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障害者送迎の安全と家族への理解:福祉施設職員が抱えるジレンマ

障害者送迎の安全と家族への理解:福祉施設職員が抱えるジレンマ

この記事では、障害者の方の送迎における安全確保と、ご家族とのコミュニケーションという、福祉施設職員が直面する二つの重要な課題に焦点を当てます。特に、送迎方法に対する家族の理解を得ることの難しさ、そして安全な送迎を実現するための具体的な対策について、深く掘り下げていきます。

障害者の新規通所施設に勤め始めた者です。(以前は高齢者の通所施設で働いていました。)
障害者の方の送迎について質問させてくださいい。
障害者区分6の20代女性(片麻痺、体重44キロ、座位保持はほぼできない、左手で頭や顔を殴る自傷が頻繁にみられる)が利用される事になり、福祉車両(ハイエース)で送迎をしています。彼女のお宅には、車いす(バギー?)があり、胸と腰を固定するベルトが付いているタイプです。

安全面を第一に考え、車いすでの送迎をしているのですが、(ご家族にも了承済み)
今日送りの際、お母様がいらっしゃり、「あの…車いすでの送迎って、何か、意味があるんですか?」と、やんわりと聞かれました。

え?と思い、前の施設ではどのような送迎をしていたのか聞くと、まず、添乗員はおらず、軽自動車の送迎で男性ひとり。
そして、リビングから車までお姫様抱っこをして助手席に直接乗せ、シートベルトをし、左手を押さえ、片道30分片手運転をしていたとお話しされたのです。

とても驚きました。
例えば何か事故に遭った時に添乗もおらず、しかも片手運転のドライバーに何ができたのか?想像するだけでも恐ろしいですし、それが当たり前だと思っているお母様も理解に苦しみます。

話を良く聞くと、家では四六時中床に布団を敷いて過ごしているので、車いすに長い間座らせているのが娘の負担になっているのではないか、と取れるニュアンスで話されていました。
(当施設では、彼女の負担にならない程度に、なるべく起こして過ごしてほしいとの事で午前中はできるだけ車いすに座っていただき、大好きな歌遊びをして過ごし、彼女もニコニコ、機嫌もとても良いです。)

まず、ハイエースの後部座席に両手の塞がる状態で乗降させるのは職員2人だとしてもかなりの危険が伴います。
急ブレーキや、追突事故が遭ったとしたら、座位保持が難しい方をシートベルトのみで守れる訳がありません。

それを理解して頂くために、お母様には誤解のないようにお話しはさせて頂くつもりではいます。
お父様は介護士なので、車いすでの送迎は勿論OKなのですが、お父様とお母様の意見が相違しすぎて、我々も少し振り回されている状態です。

これからも危険予測をいちばんに考え、車いすでの送迎を変えるつもりはありませんが、
私の考えって間違っていますか?
それか、お母様の思いを汲むべきですか?
あくまでも、施設とご家族のやりとりになるのは承知ですが、少し迷いが出てしまいます。

同業者の方がいらっしゃいましたら、アドバイスお願い致します。

1. 安全な送迎方法の重要性:なぜ車いすでの送迎が必要なのか

障害者の方の送迎において、安全は最優先事項です。今回のケースでは、車いすでの送迎を選択されていることは、非常に正しい判断と言えるでしょう。なぜなら、

  • 身体的リスクの軽減: 障害の程度によっては、移乗の際に転倒のリスクがあります。車いすを使用することで、このリスクを大幅に減らすことができます。特に、座位保持が難しい方にとっては、車いすは安全な移動手段となります。
  • 事故時の保護: 事故が発生した場合、車いすは衝撃を吸収し、利用者を保護する役割を果たします。シートベルトだけでは、座位保持が難しい方の安全を十分に確保することはできません。
  • 法的責任: 施設には、利用者の安全を守る法的責任があります。安全な送迎方法を選択することは、この責任を果たす上で不可欠です。

以前の施設で行われていたような、片手運転での抱っこ移乗は、非常に危険な行為です。事故が発生した場合、利用者だけでなく、運転手も重傷を負う可能性があります。また、万が一の際に適切な対応ができないため、法的責任を問われる可能性も高まります。

