要介護度が軽いと施設利用料で損？得？転職コンサルタントが解説
要介護度が軽いと施設利用料で損？得？転職コンサルタントが解説
ご相談ありがとうございます。今回は、介護施設の利用に関する費用と、要介護度の関係性についてですね。ご自身の親御さんの今後の生活を考え、様々な情報を収集されている中で、疑問に思われる点があるかと思います。この記事では、介護保険制度の仕組みを踏まえつつ、具体的なケーススタディを交えながら、費用面での損得について、わかりやすく解説していきます。
要介護度が軽い方が施設利用料などの面で損ですか？得ですか？
老健入所中の父(要介護3)がリハビリで車椅子から杖で自力歩行可能になりました。
老健はいつまでも居られないので、次の施設を探さねばなりません。
最初は介護付き有料老人ホームで探していましたが、外出が自由でない事を理由に父が嫌がりました。
外出自由だとサービス付き高齢者住宅ですが、要介護2までしか受け入れてくれない施設が多いです。
要介護3以上でも受け入れてくれる施設はありますが、父の年金の範囲内では賄えない所ばかりです。
介護付き有料老人ホームだと要介護度が重い人から優先的に入所できると聞きました。いろいろな施設検索サイトを見ていると、サービス付き高齢者住宅の場合、要介護度が重い人は嫌がられるようですね。そして要介護度が軽い人の方が月々の在宅介護サービスにおける介護保険自己負担額が少なくて済みます。
そこで、父が入所中の老健に自力歩行できるようになったし要介護2になりませんか？とダメ元で聞いてみたいのですが、要介護2になったら結果的に損ですか？得ですか？
結論：一概には言えない！状況に応じた最適な選択を
結論から申し上げますと、要介護度が軽くなることが「損」か「得」かは、一概には言えません。なぜなら、介護保険制度、施設のタイプ、ご本人の希望、経済状況など、様々な要素が複雑に絡み合っているからです。しかし、それぞれの要素を理解し、ご自身の状況に照らし合わせて検討することで、より納得のいく選択をすることができます。
今回の相談者様のケースでは、老健に入所中のご家族がリハビリによって自力歩行が可能になり、要介護度の変更を検討しているとのことです。これは、今後の生活の選択肢を広げる可能性を秘めています。そこで、この記事では、以下の3つのポイントに焦点を当てて解説します。
- 介護保険制度と自己負担額の関係： 要介護度が変わると、介護保険の利用限度額や自己負担額がどのように変化するのかを解説します。
- 施設の種類と費用： 介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅など、様々な施設の費用体系と、要介護度との関係性を比較検討します。
- 具体的なケーススタディ： 相談者様の状況に合わせた、具体的な選択肢と、それぞれのメリット・デメリットを提示します。
1. 介護保険制度と自己負担額の関係
まず、介護保険制度の基本的な仕組みと、自己負担額について理解しておきましょう。介護保険は、40歳以上の方が加入し、介護が必要になった場合に、介護サービスを利用するための費用を支援する制度です。介護保険サービスを利用する際には、原則として費用の1割～3割を自己負担することになります。この自己負担割合は、所得に応じて決定されます。
要介護度は、介護の必要度合いを示すもので、要支援1～2、要介護1～5の7段階に分かれています。要介護度が重くなるほど、利用できる介護サービスの量が増え、介護保険の利用限度額も高くなります。しかし、自己負担額も増える可能性があるため、一概に「要介護度が重い方がお得」とは言えません。
以下に、介護保険の利用限度額と自己負担額の関係を簡単にまとめます。
| 要介護度 | 利用限度額（月額） | 自己負担割合 |
|---|---|---|
| 要支援1 | 約5,000円 | 1割～3割 |
| 要支援2 | 約10,000円 | 1割～3割 |
| 要介護1 | 約16,000円 | 1割～3割 |
| 要介護2 | 約20,000円 | 1割～3割 |
| 要介護3 | 約30,000円 | 1割～3割 |
| 要介護4 | 約35,000円 | 1割～3割 |
| 要介護5 | 約40,000円 | 1割～3割 |
上記の表はあくまで目安であり、実際の自己負担額は、利用するサービスの種類や、所得によって大きく異なります。また、高額介護サービス費制度を利用することで、自己負担額が一定額を超えた場合に、払い戻しを受けることも可能です。
2. 施設の種類と費用
次に、介護施設のタイプと、それぞれの費用体系について見ていきましょう。主な介護施設としては、以下のものがあります。
- 介護付き有料老人ホーム： 24時間体制で介護サービスを提供し、食事や入浴などの生活支援も行います。要介護度が高い方でも入居できますが、費用は高額になる傾向があります。
- サービス付き高齢者住宅： 比較的自立した高齢者を対象としており、生活相談や安否確認などのサービスを提供します。介護が必要な場合は、外部の介護サービスを利用することになります。
- 特別養護老人ホーム（特養）： 介護保険制度上の施設で、原則として要介護3以上の方が入居できます。費用は比較的安価ですが、入居待機期間が長い場合があります。
- グループホーム： 認知症の方を対象とした施設で、少人数で共同生活を送ります。
