介護と仕事の両立：認知症の親との生活、自宅介護の限界と働き方の模索

この記事では、認知症の父親と母親の介護をしながら、仕事との両立に悩むあなたのための情報を提供します。特に、自宅介護の限界を感じ始めた時、どのように働き方を見直し、家族としての役割を果たしていくか、具体的なアドバイスと解決策を提示します。

アルツハイマーと認知症の父の介護について相談させてください。現在は、弟家族と両親の二世帯で暮らしています。介護の資格も持っている義妹が世話を主にやってくれています。このところ、便の失敗が多くなってきました。89歳です。トイレが間に合わないのか、下着だけでなく、便器から、トイレマットから、服まで便をつけてしまいます。変なプライドと自尊心があるので、本人の気持ちを考えると今後どうしたら良いか分かりません。母も認知症ですが、父よりはしっかりしていますが、母のケアマネージャーが来宅すると父が凄く嫌がります。私は長女で1時間半ほど離れた所に住んでいます。父はお金があるので、介護が自宅で出来なくなった場合、本人が何も分からなくなってしまった場合のみ、そういった施設に入る事は可能だと思うのですが、私が行くと母は料理をしなくなり、父と同じように寝てばかりいます。こんな事（トイレの失敗）や、歩行困難などになった場合、どこまで、自宅介護が出来るでしょうか？経験のある方など、いらしたら、どうぞ教えて下さい。家は新しいので、車椅子も中で使えます。母は、87歳です。両親とも、耳が凄く遠くなってしまいました。補足ですが、確かに今は、パンツみたいなリハビリパンツ手軽に使えそうですよね？！流せるウェットティッシュってあるのですか？トイレ用のお掃除シートは、10枚くらいしか入ってません。父が機嫌が悪くなるのは、男性だからでなく、もともと他人を信用しない人（昔から、友達いない）だからです。トイレに誘うのは、難しそうです。ご飯の時とかしか起きません。寝てる時間ばかりだからです。家の床は、フラットなので転ぶ事は今の所ありません。

ご相談ありがとうございます。認知症の父親と母親の介護をしながら、仕事との両立について悩んでいらっしゃるのですね。特に、父親の排泄に関する問題、母親の介護拒否、そして自宅介護の限界について、多くの不安を抱えていらっしゃるかと思います。この問題は、多くの介護者が直面するものであり、一人で抱え込まず、適切な情報とサポートを得ることが重要です。

1. 現状の整理と問題点の明確化

まず、現状を整理し、問題点を具体的に把握することから始めましょう。あなたの状況を詳細に分析し、具体的な課題を洗い出すことが、解決への第一歩となります。

父親の排泄問題：排泄の失敗は、認知症の進行や身体機能の低下が原因である可能性があります。本人のプライドを傷つけないように、どのように対応するかが課題です。
母親の介護拒否：ケアマネージャーの訪問を嫌がる父親の対応、そしてあなたが訪問すると母親が活動的にならなくなるという状況は、家族間の関係性や介護の負担に影響を与えています。
自宅介護の限界：排泄の問題、歩行困難、聴力の低下など、両親の身体機能の低下が進む中で、どこまで自宅介護が可能か、不安を感じていることでしょう。
働き方との両立：長女として、介護と仕事の両立は大きな負担です。時間的制約、精神的負担、そして経済的な問題など、様々な課題に直面しているはずです。

2. 介護保険サービスの活用

介護保険サービスを最大限に活用することで、自宅介護の負担を軽減し、質の高い介護を提供することが可能になります。具体的なサービス内容と、その活用方法について解説します。

訪問介護（ホームヘルプサービス）：排泄介助、入浴介助、食事介助など、日常生活のサポートを受けられます。専門のヘルパーが自宅を訪問し、必要なケアを提供します。排泄の失敗が多い父親に対して、適切な介助を行うことで、本人の尊厳を守りながら、介護者の負担を軽減できます。
デイサービス（通所介護）：日中の時間を、専門の施設で過ごすことができます。食事、入浴、レクリエーション、機能訓練など、様々なサービスが提供されます。父親が日中を施設で過ごすことで、介護者の負担を軽減し、母親との時間も確保できます。また、他の利用者との交流を通じて、社会的な刺激を受けることもできます。
ショートステイ（短期入所生活介護）：短期間、施設に入所することができます。介護者のレスパイト（休息）のために利用したり、緊急時の対応として利用したりできます。あなたが仕事でどうしても介護ができない場合や、体調を崩した時などに、一時的に介護を委ねることができます。
ケアマネージャーとの連携：ケアマネージャーは、介護に関する専門家であり、あなたと両親の状況に合わせた介護プランを作成し、サービスの手配を行います。定期的に相談し、状況の変化に合わせてプランを見直すことが重要です。
福祉用具の活用：排泄に関する問題に対しては、リハビリパンツや流せるウェットティッシュ、ポータブルトイレなどの福祉用具を活用することで、介護の負担を軽減できます。ケアマネージャーに相談し、適切な福祉用具を選びましょう。

