発達障害・精神障害者が一人暮らしで「生活能力あり」と見られるのはなぜ?キャリアコンサルタントが解説
発達障害・精神障害者が一人暮らしで「生活能力あり」と見られるのはなぜ?キャリアコンサルタントが解説
この記事では、発達障害や精神障害をお持ちの方が一人暮らしをしている場合に、周囲から「生活能力がある」と見られがちな理由について、キャリアコンサルタントの視点から解説します。また、一人暮らしをしながら抱える具体的な課題や、それに対する支援策、キャリアアップや就労支援についても掘り下げていきます。
発達障害や精神障害がある人が一人暮らしをしていると、何故生活能力があると思われがちなのでしょうか?
私は自閉症スペクトラム障害で現在精神障害者保健福祉手帳の申請中です。一人暮らしですがこれには事情があり、現在住んでいる場所に入居当時は両親と3人でしたが、父が3年前に他界して、母が今年老人ホームに入所したため、せざるを得なくなったためです。
しかし、金銭管理ができず、掃除や片付けもできず、自炊もほとんどできないため、既に崩壊がちらついているので、金銭管理は社会福祉協議会の福祉サービスを利用することになり話が進行中で、掃除や片付けも手帳取得後に支援を受ける相談をする予定です。
また手帳申請の際の診断書の生活能力に関する項目は
日常生活能力の判定
(1)適切な食事摂取:自発的にできるが援助が必要
(2)身辺の清潔保持、規則正しい生活:援助があればできる
(3)金銭管理と買物:援助があればできる
(4)通院と服薬(要):おおむねできるが援助が必要
(5)他人との意思伝達、対人関係:援助があればできる
(6)身辺の安全保持、危機対応:おおむねできるが援助が必要
(7)社会的手続や公共施設の利用:援助があればできる
(8)趣味・娯楽への関心、文化的社会的活動への参加:援助があればできる
日常生活能力の程度:(3)精神障害者を認め、日常生活に著しい制限を受けており、時に応じて援助を必要とする。
このように記載されていますし、不注意や衝動性もみられており、日常生活や就労において支障がみられている状況である、日常生活を送るためにも適切な支援が必要であるとも記載されています。
あと詳細は今回は省略しますが、一般就労でパート勤務はしていますが、就労についても支障がみられている事や配慮や支援が必要と認められています。
手帳申請を決めた理由が生活のためで、直接のきっかけが会社から支給されている交通費より実際の交通費が高く、数千円自腹を切っているので(私が利用している電車やバスは、精神障害者保健福祉手帳も割引対象になります)、利用できる制度は利用した方がいいとお世話になっているくらしサポートセンターの相談員の方に勧められたからです。
私は上記の状況ですが、他にもいろんな事情で一人暮らしをしている精神障害者保健福祉手帳所持者(取得希望者)はいるのでは、と思います。補足あくまでも今回は冒頭の疑問を聞きたいだけなので、何度も同じような質問をするな、的な批判等はやめてください。
1. なぜ「生活能力がある」と誤解されやすいのか?
発達障害や精神障害をお持ちの方が一人暮らしをしている場合、周囲から「生活能力がある」と見なされやすい背景には、いくつかの要因が考えられます。
- 外見からの判断: 一人暮らしをしているという事実だけで、自立した生活を送っているという印象を与えがちです。特に、外見が整っている場合や、コミュニケーション能力が高い場合は、その傾向が強まります。周囲は、表面的な情報から「問題なく生活できている」と判断してしまうことがあります。
- 情報伝達の難しさ: 障害の特性や、抱えている困難について、周囲に正確に伝えることが難しい場合があります。特に、精神的な苦痛や、見えにくい困難は、理解されにくい傾向があります。
- 社会的な偏見: 精神障害に対する偏見や誤解が根強く残っていることも、原因の一つです。障害について正しく理解されていない場合、「一人暮らし=自立」という単純な図式で判断されがちです。
- 自己肯定感の低さ: 障害を持つ方は、自己肯定感が低くなりがちです。そのため、周囲の評価に過敏になり、自分の困難を積極的に伝えられない場合があります。
- 周囲の無理解: 周囲が障害について無理解な場合、表面的な情報だけで判断し、必要な支援を怠ってしまうことがあります。
2. 一人暮らしで直面する具体的な課題
一人暮らしは、誰にとっても様々な課題を伴いますが、発達障害や精神障害をお持ちの方にとっては、特に困難を伴う場合があります。以下に、具体的な課題をいくつか挙げます。
- 金銭管理: 衝動買いや、金銭感覚のずれから、お金の管理が難しくなることがあります。家賃、光熱費、食費など、生活に必要な費用を計画的に管理することが、大きな課題となります。
- 家事: 掃除、洗濯、料理など、家事全般に困難を感じることがあります。特に、計画性や段取りを立てることが苦手な場合、家事が滞りがちになり、生活環境が悪化する可能性があります。
- 健康管理: 服薬管理、通院、体調管理など、健康に関する自己管理が難しい場合があります。体調の変化に気づきにくかったり、受診をためらったりすることもあります。
- 対人関係: 近隣住民とのコミュニケーション、友人関係の維持など、対人関係でトラブルが生じやすいことがあります。コミュニケーションの誤解や、人間関係の構築が苦手な場合、孤立してしまうこともあります。
- 情報収集と手続き: 行政手続き、公共料金の支払い、情報収集など、社会生活に必要な手続きが煩雑に感じられ、対応が遅れることがあります。
