介護職とアトピー性皮膚炎：再チャレンジは可能？専門コンサルタントが徹底解説

介護職に就いている方に質問私は以前介護職（約３年の実務経験）に就いていました。今は辞めて失業中です。老健で１年９ヶ月、障害者の在宅生活援助で１年３ヶ月やりました。私は元々、アトピー性皮膚炎の持病を持っていて、老健で入浴当番の日には１日に６０～７０人の入浴介助や、過度の手洗い、業務用石鹸による手荒れにより両腕に包帯を巻かないといられないくらいの皮膚疾患になり、結局退職しました。障害者の在宅生活援助では、ほぼ寝たきりの筋ジストロフィー患者さんの介助をしていましたが、これも過度の手洗い、手指消毒、日勤帯では昼と夕食の調理、食器洗いなどにより、またも皮膚疾患を患いました。皮膚科で薬をもらって塗っていても、業務中は手洗いをすると塗った薬が落ちてしまい、酷くなっても包帯をしながらだと業務に支障をきたします。最初は我慢してやっていますが、疾患が酷くなってくると痛くて痒くてとても辛いのです…。現在失業中ですが、ご存知のように大不況ということもあり、仕事を探すとなるとやはり安定した特養や老健、社会保険に入れてもらえる常勤の介護職をしようかとも思うのですが、持病の皮膚疾患が出てまた退職になったら…ということを考えるとためらってしまいます。介護職を辞める原因はたいてい皮膚疾患か腰痛が多いと就業中はよく聞いていましたが、現在介護職に就いていらっしゃる方々はどうですか？手荒れとか皮膚疾患は大丈夫ですか？また、良い予防法などあったら教えていただけると有り難いです。

キャリア支援専門コンサルタントからの回答

以前介護職に携わり、アトピー性皮膚炎を悪化させてしまった経験をお持ちとのこと、大変お辛い状況だとお察しします。介護職はやりがいのある仕事ですが、身体への負担も大きい仕事です。特に、アトピー性皮膚炎をお持ちの方にとっては、手荒れや皮膚炎の悪化は大きな課題となります。しかし、だからといって介護職を諦める必要はありません。適切な対策と職場選びによって、安心して働き続けることができる可能性は十分にあります。

この質問にお答えする前に、まず重要な点を３つご説明します。

アトピー性皮膚炎と介護職の両立は不可能ではない： 多くの介護職の方が、手荒れや皮膚疾患に悩まされています。しかし、適切な対策を講じることで、症状をコントロールし、働き続けることは可能です。
職場環境が重要： 職場によっては、手荒れ対策がしっかりしているところや、負担の少ない業務内容のところもあります。職場選びは慎重に行いましょう。
自分を守るための対策が必須： 予防策を講じるだけでなく、症状が悪化した場合の対処法も知っておくことが重要です。早めの対処が、長期的なキャリア継続に繋がります。

以下、具体的な対策と、再チャレンジに向けたステップを解説していきます。

１．再チャレンジの前に：自分自身の状態と向き合う

まず、現在のあなたの皮膚の状態を正確に把握することが重要です。信頼できる皮膚科医に相談し、適切な治療とケア方法についてアドバイスを受けましょう。アトピー性皮膚炎の症状をコントロールするための薬物療法や、保湿剤の使用、生活習慣の改善など、具体的なアドバイスをもらってください。

次に、過去の経験を振り返り、何が皮膚炎を悪化させたのかを分析してみましょう。入浴介助の回数、使用する石鹸の種類、手洗い頻度、作業環境など、具体的な要因を洗い出してみましょう。この分析結果が、今後の職場選びや予防策を考える上で非常に役立ちます。

２．職場選び：自分に合った環境を見つける

次に、職場選びのポイントを解説します。

手荒れ対策が充実している職場： 手荒れ予防のためのクリームや手袋の支給、休憩時間の確保、業務負担の軽減など、手荒れ対策に力を入れている職場を選びましょう。求人票をよく確認し、面接時に積極的に質問しましょう。
業務内容： 入浴介助が中心の職場は避けた方が良いかもしれません。調理や食器洗いなどの業務が少ない職場、またはこれらの業務を分担できる体制が整っている職場を選ぶことが重要です。デイサービスや訪問介護など、入浴介助以外の業務が多い職種も検討してみましょう。
職場環境： 職場全体の雰囲気や、スタッフ間の連携が良い職場を選ぶことも重要です。相談しやすい雰囲気で、困った時にすぐに相談できる環境は、精神的な負担を軽減し、結果的に皮膚炎の悪化を防ぐことに繋がります。
労働時間と休日： 労働時間や休日の取得状況も重要です。過剰な労働は、身体的・精神的な負担を増大させ、アトピー性皮膚炎を悪化させる可能性があります。ワークライフバランスを重視し、無理なく働ける職場を選びましょう。

３．予防策：日々のケアで症状をコントロールする

職場選びと同様に、日々のケアも重要です。

保湿： 頻繁な手洗いが必要なため、高保湿のハンドクリームをこまめに塗りましょう。就寝前にもしっかりと保湿ケアを行いましょう。成分にも気を配り、肌に優しいものを選びましょう。
手袋の使用： 業務中は、使い捨て手袋や、アトピー性皮膚炎対応の手袋を使用しましょう。素材や種類によって肌への負担が異なるため、自分に合ったものを選んでください。
石鹸の選択： 業務用石鹸は、肌への負担が大きいため、低刺激性の石鹸を使用しましょう。可能であれば、職場に相談して、肌に優しい石鹸の使用を検討してみましょう。
ストレス軽減： ストレスはアトピー性皮膚炎を悪化させる要因の一つです。適度な運動や休息、趣味を持つなど、ストレスを軽減する工夫をしましょう。
食事： 食生活にも気を配り、バランスの良い食事を心がけましょう。特に、ビタミンやミネラルを多く含む食品を摂取することで、肌の健康を維持することができます。

４．具体的な成功事例

私のクライアントにも、アトピー性皮膚炎を抱えながら介護職で活躍されている方がいます。彼女は、以前は老健で働いていましたが、手荒れが酷くなったため、訪問介護に転職しました。訪問介護では、入浴介助の頻度が少なく、自分のペースで仕事ができるため、症状が落ち着いています。また、彼女は、職場に自分の状況をきちんと伝え、手荒れ対策のためのサポートを受けています。

５．まとめ

アトピー性皮膚炎と介護職の両立は、決して容易ではありませんが、不可能ではありません。適切な対策と職場選び、そして何より、自分の状態をきちんと理解し、自分自身を守るための努力を続けることが大切です。

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