3. コミュニケーションと家族間の協力

家族間のコミュニケーションを密にし、協力体制を築くことが、介護を円滑に進めるために不可欠です。特に、弟家族との連携は重要です。

情報共有：両親の状況や介護に関する情報を、家族間で共有しましょう。定期的に話し合いの場を設け、それぞれの役割分担や課題について話し合うことが重要です。
役割分担：義妹が中心となって介護をしているとのことですが、あなたの役割も明確にしましょう。例えば、定期的な訪問、必要な物の購入、役所への手続きなど、できる範囲で協力しましょう。
感謝の気持ちを伝える：義妹の献身的な介護に対して、感謝の気持ちを伝えましょう。感謝の言葉は、介護者のモチベーションを高め、良好な関係を築くために重要です。
専門家への相談：必要に応じて、専門家（医師、看護師、ソーシャルワーカーなど）に相談し、アドバイスを求めましょう。第三者の視点を取り入れることで、客観的な判断ができ、より良い解決策を見つけることができます。

4. 働き方の見直しと経済的な対策

介護と仕事の両立は、時間的、精神的、経済的な負担が大きいため、働き方を見直し、経済的な対策を講じる必要があります。

勤務時間の調整：会社に相談し、勤務時間を短縮したり、在宅勤務を許可してもらったりするなど、柔軟な働き方を検討しましょう。介護休暇や育児・介護休業制度も活用できます。
転職：現在の仕事が介護と両立しにくい場合は、介護に理解のある企業や、在宅勤務が可能な企業への転職も検討しましょう。介護に特化した求人情報サイトや、転職エージェントを活用することも有効です。
副業：本業に加えて、副業をすることで、収入を増やし、経済的な不安を軽減することができます。自分のスキルや経験を活かせる副業を探しましょう。
経済的な支援制度の活用：介護保険サービスを利用するための費用や、介護用品の購入費用など、経済的な負担を軽減するために、様々な支援制度があります。自治体の窓口や、ケアマネージャーに相談し、利用できる制度を確認しましょう。

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5. 精神的なケアとセルフケア

介護は、心身ともに大きな負担がかかります。自分自身の心と体を大切にし、セルフケアを怠らないようにしましょう。

休息：十分な睡眠を取り、休息を心がけましょう。疲労が蓄積すると、心身の健康を損ない、介護の質も低下してしまいます。
気分転換：趣味を楽しんだり、友人との交流をしたり、気分転換になる時間を作りましょう。リフレッシュすることで、ストレスを軽減し、前向きな気持ちを保つことができます。
相談：家族や友人、専門家など、信頼できる人に悩みを相談しましょう。一人で抱え込まず、誰かに話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなることがあります。
カウンセリング：必要に応じて、カウンセリングを受けましょう。専門家のアドバイスを受けることで、心の負担を軽減し、より良い対応ができるようになります。

6. 自宅介護の継続と施設入所の検討

自宅介護の継続が困難になった場合、施設入所も選択肢の一つです。両親の状況や、あなた自身の負担を考慮し、最適な選択をしましょう。

施設の種類：特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホームなど、様々な種類の施設があります。両親の状況や、希望するサービス内容に合わせて、適切な施設を選びましょう。
情報収集：施設の情報を収集し、見学に行きましょう。施設の雰囲気、サービス内容、スタッフの対応などを確認し、両親にとって最適な環境かどうかを判断しましょう。
家族との話し合い：両親や、家族とよく話し合い、施設入所について合意を得ましょう。本人の意思を尊重し、納得のいく選択をすることが重要です。
経済的な準備：施設入所には、費用がかかります。事前に、費用や支払い方法について確認し、経済的な準備をしておきましょう。

