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【弁護士監修】親の財産使い込みは刑事事件?遺産相続で損しないための3つの対策

【弁護士監修】親の財産使い込みは刑事事件?遺産相続で損しないための3つの対策

この記事では、親の財産を巡る問題に直面し、将来の遺産相続について不安を抱えているあなたに向けて、具体的な解決策と法的知識を提供します。特に、親の財産が使い込まれた可能性がある場合の対応や、遺産分割協議を円滑に進めるための対策に焦点を当てています。弁護士監修のもと、法的観点からのアドバイスと、実際に役立つ情報をお届けします。

まず、今回の相談内容を見ていきましょう。

亡くなった母の貯金を同居の兄が使い込んでいたと思われるのですが、これは刑事事件になるのでしょうか。

17年前に父を亡くし、昨年末、痴呆(要介護2)だった母が亡くなったのですが、4年前には1000万円以上あった母の貯金、および2ヶ月ごとに送られてきていた年金がほとんど無くなっていることが分かりました。

母は3年ほど前から痴呆を発症し、ケアセンターには通っていましたが、市から補助がでており、その費用の負担はありません。

母の預金の取引明細を確認すると

  • 22年1月に500万円の定期を解約、
  • 22年1月以降、その他の定期(180万円)が順次解約
  • 22年2月からATMによる引き出しが頻繁に始まる(これは死ぬまで続き、貯金、年金はほとんど残っていませんでした。)
  • 22年5月土地を売った代金950万円が引き出されたまま
  • 23年7月償還された国債500万円が引き出されたまま
  • 24年9月自宅の一部を駐車場とするため、兄が母の名義で500万円借入、兄がそれで工事代金を支払ったと思われる

痴呆を発症したころから、通帳・印鑑は兄が管理していましたので、これらの作業は兄、兄嫁が行なっているとしか、思えません。(兄にはまだ確認していませんが、知らないと言われる可能性が大きいと思われます)

母は非常に質素な人間でしたが、痴呆となったため、最後は財布に2000円しか入れないようにしていました。兄が世話をしていたのは、食事、お風呂くらいです。

母の生活の面倒を見ていたとはいえ、大きな病気もなかったため、これほどの費用が発生したとは思えず、状況から判断して兄が使い込んだか、自分のものとしているとしか思えません。

このような場合、

  1. 刑事事件として告発することはできるのでしょうか?(告発するつもりはありませんが、刑事事件レベルか、民事事件レベルか知りたいと思います)
  2. 兄が着服したという証拠をどのようにして掴んだらいいのでしょうか?(兄の通帳を見るわけにもいかず、方法が分かりません)
  3. 遺産分割協議で調停、審判となった場合、兄の着服は認めれられる可能性は高いのでしょうか?(もし、認められれば、生前贈与になると思いますが、いかがでしょうか)

遺産相続に詳しい方の回答をお待ちしています。補足兄に対しては遺産分割協議を始めるよう4月から3回ほど依頼しているのですが、「まだ早い、なぜそんなに急ぐのか」というだけで、応じる気配がありません。兄が税理士に財産の把握を依頼しているのかもはっきりしません。こちらで税理士に依頼するのもこじらせることになると思い、依頼はしていません。7月まで遺産分割協議に応じないようであれば、調停を依頼しようと考えています。

ご相談ありがとうございます。親の財産を巡る問題は、感情的にも非常にデリケートであり、法的にも複雑な問題を含んでいます。今回のケースでは、お母様の財産が、同居されていたお兄様によって使い込まれた可能性があるという状況ですね。以下、ご質問に沿って、具体的な対応策を解説していきます。

1. 刑事事件としての告発について

まず、刑事事件として告発できるかどうかについてですが、これは状況によって異なります。お兄様の行為が、横領罪や詐欺罪に該当する可能性があるからです。

  • 横領罪:お母様の財産を、お兄様が自分のものとして使っていた場合、横領罪が成立する可能性があります。横領罪が成立するには、お兄様が財産を管理する立場にあったこと、そしてその財産を自分のものとして利用したという事実が必要です。
  • 詐欺罪:お母様の判断能力が低下していることを利用して、財産を不正に取得した場合、詐欺罪が成立する可能性があります。例えば、お母様に無断で高額な契約をさせたり、お金を騙し取ったりした場合などが該当します。

しかし、刑事事件として立件するためには、証拠が必要です。今回のケースでは、お兄様が財産を使い込んだという証拠をどのように収集するかが重要になります。告発するかどうかは、証拠の有無や、今後の遺産分割協議への影響などを考慮して慎重に判断する必要があります。