- 時間管理: 時間感覚が掴みにくく、遅刻や約束を破ってしまうことがあります。
3. 必要な支援と利用できる制度
一人暮らしを続けるためには、適切な支援と制度の活用が不可欠です。以下に、利用できる支援と制度をいくつか紹介します。
- 福祉サービス:
- 障害福祉サービス: 障害者総合支援法に基づくサービスです。居宅介護(ホームヘルプ)、家事援助、金銭管理支援、相談支援など、様々なサービスが利用できます。お住まいの市区町村の障害福祉窓口に相談し、必要なサービスを申請しましょう。
- 地域活動支援センター: 創作活動や交流の場を提供し、生活能力の維持・向上を支援します。
- 医療機関との連携: 精神科医や、精神保健福祉士などの専門家との連携は重要です。定期的な通院やカウンセリングを通じて、適切な治療やアドバイスを受けましょう。
- 相談窓口:
- 精神保健福祉センター: 精神保健に関する相談や、情報提供を行っています。
- 地域包括支援センター: 高齢者向けの相談窓口ですが、障害者の方も利用できる場合があります。
- 就労移行支援事業所: 就労に関する相談や、訓練を受けることができます。
- 金銭管理支援:
- 社会福祉協議会: 金銭管理に関する相談や、支援を受けることができます。
- 成年後見制度: 判断能力が低下した場合に、財産管理や身上監護をサポートする制度です。
- 住居支援:
- グループホーム: 共同生活を通じて、生活能力の向上や、人間関係の構築を支援します。
- シェアハウス: 他の入居者との交流を通じて、社会性を育むことができます。
4. キャリアアップと就労支援
就労に関する支援も、生活を安定させるためには重要です。以下に、キャリアアップと就労支援に関する情報をまとめます。
- 就労支援機関の活用:
- 就労移行支援事業所: 就職に向けた訓練や、求職活動のサポート、職場定着支援などを行います。
- 就労継続支援A型・B型事業所: 障害のある方が、働く場を提供し、就労に必要な知識や能力を身につけるための訓練を行います。
- 障害者就業・生活支援センター: 就労と生活の両面から、総合的な支援を行います。
- 自己分析とキャリアプラン:
- 強みと弱みの把握: 自分の得意なこと、苦手なことを理解し、自己理解を深めましょう。
- 興味のある仕事の探索: 自分の興味や関心のある分野を探求し、どのような仕事が自分に合っているのかを考えましょう。
- キャリアプランの作成: 将来の目標を設定し、それに向けてどのようなステップを踏むのか、具体的な計画を立てましょう。
- 求職活動:
- 求人情報の収集: 障害者向けの求人情報や、一般の求人情報を収集しましょう。
- 履歴書・職務経歴書の作成: 自分の強みや経験をアピールできる、効果的な履歴書や職務経歴書を作成しましょう。
- 面接対策: 面接で自己PRや、志望動機を効果的に伝えるための練習をしましょう。
- 職場定着支援:
- 職場でのコミュニケーション: 上司や同僚とのコミュニケーションを円滑にするためのスキルを身につけましょう。
- 困ったときの相談: 職場での悩みや困りごとは、一人で抱え込まず、上司や同僚、支援機関に相談しましょう。
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5. 成功事例から学ぶ
実際に、発達障害や精神障害をお持ちの方が、一人暮らしをしながら、就労やキャリアアップを実現している事例は数多くあります。以下に、成功事例をいくつか紹介します。
- Aさんの場合: 自閉スペクトラム症のAさんは、就労移行支援事業所を利用し、自分の強みである集中力を活かせる事務職に就職しました。金銭管理は、社会福祉協議会の支援を受け、安定した生活を送っています。
- Bさんの場合: 双極性障害のBさんは、服薬管理や、体調管理に苦労していましたが、主治医や精神保健福祉士との連携を密にし、定期的なカウンセリングを受けることで、症状をコントロールできるようになりました。現在は、障害者雇用枠で、自分のペースで働いています。
- Cさんの場合: 注意欠陥・多動性障害(ADHD)のCさんは、時間管理が苦手でしたが、タイムタイマーや、スマートフォンアプリを活用することで、タスク管理能力を向上させました。現在は、IT企業でプログラマーとして活躍しています。
これらの成功事例から、以下の点が重要であることがわかります。
- 自己理解: 自分の障害特性を理解し、強みと弱みを把握すること。
- 適切な支援の活用: 専門家や、福祉サービス、就労支援機関などのサポートを積極的に利用すること。
- 自己管理能力の向上: 服薬管理、体調管理、金銭管理など、自己管理能力を高めること。
- 諦めない気持ち: 困難に直面しても、諦めずに、目標に向かって努力すること。
6. まとめ
発達障害や精神障害をお持ちの方が、一人暮らしをしながら、安定した生活を送るためには、周囲の理解と、適切な支援が不可欠です。周囲からは「生活能力がある」と見られやすいかもしれませんが、一人暮らしには、金銭管理、家事、健康管理など、様々な課題が伴います。しかし、適切な支援や制度を活用し、自己理解を深め、自己管理能力を高めることで、一人暮らしをしながら、就労やキャリアアップを実現することは可能です。
この記事が、一人暮らしをされている、またはこれから一人暮らしを始めようとしている、発達障害や精神障害をお持ちの方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。困難に立ち向かいながらも、自分らしい生活を送るために、一歩ずつ進んでいきましょう。