癲癇（てんかん）をお持ちの方へ｜就職活動と働き方のヒント：自己診断チェックリスト付き
癲癇（てんかん）をお持ちの方へ｜就職活動と働き方のヒント：自己診断チェックリスト付き
この記事では、癲癇（てんかん）を抱えながら就職活動や転職活動をされている方、または現在就労中の方に向けて、安心して働ける職場を見つけるための情報を提供します。具体的な仕事選びのヒントから、面接での伝え方、そして日々の働き方まで、役立つ情報が満載です。自己診断チェックリストを通じて、ご自身の状況を客観的に把握し、より良い選択をするためにお役立てください。
私は高校の時から癲癇を患っております。
免許を取る際にも介護施設で送迎等車の運転が必須だからという理由で主治医の先生を説得し取得しました。(状態も落ち着いてて発作もなかったので) 約５年前は介護施設で正社員として勤務していましたが、夜勤明けの仕事帰りに事故を起こし1ヶ月ほど休職してやめました。(職場には癲癇持ちという事は話していませんでした) ※正直に話して就職できなかったのが怖かったので・・・
それからは病院の看護助手や医療事務等興味のある職種の求人があるたびに応募し面接も受けてきたのですが、｢車の運転(通勤に必要等)｣について聞かれると正直な理由(癲癇の事)を明かす事が出来ず、先程挙げた事故を理由に断ってきました。そのせいもあるのか面接先全てから断られています。
現在は投薬治療中で、脳波の結果次第で減薬しながらも最近の2年間は意識を失う・相手が話しかけているのに分からない等の発作等は起こっていません。車の運転も全くしていません。 主治医の先生からも車の運転に関しては釘をさされます。
癲癇と関係するのかどうかは不明ですが、天気が雨降りだと頭痛になりやすいです。
そこでなのですが
- 就職面接のときにてんかんであることを伝えたか。または黙っていたか。(主治医の先生等誰かに相談したか。)
- てんかん患者が就く傾向がある職業があるか。(ホテル業やパート・アルバイト等) ホテル業…客室掃除・レストランサービス(バイキングの配膳・テーブルセッティング等) パート・アルバイト…スーパーの総菜作り・品出し ホームセンターでの掃除・接客・花や野菜の世話等
- 通院はなかなか大変じゃないだろうか。(例えば月に２～３回は仕事のある平日に病院に行かなきゃならない。でも新入社員がそうなかなか休める環境だろうか、と疑問を持ちました)
長文ですがよろしくお願い致します。
ご相談ありがとうございます。癲癇（てんかん）をお持ちの方の就職活動は、様々な困難を伴うことがあります。しかし、適切な情報と対策があれば、自分に合った働き方を見つけることは十分に可能です。このQ&Aでは、就職面接での対応、適した職種の選択、そして働き続けるための工夫について、具体的なアドバイスを提供します。まずは、ご自身の状況を整理し、一歩ずつ進んでいきましょう。
1. 就職面接での対応について
就職面接で癲癇（てんかん）について話すべきかどうかは、多くの人が悩む問題です。結論から言うと、必ずしも隠し通す必要はありません。しかし、伝えるタイミングや伝え方には注意が必要です。
1-1. 伝えるメリットとデメリット
伝えるメリット
- 理解と配慮を得られる可能性：企業によっては、あなたの状況を理解し、適切な配慮をしてくれる場合があります。例えば、発作が起きた際の対応や、通院のための休暇取得など、働きやすい環境を整えてくれる可能性があります。
- 信頼関係の構築：正直に伝えることで、企業との信頼関係を築きやすくなります。隠し事がないことで、安心して仕事に取り組むことができます。
- 精神的な負担の軽減：常に隠し通すことによる精神的な負担から解放されます。安心して仕事に集中できる環境は、パフォーマンス向上にもつながります。
伝えるデメリット
- 不採用のリスク：企業によっては、癲癇（てんかん）に対する理解が不足しており、不採用となる可能性があります。特に、運転業務や危険を伴う業務がある場合は、不利になることがあります。
- 偏見や差別：偏見を持つ人がいる可能性も否定できません。理解を得られない場合、人間関係で苦労することもあるかもしれません。
1-2. 伝えるタイミングと方法
伝えるタイミングは、面接の後半、または内定後が望ましいでしょう。面接の初期段階で伝えると、あなたの能力や人柄を評価する前に、病気のことばかりに意識が集中してしまう可能性があります。内定後であれば、企業はあなたを採用する意思を示しているため、より建設的な話し合いができます。