2. 証拠の収集方法

次に、証拠の収集方法についてです。お兄様の通帳を見ることは難しいかもしれませんが、他にも証拠となり得るものがいくつかあります。

  • 預貯金口座の取引履歴:金融機関に照会し、お母様の預貯金口座の取引履歴を入手します。これにより、いつ、誰が、いくら引き出したのか、詳細な情報を確認できます。不審な出金がないか、注意深く確認しましょう。
  • 不動産の売買契約書:土地の売却や、自宅の一部を駐車場にするための契約書など、不動産に関する書類も重要な証拠となります。これらの書類から、取引の内容や、誰が関与したのかを把握できます。
  • 領収書や請求書:お兄様が、お母様の財産を使って支払ったとされる費用の領収書や請求書があれば、それらも証拠となります。これらの書類から、費用の内容や、支払先などを確認できます。
  • 関係者の証言:ケアマネージャーや、近隣住民など、お母様の状況を知っている人たちの証言も、証拠となり得ます。彼らの証言から、お兄様の行動や、お母様の状況について、客観的な情報を得ることができます。
  • 専門家への相談:弁護士や税理士などの専門家に相談し、証拠収集の方法についてアドバイスを受けることも有効です。専門家は、法的知識や経験に基づき、適切なアドバイスを提供してくれます。

これらの証拠を収集し、状況を整理することで、お兄様の行為が不当であると証明できる可能性が高まります。

3. 遺産分割協議における着服の主張

遺産分割協議で、お兄様の着服を主張する場合、集めた証拠が非常に重要になります。着服が認められれば、それは生前贈与とみなされ、遺産分割の際に考慮される可能性があります。

具体的には、

  • 特別受益:民法では、相続人が被相続人から生前に贈与を受けていた場合、その贈与分を相続財産に加算して、相続分を計算します。これを特別受益といいます。今回のケースでは、お兄様が不当に財産を取得していた場合、それが特別受益に該当する可能性があります。
  • 寄与分:お兄様が、お母様の介護や生活の面倒を見ていた場合、その貢献度に応じて、遺産分割において寄与分が認められる可能性があります。しかし、今回のケースでは、お兄様が財産を使い込んでいる疑いがあるため、寄与分が認められるかどうかは、慎重に判断する必要があります。

遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。調停では、裁判官や調停委員が、相続人同士の話し合いをサポートし、合意形成を目指します。調停でも合意に至らない場合は、審判に移行し、裁判官が遺産分割の方法を決定します。

調停や審判では、集めた証拠に基づいて、お兄様の着服を主張し、遺産分割において不当な利益を得させないようにすることが重要です。

4. 遺産分割協議を円滑に進めるための対策

遺産分割協議を円滑に進めるためには、以下の対策を講じることが重要です。

  • 弁護士への相談:弁護士に相談し、法的アドバイスを受けることは、遺産分割を有利に進めるために非常に有効です。弁護士は、証拠収集の方法や、遺産分割の手続きについて、専門的な知識を提供してくれます。また、弁護士が代理人として交渉することで、感情的な対立を避け、冷静な話し合いを促すことができます。
  • 情報開示の要求:お兄様に対して、財産の状況について、詳細な情報開示を求めましょう。具体的には、預貯金口座の取引履歴、不動産の売買契約書、領収書などを開示するよう求めます。情報開示を拒否する場合は、弁護士を通じて、開示を求めることもできます。
  • 調停の準備:遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることを検討しましょう。調停を申し立てる前に、必要な書類や証拠を準備しておくことが重要です。
  • 感情的な対立を避ける:遺産相続の問題は、感情的になりやすいものです。冷静さを保ち、感情的な対立を避けるように心がけましょう。弁護士に相談し、客観的なアドバイスを受けることも、感情的な対立を避けるために有効です。

これらの対策を講じることで、遺産分割協議を円滑に進め、ご自身の権利を守ることができます。

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5. まとめ

親の財産を巡る問題は、法的にも感情的にも複雑です。今回のケースでは、お兄様による財産の使い込みの疑いがあり、今後の遺産分割協議が難航する可能性があります。しかし、適切な対応策を講じることで、ご自身の権利を守ることができます。

今回のケースで重要なのは、

  1. 証拠の収集:預貯金口座の取引履歴、不動産の売買契約書、領収書などを収集し、お兄様の行為を裏付ける証拠を確保すること。
  2. 専門家への相談:弁護士や税理士などの専門家に相談し、法的アドバイスを受けること。
  3. 遺産分割協議の準備:遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てる準備をすること。

これらの対策を講じることで、遺産分割を有利に進め、ご自身の権利を守ることができます。
ご自身の状況に合わせて、適切な対応策を検討し、専門家のアドバイスを受けながら、問題解決に向けて進んでいきましょう。

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