7. 具体的な対応策：排泄ケアとプライドへの配慮

父親の排泄に関する問題への具体的な対応策について、詳しく解説します。本人のプライドを傷つけないように、細心の注意を払いながら、適切なケアを行いましょう。

排泄習慣の改善：排泄のタイミングを把握し、定期的にトイレに誘うようにしましょう。食事の後や、起床後など、排泄しやすい時間帯にトイレに誘導することが効果的です。
リハビリパンツの活用：リハビリパンツを活用することで、排泄の失敗による衣服の汚損を防ぎ、介護者の負担を軽減できます。本人の抵抗がある場合は、デザイン性の高いものや、肌触りの良いものを選ぶなど、工夫しましょう。
トイレ環境の整備：トイレまでの移動をスムーズにするために、手すりを設置したり、夜間でも安全に移動できるように、照明を明るくしたりするなどの工夫をしましょう。
声かけの工夫：排泄を促す際には、優しく、穏やかな口調で声かけをしましょう。「トイレに行きましょうか？」ではなく、「そろそろトイレに行きませんか？」など、本人の自尊心を傷つけないような言葉を選びましょう。
清潔保持：排泄の失敗があった場合は、速やかに清拭し、清潔を保ちましょう。流せるウェットティッシュや、消臭スプレーなどを活用し、臭い対策も行いましょう。
専門家への相談：排泄に関する問題が改善しない場合は、医師や専門家（排泄ケアの専門家など）に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。

8. 母親への対応：介護拒否への理解と工夫

母親が介護を嫌がる場合、その背景には様々な要因が考えられます。母親の気持ちを理解し、適切な対応をすることで、介護への協力を得られる可能性があります。

原因の探求：母親が介護を嫌がる原因を探りましょう。過去のトラウマ、人間関係の問題、体調不良など、様々な要因が考えられます。
コミュニケーション：母親と積極的にコミュニケーションを取り、気持ちを理解しようと努めましょう。話を聞き、共感することで、信頼関係を築くことができます。
役割分担の見直し：あなたが訪問すると母親が寝てしまうとのことですので、義妹との役割分担を見直すことも検討しましょう。あなたが訪問する際には、母親が楽しめるような活動（散歩、趣味など）を企画するのも良いでしょう。
ケアマネージャーとの連携：ケアマネージャーと連携し、母親の状況に合わせた介護プランを作成しましょう。母親が嫌がることを無理強いするのではなく、本人の意思を尊重しながら、できる範囲で介護を進めることが重要です。
休息時間の確保：母親にも休息時間を与え、無理のない範囲で介護を行いましょう。

9. 在宅介護の限界と施設入所の選択

自宅介護の限界を感じ始めた場合、施設入所も選択肢の一つです。両親の状況や、あなた自身の負担を考慮し、最適な選択をしましょう。

自宅介護のメリット・デメリット：自宅介護のメリットは、家族との絆を深め、慣れ親しんだ環境で生活できることです。デメリットは、介護者の負担が大きく、専門的なケアが受けにくいことです。
施設入所のメリット・デメリット：施設入所のメリットは、専門的なケアを受けられ、介護者の負担が軽減されることです。デメリットは、費用がかかり、慣れない環境で生活することになる可能性があることです。
情報収集：様々な施設を比較検討し、両親に合った施設を探しましょう。
本人の意思確認：施設入所を検討する際には、必ず両親の意思を確認しましょう。
家族の協力：家族で話し合い、協力して両親を支えましょう。

10. まとめ：介護と仕事の両立を成功させるために

介護と仕事の両立は、多くの困難を伴いますが、適切な情報とサポートを得ることで、乗り越えることができます。介護保険サービスの活用、家族間の協力、働き方の見直し、セルフケアなど、様々な対策を講じながら、自分らしく、そして両親にとっても最善の選択をしていきましょう。

今回の相談内容を踏まえ、以下の点を改めて強調します。

現状の把握：まずは、ご自身の状況を客観的に把握し、問題点を明確にしましょう。
情報収集：介護に関する情報を積極的に収集し、知識を深めましょう。
専門家への相談：ケアマネージャーや医師など、専門家に相談し、アドバイスを受けましょう。
家族との連携：家族と協力し、介護の負担を分担しましょう。
働き方の見直し：仕事との両立のために、働き方を見直しましょう。
セルフケア：ご自身の心身の健康を大切にし、セルフケアを怠らないようにしましょう。

あなたは決して一人ではありません。多くの人が、あなたと同じように、介護と仕事の両立に悩み、そして乗り越えています。諦めずに、一つ一つ課題を解決し、あなたらしい介護の形を見つけてください。応援しています。

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