認知症の母を介護する父の苦悩：夫婦の絆と介護の現実
認知症の母を介護する父の苦悩：夫婦の絆と介護の現実
この記事では、認知症の母親を介護する父親の心情に焦点を当て、夫婦関係、介護、そして心のケアについて掘り下げていきます。長年の不仲、認知症の発症、そして介護を通して変化していく感情。これらの複雑な要素が絡み合い、介護者である父親が抱える苦悩を理解し、具体的なアドバイスを提供します。この記事を読むことで、介護における心のケアの重要性を理解し、ご自身の状況に役立てることができるでしょう。
認知症についての質問です。
母は現在88歳。父は84歳です。
私は結婚したことがなく「夫婦」というものの感情のあり方を知りませんが、私が物心がついた頃から不仲で、ほぼ1年365日ケンカをしていて物が壊れるようなケンカも度々でした。そんな夫婦仲から母はうつ病になり25年ほど通院加療しておりましたが一向に良くはなりませんでした。
私たち家族もまだうつ病という病気があまり一般的でなく理解が全然出来ていない状態で母1人で苦しんでいたような状況でした。
20年くらい前でしたか、父はそんな母を疎ましく思ったようで家庭内で一階に母、二階に父という感じで別居状態としてしまいました。
そんな状態が母のうつ病に良い理由もなく拍車を掛けました。
しかしこの状況が父と母の不仲に更に悪影響を与え、父は母と関わるのを極端に避けて1人で旅行に出掛けたりしていました。
母は12、13年くらい前から物忘れ酷くなり自分で仕舞った物の場所が判らなくなることが度々発生するようになりました。それでも加齢性の物忘れくらいに私たち家族は思っていました。
そんな中、父がまた母とは酷く不仲だった父方の祖母を急に引き取り同居させました。これが母の認知症へのファーストステップだったと思います。母は一気に精神のコントロールを失っていきました。
そうこうしているうちに、母は10年ほど前から同じようなことばかり言うようになり、やがて同じ事(父との嫌な思い出)を思い出しては怒り泣き喚くようになりました。母は、そのような症状が出る前まで長くうつ病を患っており、その関係で情緒不安定になることがしばしばあり、高齢になりその傾向に更に拍車が掛かったのかなくらいに思っておりました。
ところが8年ほど前だったでしょうか、母が心療内科から貰っていた睡眠薬を大量に飲み自殺を図りました。昏睡状態に陥っている母を父が見つけ救急搬送し一命を取り止めました。ですがその時担ぎ込まれた病院で色々検査を受けたところ脳の萎縮が見つかり、父への聞き取りも踏まえてアルツハイマー型認知症であると診断されました。
母はその後もう一度同じ方法で自殺を図り、また救急搬送されました。
この2度の自殺未遂が恐らく母の脳にも影響を与え、認知症の進行を速めてしまったようです。
その後1年くらいで自分の家を忘れ、父のことも忘れてしまいました。
ここでようやくと言うか仕方なくと言うか、父は同居していた祖母を近隣の老健施設へ入居させました。
そのため、夜になると自分の家に帰るんだと言い家からこっそり出てしまうようになり、また父のことを勝手に家に上がり込んでいる不審者だと思い込み、警察に通報して離れて住んでいる私の家にも警察から何度か対応するよう依頼する電話がありました。警察は原則民事不介入ですから何ともしようがなかったようです。
そんな中、母が夜10時くらいにこっそり家を出て、車に跳ねられて病院に運ばれたと父から電話がありました。一先ず私は翌朝会社に事情を説明して実家へと帰りました。
母は右大腿骨を骨折しており人工骨頭にする手術を受けました。これにより歩行困難になり、現在に至るまでほぼほぼ寝たきりの生活です。
ここまできてようやく父も自分のしてきたことをやや反省したようで、母の入院生活や退院後の介護の世話を積極的にするようになりました。
現在、父は84歳になりますが母の介護を頑張っています。ただ、うつ病同様認知症への理解があまり出来ず、分かり易い本やDVDを読ませたり見せたりしているのですが今一つ納得できないようです。
父は自分が一番最初に母に忘れられてしまったことが納得いかないようで悩んでいるようです。私は認知症の勉強をして連れ合いや身近な家族を忘れてしまうことは良くあることだ知っていますし、父に説明もしています。
そこで質問なのですが、父はあんなに母に冷たい仕打ちをしていたにも関わらず、自分が一番最初に忘れられてしまったことがショックなようですが、夫婦というものはそういうものなんでしょうか？
ここまで書いてきて、父だけでなく私も母に随分冷たい態度をとっていたなと改めて気付かされました。
はじめに
ご相談ありがとうございます。お父様が認知症の母親を介護する中で、ご自身が最初に忘れられてしまったことにショックを受けているというお気持ち、大変お察しいたします。長年の夫婦関係、うつ病、認知症という複雑な状況の中で、ご家族皆様が様々な感情を抱えていることと思います。今回の記事では、この問題について、夫婦関係、認知症、そして介護という視点から、具体的なアドバイスをさせていただきます。介護に関する知識を深め、心の負担を軽減するためにお役立てください。
1. 夫婦関係と認知症
1-1. 長年の不仲と認知症
ご両親の長年の不仲は、お母様のうつ病を悪化させ、最終的には認知症の発症と進行に影響を与えた可能性があります。長期間にわたる精神的なストレスは、脳の健康にも悪影響を及ぼすことが知られています。認知症は、記憶障害だけでなく、人格や行動の変化も伴うため、ご家族にとっては非常に辛い状況です。
1-2. 認知症による記憶の変化
