症状と、それに対する適切な対応方法の模索、そして介護者の心のケアという、複合的な問題が潜んでいます。
まず、祖母の行動について理解を深めましょう。認知症は、脳の機能が低下することにより、記憶力や判断力、理解力などが低下する病気です。祖母の「お金を盗られた」という訴えや、金銭の要求は、現実と区別がつかなくなる「妄想」や「物盗られ妄想」と呼ばれる症状である可能性が高いです。また、時間や場所の感覚が曖昧になることもあり、深夜に何度も訪問してしまう原因の一つかもしれません。祖母自身も、自分の行動が理解できず、不安や混乱を感じている可能性があります。
次に、介護者の心の負担について考えてみましょう。深夜の訪問や、理不尽な要求は、睡眠不足や疲労につながり、精神的なストレスを増大させます。介護は、愛情や献身を必要とするため、どうしても感情的になりやすく、自己嫌悪や無力感を感じることも少なくありません。特に、お母様が仕事を持っている場合、介護との両立は非常に困難であり、心身ともに疲弊してしまう可能性があります。
2. 警察への相談と、その後の対応
警察への相談は、状況によっては有効な手段となり得ます。しかし、警察に相談する前に、いくつかの点を考慮する必要があります。
- 警察に相談するメリット
- 安全確保: 祖母が包丁を出すなど、ご家族の安全が脅かされる可能性がある場合、警察は迅速に対応し、安全を確保することができます。
- 専門家の介入: 警察は、必要に応じて、医療機関や福祉サービスとの連携を図り、専門的な支援につなげることができます。
- 記録の作成: 警察に相談することで、祖母の行動に関する記録が残り、今後の対応に役立つ場合があります。
- 警察に相談するデメリット
- 祖母への影響: 警察が介入することで、祖母が混乱したり、ショックを受けたりする可能性があります。
- 家族関係への影響: 警察への相談が、家族間の関係に溝を作る可能性もあります。
- 解決の限界: 警察は、あくまでも治安維持が主な目的であり、認知症の根本的な解決にはつながらない場合があります。
警察に相談する場合、まずは、これまでの経緯を詳しく説明し、祖母の現在の状況を正確に伝えることが重要です。警察は、状況に応じて、祖母の安全確認や、医療機関への受診を促すなどの対応を行います。場合によっては、一時的な保護や、家族へのアドバイスを行うこともあります。
警察への相談と並行して、以下の対応も検討しましょう。
3. 祖母とのコミュニケーションと、具体的な対応策
祖母とのコミュニケーションは、状況を改善するための重要な要素です。以下の点に注意して、接するようにしましょう。
- 冷静な対応: 祖母の訴えに対して、感情的にならず、落ち着いて対応しましょう。怒ったり、否定したりするのではなく、まずは祖母の気持ちを受け止めることが大切です。
- 共感的な態度: 「それは大変でしたね」「つらいですね」など、祖母の気持ちに寄り添う言葉をかけましょう。祖母は、自分の気持ちを理解してくれる人に安心感を覚えます。
- 具体的な説明: 祖母の訴えに対して、事実を冷静に説明しましょう。ただし、難しい言葉を使ったり、長々と説明したりするのではなく、簡潔で分かりやすい言葉で伝えることが重要です。例えば、「お金はここにありますよ」と、実際に見せるのも良いでしょう。
- 話題の転換: 祖母が同じ話を繰り返す場合は、話題を転換することも有効です。「そういえば、昔、〇〇に行ったことがありましたね」など、祖母の興味を引く話題を振ってみましょう。
- 環境調整: 祖母が安心できる環境を整えましょう。例えば、落ち着ける場所を用意したり、好きな音楽を流したりするのも良いでしょう。
具体的な対応策としては、以下のような方法が考えられます。
- 記録: 祖母の言動や、対応した内容を記録しておきましょう。記録することで、状況の変化を把握しやすくなり、今後の対応に役立ちます。
- 専門家への相談: 認知症の専門医や、介護支援専門員（ケアマネジャー）に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。専門家は、祖母の症状に合わせた具体的な対応策や、利用できる福祉サービスについて教えてくれます。
- 金銭管理: 祖母の金銭管理を適切に行いましょう。例えば、お金を預かる、必要な時に必要な分だけ渡すなどの方法があります。
- 安全対策: 祖母が危険な行動をしないように、安全対策を行いましょう。例えば、包丁などの危険なものを手の届かない場所に置く、火気の管理を徹底するなどの対策が必要です。
4. 介護者の心のケアと、自分を守る方法
介護は、心身ともに大きな負担がかかります。介護者の心のケアは、非常に重要です。以下の点に注意して、自分自身の心を守りましょう。
- 休息: 十分な休息を取りましょう。睡眠不足は、心身の健康を損なうだけでなく、判断力や集中力の低下にもつながります。