それぞれの施設の費用は、以下の要素によって決まります。
- 月額利用料： 家賃、管理費、食費、介護サービス費などが含まれます。
- 初期費用： 入居一時金などが必要な場合があります。
- その他の費用： 医療費、おむつ代、理美容代など、個別のサービスにかかる費用です。
一般的に、介護付き有料老人ホームは費用が高く、特養は比較的安価です。サービス付き高齢者住宅は、介護サービスを外部利用するため、介護度によって費用が大きく変動します。要介護度が軽い場合は、サービス付き高齢者住宅の方が費用を抑えられる可能性がありますが、介護度が重くなると、介護サービス費が加算され、費用が高くなることもあります。
3. 具体的なケーススタディ
相談者様のケースに沿って、具体的な選択肢と、それぞれのメリット・デメリットを検討してみましょう。
相談者様の状況：
- 老健に入所中の父親（要介護3）が、リハビリによって自力歩行が可能になった。
- 外出の自由を希望している。
- 介護付き有料老人ホームは、外出の自由がないため、父親が嫌がっている。
- サービス付き高齢者住宅は、要介護2までしか受け入れていない施設が多い。
- 要介護3以上でも受け入れてくれる施設はあるが、費用が高い。
選択肢1：要介護2への変更を試みる
老健に相談し、要介護2への変更を試みることは、一つの選択肢です。もし要介護度が軽くなれば、サービス付き高齢者住宅への入居が可能になるかもしれません。しかし、以下の点に注意が必要です。
- メリット：
- 外出の自由を確保できる可能性が高まる。
- サービス付き高齢者住宅に入居できれば、費用を抑えられる可能性がある。
- デメリット：
- 要介護度が軽くなることで、利用できる介護サービスの量が減り、自己負担が増える可能性がある。
- サービス付き高齢者住宅の費用が、必ずしも安くなるとは限らない。
選択肢2：要介護3以上でも入居可能なサービス付き高齢者住宅を検討する
要介護3以上でも入居可能なサービス付き高齢者住宅を探すこともできます。費用は高くなる可能性がありますが、外出の自由を確保しつつ、必要な介護サービスを受けることができます。
- メリット：
- 外出の自由を確保できる。
- 必要な介護サービスを受けられる。
- デメリット：
- 費用が高額になる可能性がある。
選択肢3：介護付き有料老人ホームを再検討する
父親が外出の自由を嫌がっているとのことですが、介護付き有料老人ホームの中には、外出を積極的に支援している施設もあります。また、入居一時金や月額利用料など、施設の費用体系も様々ですので、改めて検討してみる価値はあります。
- メリット：
- 24時間体制で介護サービスを受けられる。
- 医療体制が整っている施設もある。
- デメリット：
- 外出の自由が制限される可能性がある。
- 費用が高額になる傾向がある。
選択肢4：特養への入居を検討する
特養は、費用を抑えられるというメリットがありますが、入居待機期間が長いというデメリットがあります。しかし、他の選択肢と比較検討し、特養も視野に入れることで、より幅広い選択肢の中から、最適な施設を選ぶことができます。
- メリット：
- 費用が比較的安価。
- デメリット：
- 入居待機期間が長い可能性がある。
- 外出の自由が制限される場合がある。
最適な選択肢を見つけるために
上記の選択肢の中から、最適なものを選ぶためには、以下の点を考慮する必要があります。
- 父親の希望： 父親が何を重視しているのか（外出の自由、費用、サービスの質など）を明確にする。
- 経済状況： 予算の上限を決め、費用を比較検討する。
- 介護の必要度： 現在の介護度だけでなく、今後の介護の必要度合いを予測する。
- 施設の比較検討： 複数の施設を見学し、施設の雰囲気、サービス内容、費用などを比較検討する。
これらの要素を総合的に考慮し、父親とよく話し合いながら、最適な選択肢を見つけてください。
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4. まとめ：情報収集と、専門家への相談を
今回は、介護施設の利用に関する費用と、要介護度の関係性について解説しました。要介護度が軽くなることが、必ずしも「得」とは限りません。介護保険制度、施設のタイプ、ご本人の希望、経済状況など、様々な要素を考慮し、最適な選択肢を見つけることが重要です。
今回の相談者様のケースでは、
- 父親の希望（外出の自由）を最優先に考える。
- 要介護2への変更を試みる、または、要介護3以上でも入居可能なサービス付き高齢者住宅を探す。
- 介護付き有料老人ホームを再検討する。
- 特養への入居も視野に入れる。
といった選択肢が考えられます。それぞれの選択肢について、メリット・デメリットを比較検討し、父親とよく話し合いながら、最適な施設を探しましょう。
介護施設の選択は、非常にデリケートな問題です。一人で悩まず、専門家への相談も検討しましょう。ケアマネージャー、社会福祉士、ファイナンシャルプランナーなど、様々な専門家がいます。専門家のアドバイスを受けることで、より客観的な視点から、最適な選択をすることができます。
最後に、今回の記事が、皆様の介護施設選びの一助となれば幸いです。
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