デイサービスにおける認知症患者の対応とケアマネジャーとの連携：病院受診をスムーズに進める方法

デイサービスで介護職をしている者です。私の勤めるデイサービスで、60代男性の認知症の利用者がいます。その方は、50代でに認知症を発症し（若年性認知症との診断を受けております）、現在まで数年間、私の勤めるデイサービスを利用してきました。この男性利用者は、数年前までは周りの人との会話もできる状態で、自分の身の周りのことは自分で行ってきました。しかし、ここ最近、症状が進行したのか、会話が出来なくなり、入浴もトイレも食事も職員の介助を要するレベルになってしまいました。デイサービス利用中は、気分が悪いと立ち上がってフラフラし、スタッフや周りの利用者の方に手を出す（脚や腕を強くつかむ等の行為）事が多くなりました。スタッフがほぼ付きっきりの状態となり、目が離せません。そこで、私どもスタッフ間で会議を行い、もう私の勤めるデイサービスでは利用できる状態ではない事を確認し、一度病院を受診する必要性があるのではないかと担当のケアマネに伝えました。しかし、そのケアマネは一向に動いてくれる様子がありません。「家族も忙しいから、なかなか会って話ができる機会が無いし、受診できる時間も無いようだ」と言い、状況が進展しません。いつ、その男性利用者が、他の利用者やスタッフに手を出すのではないかと、日々、戦々恐々としております。そこで質問になりますが…１．ケアマネが動いてくれる様子が無いようなら、地域包括支援センターに相談するのが一番であるのですが、包括のスタッフが家族に病院の受診を説得してもダメな場合、どうすればいいのでしょうか？２．病院受診の際は、必ず家族が同伴しなければならないものと聞いておりますが、家族がどうしても病院に同伴できないときは、誰かが家族を代理して受診に同伴することはできないものでしょうか？

ケーススタディ：60代男性認知症患者の対応と解決策

あなたは、デイサービスで働く介護職の方です。60代男性の認知症利用者の症状悪化に直面し、ケアマネジャーの対応に苦慮しています。このケースは、介護現場で頻繁に起こりうる問題であり、適切な対応が求められます。

この男性利用者の症状は、明らかに悪化しており、デイサービスでの継続的なケアが困難な状況となっています。徘徊や、他の利用者やスタッフへの暴力行為といったリスクも高まっています。このような状況下では、速やかな医療機関への受診が不可欠です。しかし、ケアマネジャーは家族の事情を理由に、受診を積極的に進めてくれません。

この状況を打開するために、まずは地域包括支援センターへの相談が有効です。ケアマネジャーが対応に難色を示す場合、地域包括支援センターは、多職種連携の観点から、より包括的な支援を提供することができます。

地域包括支援センターへの相談手順
1. センターに電話連絡し、状況を説明する。
2. 面談日時を調整し、利用者の状況を詳細に伝える。
3. センターの担当者と連携し、家族への働きかけや医療機関への紹介を依頼する。
4. 定期的に状況を報告し、連携を継続する。

しかし、地域包括支援センターのスタッフも家族を説得できないケースもあります。そのような場合は、医療機関への直接的な働きかけも検討する必要があります。

医療機関への直接的な働きかけ
1. 利用者の主治医またはかかりつけ医に連絡を取り、状況を説明する。
2. デイサービスでの状況を詳細に伝え、医療的な介入の必要性を訴える。
3. 必要であれば、デイサービスの医師や看護師に同行してもらう。
4. 緊急性が高い場合は、救急医療機関への搬送も検討する。

次に、家族が同伴できない場合の病院受診についてです。原則として家族の同伴が望ましいですが、どうしても不可能な場合は、成年後見人や信頼できる友人・知人に同伴を依頼することも可能です。ただし、事前に医療機関に相談し、承諾を得る必要があります。

家族同伴が困難な場合の対応
1. 医療機関に状況を説明し、同伴者の選定について相談する。
2. 成年後見人の選任を検討する（必要に応じて弁護士に相談）。
3. 信頼できる友人・知人に同伴を依頼し、医療機関の承諾を得る。
4. 同伴者には、利用者の病状や必要な情報を事前に伝える。

専門家の視点：多職種連携の重要性

このケースは、介護職、ケアマネジャー、地域包括支援センター、医療機関など、複数の専門職による連携が不可欠です。それぞれの専門性を活かし、協力することで、利用者にとって最善のケアを提供できます。

特に、ケアマネジャーとの連携は重要です。ケアマネジャーは、利用者の状況を把握し、必要なサービスを調整する役割を担っています。しかし、今回のケースのように、ケアマネジャーが適切な対応を取らない場合は、積極的に他の機関に相談する必要があります。

成功事例：地域包括支援センターを活用したスムーズな病院受診

以前、当施設では、同様のケースがありました。認知症の利用者の症状が悪化し、家族も対応に苦慮していました。ケアマネジャーだけでは解決策が見つからず、地域包括支援センターに相談したところ、センターの担当者が積極的に家族と話し合い、病院受診を促すことができました。その結果、利用者は適切な治療を受け、症状の悪化を防ぐことができました。

具体的なアドバイス：スムーズな病院受診のためのチェックリスト

病院受診をスムーズに進めるためのチェックリスト
□ 利用者の現在の状態を詳細に記録する。
□ ケアマネジャーに状況を伝え、医療機関への受診を依頼する。
□ ケアマネジャーが対応しない場合は、地域包括支援センターに相談する。
□ 家族が同伴できない場合は、成年後見人または信頼できる人に同伴を依頼する。
□ 医療機関に事前に連絡し、状況を説明する。
□ 利用者の病状や必要な情報を同伴者に伝える。
□ 受診後、状況を記録し、ケアマネジャーと共有する。

まとめ

デイサービスにおける認知症患者の対応は、多職種連携が不可欠です。ケアマネジャーとの連携がうまくいかない場合は、地域包括支援センターや医療機関に相談し、積極的に問題解決に取り組むことが重要です。家族の事情で病院受診が困難な場合でも、成年後見人や信頼できる友人・知人に同伴を依頼するなど、代替策を検討することで、利用者の安全と福祉を確保することができます。

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