認知症は、記憶を失う病気です。特にアルツハイマー型認知症の場合、新しい記憶から失われ始め、徐々に古い記憶も失われていきます。お父様が最初に忘れられてしまったことは、認知症の進行による自然な現象であり、ご本人のこれまでの行動とは直接的な関係はありません。しかし、長年の夫婦関係、特に不仲であった場合、忘れられることに対するショックは、より大きくなる可能性があります。
2. 介護者の心のケア
2-1. 介護者の感情の理解
お父様が「自分が一番最初に忘れられた」ことにショックを受けているのは、当然のことです。長年連れ添った夫婦であり、たとえ不仲であったとしても、そこには様々な感情が入り混じっています。後悔、罪悪感、寂しさ、そして喪失感。これらの感情が複雑に絡み合い、お父様の心を苦しめていると考えられます。介護者は、身体的な負担だけでなく、精神的な負担も非常に大きいため、心のケアが不可欠です。
2-2. 介護者のための具体的なアドバイス
- 感情を表現する場を持つ: 誰かに話を聞いてもらうだけでも、心の負担は軽減されます。家族、友人、専門家など、信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。
- 休息を取る: 介護は体力と精神力を消耗します。定期的に休息を取り、自分の時間を確保しましょう。
- 専門家のサポートを受ける: 介護に関する知識や技術を学ぶだけでなく、精神的なサポートも受けましょう。
- 認知症に関する正しい知識を学ぶ: 認知症の症状や進行について理解を深めることで、不安を軽減し、適切な対応ができるようになります。
3. 認知症の理解を深める
3-1. 認知症の症状と進行
認知症は、様々な原因によって引き起こされる脳の病気の総称です。アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症など、様々な種類があります。それぞれの認知症によって、症状や進行の仕方が異なります。認知症の進行は、記憶障害だけでなく、見当識障害、理解力や判断力の低下、人格や行動の変化など、多岐にわたります。認知症の理解を深めるためには、専門家による診断と、適切な情報収集が不可欠です。
3-2. 認知症に関する情報源
- 専門医の診察: 認知症の診断と治療は、専門医が行います。
- 認知症に関する書籍やウェブサイト: 認知症に関する正しい知識を得るために、信頼できる情報源を活用しましょう。
- 介護保険サービス: 介護保険サービスを利用することで、介護に関する様々なサポートを受けることができます。
- 地域の相談窓口: 各自治体には、介護に関する相談窓口があります。
4. 夫婦の絆と介護
4-1. 夫婦の絆の再構築
長年の不仲があったとしても、夫婦の絆は簡単には消えるものではありません。認知症の進行によって、お母様が過去の記憶を失い、お父様への態度も変化する可能性があります。介護を通して、お父様がこれまでの後悔や罪悪感を乗り越え、お母様との新たな関係性を築くことも可能です。介護は、夫婦の絆を再確認し、深める機会にもなり得ます。
4-2. 介護を通しての変化
介護を通して、お父様は、お母様に対する愛情や感謝の気持ちを再認識するかもしれません。また、これまでの自分の行動を反省し、後悔の念を抱くかもしれません。介護は、介護者自身の価値観や人生観にも影響を与えることがあります。介護を通して、お父様が成長し、より豊かな人生を送ることができるよう、ご家族で支え合っていくことが大切です。
5. 家族としてのサポート
5-1. 家族間のコミュニケーション
ご家族が協力し、お父様の心のケアをサポートすることが重要です。お父様の気持ちを理解し、共感し、励ますことで、心の負担を軽減することができます。定期的に話し合いの場を持ち、お互いの気持ちを伝え合うことが大切です。家族間のコミュニケーションを密にすることで、介護の負担を分担し、支え合うことができます。
5-2. 介護に関する情報共有
介護に関する情報を共有し、一緒に学ぶことで、介護の質を向上させることができます。認知症に関する知識や介護技術を学び、お互いに教え合うことで、介護に対する不安を軽減し、自信を持って介護に取り組むことができます。また、介護保険サービスや地域のサポートについても情報共有し、積極的に活用しましょう。
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6. 専門家への相談
6-1. 専門家への相談のメリット
介護に関する悩みや不安は、一人で抱え込まずに、専門家に相談することも大切です。専門家は、介護に関する知識や経験が豊富であり、具体的なアドバイスやサポートを提供してくれます。また、第三者の視点から、客観的なアドバイスを受けることで、問題解決の糸口を見つけることができます。
6-2. 相談できる専門家
- 医師: 認知症の診断や治療に関する相談ができます。
- ケアマネージャー: 介護保険サービスに関する相談や、ケアプランの作成を依頼できます。
- 精神科医・カウンセラー: 介護者の心のケアに関する相談ができます。
- 介護施設相談員: 介護施設の入居に関する相談ができます。
7. まとめ
今回の記事では、認知症の母親を介護する父親の苦悩について、夫婦関係、介護、そして心のケアという視点から解説しました。長年の不仲、認知症の発症、そして介護を通して変化していく感情。これらの複雑な要素が絡み合い、介護者である父親が抱える苦悩を理解し、具体的なアドバイスを提供しました。介護は、ご家族にとって大変な負担となりますが、正しい知識とサポートがあれば、乗り越えることができます。ご家族が協力し、お互いを支え合いながら、より良い介護生活を送れることを願っています。
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