2. 家族とのコミュニケーション:理解を得るためのアプローチ

ご家族、特にお母様が車いすでの送迎に疑問を持っているとのことですが、これはよくあるケースです。過去の経験や、ご家族の思い入れが影響している場合があります。

理解を得るためには、以下の点を意識したコミュニケーションが重要です。

  • 丁寧な説明: なぜ車いすでの送迎が安全なのか、具体的に説明しましょう。事故時のリスク、身体的な負担軽減、そして法律的な観点からも説明することで、納得を得やすくなります。
  • 共感: お母様の不安や疑問に寄り添い、共感の姿勢を示しましょう。「〇〇様(利用者の方)にとって、一番良い方法を一緒に考えたいと思っています」といった言葉は、相手に安心感を与えます。
  • 情報共有: 施設での日中の様子を積極的に伝えましょう。例えば、「歌遊びをとても楽しんでいて、笑顔が増えました」といった情報は、お母様にとって安心材料になります。
  • 代替案の提示: 車いすでの送迎が負担になっているのではないかというお母様の懸念に対して、具体的な代替案を提示することも有効です。例えば、「車いすに座っている時間が長くなる場合は、途中で休憩を取り、体位変換を行う」といった提案が考えられます。
  • 専門家の意見: 必要であれば、医師や理学療法士などの専門家を交えて話し合い、客観的な意見を共有することも有効です。

3. 家族との対立を避けるために:具体的なコミュニケーション術

ご家族の意見が対立している場合、施設側としては、どちらか一方に偏ることなく、中立的な立場を保つ必要があります。

以下に、具体的なコミュニケーション術を紹介します。

  • 個別面談の実施: お母様と個別に面談する機会を設け、じっくりと話を聞きましょう。お父様も同席してもらい、三者で話し合うのも良いでしょう。
  • 記録の活用: 利用者の日々の様子を記録し、客観的なデータとして共有しましょう。例えば、「車いすでの座位時間」「自傷行為の頻度」「笑顔の回数」などを記録することで、客観的な情報に基づいて話し合うことができます。
  • 定期的な情報交換: 定期的にご家族と情報交換する機会を設けましょう。電話、メール、または面談など、ご家族が最もコミュニケーションを取りやすい方法を選びましょう。
  • 第三者の介入: どうしても解決が難しい場合は、地域の相談支援専門員や、弁護士などの専門家に相談することも検討しましょう。

4. 施設内での連携:チームワークで安全を守る

安全な送迎を実現するためには、施設内での連携も重要です。

以下の点を意識しましょう。

  • 情報共有: 利用者の状態や、ご家族とのやり取りについて、スタッフ間で情報を共有しましょう。
  • 役割分担: 送迎時の役割分担を明確にし、安全な体制を構築しましょう。例えば、運転手、添乗員、介助者など、役割を分担することで、事故のリスクを軽減できます。
  • 研修の実施: 送迎に関する研修を定期的に実施し、スタッフのスキルアップを図りましょう。事故発生時の対応、車いすの操作方法、移乗介助など、実践的な内容を取り入れることが重要です。
  • マニュアルの作成: 送迎に関するマニュアルを作成し、スタッフ全員が同じ基準で業務を行えるようにしましょう。

5. 成功事例から学ぶ:他の施設の取り組み

他の施設では、どのような取り組みを行っているのでしょうか。

以下に、成功事例を紹介します。

  • 事例1: ある施設では、送迎前に必ず利用者の健康状態を確認し、必要に応じて医師の指示を仰いでいます。また、送迎車には、AED(自動体外式除細動器)を搭載し、緊急時の対応に備えています。
  • 事例2: 別の施設では、送迎時に、利用者の好きな音楽を流したり、会話をしたりすることで、リラックスできる環境を作っています。また、送迎後には、利用者の様子を記録し、ご家族に報告しています。
  • 事例3: ある施設では、送迎に関する苦情や意見を収集し、改善に役立てています。また、定期的に、ご家族向けの送迎説明会を開催し、情報共有を行っています。

6. 専門家からのアドバイス:安全と家族への配慮の両立

専門家である私からのアドバイスをまとめます。

  • 安全第一を貫く: 利用者の安全を最優先に考え、車いすでの送迎を継続しましょう。
  • 丁寧なコミュニケーション: ご家族とのコミュニケーションを密にし、理解を得る努力を続けましょう。
  • 記録と情報共有: 利用者の状態や、ご家族とのやり取りを記録し、情報共有を徹底しましょう。
  • 専門家との連携: 必要に応じて、医師や理学療法士などの専門家と連携し、客観的な意見を参考にしましょう。

これらのアドバイスを参考に、安全な送迎と、ご家族との良好な関係を築いていくことを願っています。

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7. まとめ:安全な送迎と家族の理解のために

障害者の方の送迎は、安全と家族の理解という、二つの重要な要素が常に求められます。今回のケースでは、車いすでの送迎を選択されていることは、安全性を確保する上で非常に重要な判断です。

ご家族とのコミュニケーションにおいては、丁寧な説明、共感、情報共有、代替案の提示などを通して、理解を得ることが重要です。また、施設内での連携、研修の実施、マニュアルの作成など、組織的な取り組みも不可欠です。

安全を第一に考えつつ、ご家族との良好な関係を築くことで、利用者の方々が安心して施設を利用できる環境を整えることができます。

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