伝え方としては、正直かつ具体的に伝えることが重要です。
- 病状：現在の病状、治療状況、発作の頻度などを具体的に説明します。「現在は投薬治療中で、2年間発作は起きていません」など、客観的な事実を伝えましょう。
- 業務への影響：仕事への影響について、具体的に説明します。例えば、「発作が起きた場合は、〇〇の対応をお願いします」など、具体的な対策を提示することで、企業側の不安を軽減できます。
- 配慮事項：必要な配慮事項があれば、具体的に伝えます。例えば、「通院のため、月に〇回、半休を取得したい」など、具体的な要望を伝えましょう。
主治医との連携も重要です。主治医から、あなたの病状や就労に関する意見書をもらうことで、企業への理解を深めることができます。また、産業医がいる企業であれば、産業医との面談を通じて、働きやすい環境について相談することもできます。
2. 癲癇（てんかん）の方に適した職種
癲癇（てんかん）をお持ちの方が、安心して働ける職種は数多くあります。重要なのは、ご自身の病状と、仕事内容のリスクを照らし合わせ、適切な選択をすることです。
2-1. 比較的安全な職種
以下のような職種は、発作が起きた場合のリスクが比較的低いと考えられます。
- 事務職：デスクワークが中心で、肉体的な負担が少ないため、比較的安全です。
- プログラマー：集中力が必要ですが、発作が起きた場合でも、周囲に迷惑をかける可能性は低いでしょう。
- Webデザイナー：同様に、デスクワークが中心で、比較的安全です。
- 軽作業：倉庫内での軽作業など、危険な機械を使用しない仕事も選択肢の一つです。
- 接客業（状況による）：お客様とのコミュニケーションが中心で、発作が起きた場合でも、周囲のサポートを得やすい環境であれば、検討できます。
- 清掃業：体力的な負担はありますが、危険な作業は少ないため、検討できます。
2-2. 注意が必要な職種
以下のような職種は、発作が起きた場合のリスクが高いため、慎重に検討する必要があります。
- 運転業務：車の運転は、発作が起きた場合に重大な事故につながる可能性があるため、避けるべきです。
- 高所作業：高所での作業は、発作が起きた場合に転落の危険性があるため、避けるべきです。
- 危険物を扱う仕事：火気や薬品を扱う仕事は、発作が起きた場合に事故につながる可能性があるため、避けるべきです。
- 夜勤：睡眠不足や疲労は、発作を誘発する可能性があるため、夜勤のある仕事は避けた方が良いでしょう。
2-3. 職種選びのポイント
職種を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。
- 発作のリスク：発作が起きた場合に、自分自身や周囲に危険が及ぶ可能性がないかを確認しましょう。
- 業務内容：業務内容が、体力的に負担が少ないか、精神的に安定して取り組めるかなどを考慮しましょう。
- 企業の理解：癲癇（てんかん）に対する企業の理解度や、サポート体制を確認しましょう。
- 労働時間：無理のない労働時間で働けるか、残業が多い職場ではないかなどを確認しましょう。
自己分析も重要です。ご自身の得意なこと、興味のあること、そして、体力や精神的な負担などを考慮して、自分に合った職種を見つけましょう。
3. 働き続けるための工夫
癲癇（てんかん）を抱えながら働き続けるためには、様々な工夫が必要です。ここでは、日々の生活、職場での対応、そしてキャリアアップについて、具体的なアドバイスを提供します。
3-1. 日常生活での工夫
日常生活での工夫は、発作を予防し、安定した生活を送るために重要です。
- 規則正しい生活：睡眠時間を確保し、食事時間を規則正しくすることで、発作のリスクを軽減できます。
- 服薬管理：医師の指示に従い、忘れずに薬を服用しましょう。
- ストレス管理：ストレスは発作を誘発する可能性があります。リラックスできる時間を作ったり、趣味を楽しんだりして、ストレスを解消しましょう。
- 体調管理：体調の変化に注意し、異変を感じたら、すぐに医師に相談しましょう。
- 飲酒・喫煙の制限：飲酒や喫煙は、発作を誘発する可能性があります。医師と相談し、適切な量を守りましょう。
3-2. 職場での対応
職場での対応は、安心して働き続けるために重要です。
- 上司や同僚への相談：困ったことや不安なことがあれば、上司や同僚に相談しましょう。理解と協力を得ることで、安心して仕事に取り組むことができます。