- 気分転換: 趣味や、好きなことをする時間を作り、気分転換を図りましょう。
- 相談: 家族や友人、専門家などに、悩みや不安を相談しましょう。一人で抱え込まず、誰かに話すだけでも、心が軽くなることがあります。
- サポートの活用: 介護保険サービスや、地域のサポートを活用しましょう。例えば、訪問介護や、デイサービスなどを利用することで、介護の負担を軽減することができます。
- 自分の時間: 自分のための時間を確保しましょう。介護から離れて、リフレッシュする時間を持つことは、心身の健康を保つために不可欠です。
- 専門家のサポート: 精神科医やカウンセラーに相談し、専門的なサポートを受けることも検討しましょう。
介護は、長期にわたる可能性があります。無理をせず、自分自身の心と体を大切にしながら、祖母との生活を続けていくことが大切です。
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5. 介護保険サービスの活用と、利用できる制度
介護保険サービスは、介護者の負担を軽減するための重要な手段です。祖母が要介護認定を受けている場合、様々なサービスを利用することができます。
- 訪問介護（ホームヘルプサービス）: 介護ヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排泄などの介助を行います。
- 通所介護（デイサービス）: 施設に通い、食事、入浴、レクリエーションなどのサービスを受けます。
- 短期入所生活介護（ショートステイ）: 短期間、施設に入所し、介護を受けます。介護者のレスパイト（休息）のために利用できます。
- 認知症対応型共同生活介護（グループホーム）: 認知症の人が、少人数で共同生活を送る施設です。
- 福祉用具の貸与・購入: 車椅子や、歩行器などの福祉用具を借りたり、購入したりすることができます。
これらのサービスを利用するためには、まず、お住まいの市区町村の介護保険窓口に相談し、要介護認定の申請を行う必要があります。要介護認定の結果に応じて、利用できるサービスが決まります。ケアマネジャーは、介護保険サービスの利用計画（ケアプラン）を作成し、サービスの手配を行います。ケアマネジャーは、介護に関する様々な相談にも応じてくれます。
また、介護に関する様々な制度も利用できます。
- 介護休業: 介護のために、仕事を休むことができます。
- 介護休暇: 介護のために、休暇を取得することができます。
- 税制上の優遇措置: 介護費用の一部は、税金控除の対象となる場合があります。
- 医療費控除: 医療費控除も利用できる場合があります。
これらの制度を利用することで、経済的な負担を軽減することができます。詳細については、お住まいの市区町村の介護保険窓口や、税務署にお問い合わせください。
6. 介護における心の葛藤と、乗り越えるためのヒント
介護は、喜びや感謝とともに、葛藤や苦悩も伴うものです。特に、認知症の祖母の行動に対して、理解できない、受け入れられないと感じることもあるかもしれません。しかし、その葛藤を乗り越えることが、介護を続ける上で非常に重要です。
- 感情を認める: 辛い、悲しい、怒りといった感情を否定せず、まずは認めることが大切です。感情を抑え込まず、誰かに話したり、日記に書いたりして、発散しましょう。
- 完璧主義を手放す: 完璧な介護を目指すのではなく、できる範囲で、無理なく介護を続けることを目指しましょう。
- 自分を責めない: 介護は、正解のない道です。うまくいかないことがあっても、自分を責めないでください。
- 視点を変える: 祖母の行動を、病気の症状として理解し、客観的に見れるように努めましょう。
- 感謝の気持ちを持つ: 祖母が、これまであなたにしてくれたこと、一緒に過ごした時間を思い出し、感謝の気持ちを持つようにしましょう。
- 目標を設定する: 介護を通して、何を達成したいのか、どのような関係を築きたいのか、目標を設定してみましょう。
介護は、困難な道のりですが、同時に、かけがえのない経験でもあります。祖母との絆を深め、共に過ごす時間を大切にしてください。
7. まとめ：あなたと祖母が穏やかに過ごすために
この記事では、認知症の祖母の介護に直面しているあなたに向けて、様々な情報とアドバイスを提供しました。警察への相談、祖母とのコミュニケーション、介護者の心のケア、介護保険サービスの活用など、様々な側面から、問題解決へのヒントを提示しました。しかし、最も大切なことは、あなた自身が心身ともに健康であることです。無理をせず、自分を大切にしながら、祖母との生活を続けてください。そして、困ったときは、一人で抱え込まず、専門家や周囲の人々に相談してください。あなたと祖母が、穏やかな日々を過ごせることを心から願っています。
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