- 情報共有：自分の病状や、発作が起きた場合の対応について、上司や同僚に伝えておきましょう。
- 休憩時間の確保：疲労が溜まると、発作が起きやすくなります。休憩時間を確保し、こまめに休息を取りましょう。
- 通院への配慮：通院が必要な場合は、事前に上司に相談し、休暇を取得しましょう。
- 環境調整：必要に応じて、職場環境を調整してもらいましょう。例えば、明るすぎる照明を調整したり、騒音を軽減したりするなど、働きやすい環境を整えましょう。
3-3. キャリアアップ
キャリアアップを目指すことも、やりがいを持って働き続けるために重要です。
- スキルアップ：仕事に必要なスキルを習得し、キャリアアップを目指しましょう。
- 資格取得：仕事に役立つ資格を取得することで、キャリアアップに繋がります。
- 自己啓発：セミナーに参加したり、書籍を読んだりして、自己啓発に励みましょう。
- 目標設定：具体的な目標を設定し、それに向かって努力することで、モチベーションを維持できます。
- キャリアプラン：将来のキャリアプランを立て、それに向かって計画的に行動しましょう。
周囲のサポートも重要です。家族や友人、主治医、そして職場の同僚など、周囲の人々のサポートを得ながら、キャリアアップを目指しましょう。
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4. 自己診断チェックリスト
ご自身の状況を客観的に把握するために、以下の自己診断チェックリストを活用してください。各項目について、当てはまるものにチェックを入れ、ご自身の状況を整理してみましょう。
4-1. 就職活動・転職活動に関するチェック
- 面接で、癲癇（てんかん）について話すことに抵抗がある。
- 運転免許の取得や、運転業務がある仕事に応募することに不安を感じる。
- 過去に、癲癇（てんかん）を理由に不採用になった経験がある。
- どのような職種が自分に適しているのか、わからない。
- 企業の理解度や、サポート体制について、どのように確認すれば良いのかわからない。
4-2. 働き方に関するチェック
- 現在の仕事内容が、体力的に負担が大きいと感じる。
- 現在の仕事内容が、精神的に不安定になる原因になっていると感じる。
- 職場での、癲癇（てんかん）に関する理解が得られていないと感じる。
- 職場での、発作が起きた際の対応について、不安がある。
- 労働時間が長く、疲労が溜まりやすいと感じる。
4-3. 日常生活に関するチェック
- 睡眠時間が不規則になりがちである。
- 服薬を忘れがちである。
- ストレスを抱えやすいと感じる。
- 体調の変化に気づきにくい。
- 飲酒や喫煙の習慣がある。
4-4. チェックリストの結果と対策
チェックの数が多いほど、現状で課題が多いと考えられます。それぞれの項目について、具体的な対策を立て、一つずつ解決していくことが重要です。
チェックが1〜5個の場合：現状は比較的安定していると考えられます。しかし、油断せずに、日々の生活習慣や、職場での対応に気を配りましょう。キャリアアップを目指すことも、良いでしょう。
チェックが6〜10個の場合：現状に課題があると考えられます。まずは、自己分析を行い、問題点を明確にしましょう。そして、具体的な対策を立て、一つずつ実行していくことが重要です。周囲の人に相談することも、有効です。
チェックが11個以上の場合：現状は、かなり困難な状況にあると考えられます。早急に、専門家（医師、カウンセラー、キャリアコンサルタントなど）に相談し、適切なサポートを受けましょう。必要に応じて、休養を取ることも検討しましょう。
5. まとめ
癲癇（てんかん）を抱えながらの就職活動や就労は、決して容易ではありません。しかし、適切な情報と対策、そして周囲のサポートがあれば、自分に合った働き方を見つけることは十分に可能です。
今回のQ&Aでは、就職面接での対応、適した職種の選択、そして働き続けるための工夫について、具体的なアドバイスを提供しました。自己診断チェックリストを活用して、ご自身の状況を客観的に把握し、より良い選択をしてください。
最後に、諦めずに、一歩ずつ進んでいくことが大切です。あなたのキャリアを応援しています。
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