兄との同居、介護と仕事の両立…発達障害の可能性とどう向き合う？福祉職のあなたが抱える悩みと解決策
兄との同居、介護と仕事の両立…発達障害の可能性とどう向き合う？福祉職のあなたが抱える悩みと解決策
この記事では、発達障害の可能性がある兄との同居、介護、そして仕事の両立に悩む、福祉職のあなたへ向けて、具体的な解決策と心の持ち方について解説します。ご自身の経験と専門知識を活かしながら、どのようにこの困難な状況を乗り越え、より良い生活を送ることができるのか、一緒に考えていきましょう。
アスペルガーというか、自閉症スペクトラムの疑いのある兄と同居しています。本人は精神科に20年ぐらい通院していて、仕事は、パートですが、続いています。
これまでは、母親が身の回りの世話をしていたので、あまり困ることもなく、暮らしてこれたようですが、母が急逝したので、弟の私が母に変わって、実家に戻り、家事やご近所の付き合いその他担ってきました。兄は40代後半ですが、生活スキルや対人スキルは、中学生か小学校高学年ぐらいで止まっている感じです。
最初は、「そんなこともできないの！？」って感じでショックを受けながらも、できない所は補ってきましたが、だんだんと嫌気がさしてきて、最近は家に帰るのが苦痛になってきて、家事をする気にもなりません。
介護が必要な父親がいるので、それでも、最低限のことはしないといけないのですが。
兄の通っている病院のケースワーカーさんに相談しても、「就労できてるなら日常生活に支障はないから、今さら発達障害や自閉症スペクトラムの検査をする必要もない」と言われ、今どんな診断を受けているかも教えてくれません。処方されている薬と、本人の話から推測すると、軽度の不安障害のような感じです。
しかし、一緒に暮らしていると、もうちょっと深刻な、認知の偏りのようなものや、話の通じなさを感じるのです。風呂に1年ぐらい入ってなかったり、エアコンを使いすぎて、冬場の電気代が4万円もかかったり。スピリチュアルにも傾倒していて、困りごとがあると、魔女に魔法で解決してもらおうとしたり、神様に届かないメールを書いたりしているようです。
アスペルガーではないかというのは、保健所や、発達障害支援センターで相談した時に、複数の精神保健福祉士さんや臨床心理士さんの見立てによるものです。不安障害は、その二次障害ではないかとのこと。
治るものでもないし、兄に変わってもらおうとしても無理だということはわかってきたのですが、でも受け入れることがなかなかできません。せめて医師から、発達障害ないしは自閉症スペクトラムの診断を受けることができたなら、それで諦めて、受け入れていこうと思うのですが、間違っていますか？
今のままでは、どうしても、本人の努力や、認知の歪みを改善することで、克服できるんじゃないかと期待してしまい、尻を叩きたくなってしまいます。補足統合失調症については、何回も疑いました。私は福祉職なので、統合失調症のことも学んでいますし、患者さんに接したこともあるのですが、統合失調症のような独特の理解不能さみたいなものや、思考の混乱みたいなものは、それでも感じないのです。知的障害についても、少なくとも高校卒業までは、誰にも指摘されたことがないです。本人は不安以外の病識はないようだし、困っていないから、医師にも伝えようとしません。
はじめに：現状の整理とあなたの心情
ご相談ありがとうございます。お兄様との同居、介護、そして仕事の両立という、非常に多岐にわたる困難な状況に、心身ともに疲弊されていることと思います。特に、ご自身の専門知識があるからこそ、状況の複雑さや、解決の難しさを痛感されているのではないでしょうか。まずは、この状況を整理し、一つ一つ紐解いていくことで、少しでもあなたの心が軽くなるよう、一緒に考えていきましょう。
まず、現状を客観的に見てみましょう。お兄様は、長年精神科に通院し、パートとして就労されています。しかし、生活スキルや対人スキルにおいて、年齢相応の発達が見られず、ご家族であるあなたに大きな負担がかかっている状況です。さらに、お母様の急逝により、あなたが介護と家事の責任を負うことになり、その負担は増大しています。専門家であるあなたが、お兄様の状況を「発達障害」の可能性として捉え、その診断を求めているにも関わらず、医療機関からの適切なサポートが得られていないことも、大きなストレスになっていることでしょう。
そして、何よりも、あなたの心が苦しんでいるのは、お兄様の状況を受け入れられないという葛藤です。「治らない」と分かっていながらも、改善を期待してしまう。それは、お兄様への愛情と、これまでの関係性からくる当然の感情です。しかし、その期待が叶わない現実に直面し、自己嫌悪に陥ってしまう。この負のループから抜け出すために、具体的な解決策と、心の持ち方を一緒に考えていきましょう。
ステップ1：現状の正確な把握と情報収集
まずは、現状を正確に把握することから始めましょう。そのためには、以下の3つのステップを踏むことが重要です。
- お兄様の状況を客観的に記録する
具体的な困りごとや、困りごとが起きた状況を記録することで、問題の全体像を把握しやすくなります。例えば、「電気代が高額になる」という問題に対して、具体的な使用状況や、お兄様の行動を記録することで、原因を特定し、対策を立てることができます。記録は、日々の出来事をメモするだけでも構いませんし、可能であれば、専門機関に相談する際に役立つ情報となります。
- 専門家への相談と情報収集
お兄様の主治医や、ケースワーカーとの連携を強化しましょう。現在の診断内容や、今後の治療方針について、詳しく説明を求めることができます。また、発達障害支援センターや、精神保健福祉センターなどの専門機関に相談し、アドバイスを求めることも有効です。専門家からの客観的な意見を聞くことで、現状をより正確に把握し、適切な対応策を見つけることができます。
- 利用できる社会資源の確認
障害福祉サービスや、地域包括支援センターなど、利用できる社会資源を確認しましょう。これらのサービスを利用することで、介護負担の軽減や、お兄様の自立支援につながる可能性があります。例えば、訪問介護や、デイサービスなどの利用を検討することができます。また、障害者手帳の申請についても、検討してみましょう。手帳を取得することで、様々な福祉サービスを利用できるようになります。
ステップ2：お兄様とのコミュニケーションと接し方
現状を把握した上で、お兄様とのコミュニケーションと接し方を見直すことが重要です。以下に、具体的なアドバイスを提示します。
- 具体的な指示と分かりやすい説明
お兄様は、抽象的な指示や、複雑な説明を理解することが難しい可能性があります。そのため、具体的な指示と、分かりやすい説明を心がけましょう。例えば、「お風呂に入りなさい」ではなく、「今日は〇日の〇時に、お風呂に入ってください。シャンプーと石鹸を使って、体を洗ってください」のように、具体的な行動と手順を明確に伝えることが重要です。また、視覚的な情報（写真やイラストなど）を活用することも有効です。
- 感情的な反応を避ける
お兄様の行動に対して、感情的に反応することは避けましょう。怒りや苛立ちを感じたとしても、冷静に、落ち着いて対応することが重要です。感情的な反応は、お兄様の混乱を招き、状況を悪化させる可能性があります。深呼吸をして、冷静さを保ち、具体的な指示や説明を繰り返すようにしましょう。
- できたことを褒める
お兄様が、何かできたときには、具体的に褒めてあげましょう。褒めることで、自己肯定感を高め、意欲を向上させることができます。例えば、「お皿を洗ってくれてありがとう。とても助かるよ」のように、具体的な行動に対して感謝の気持ちを伝えることが重要です。また、小さなことでも、できたことを褒めることで、自信をつけさせることができます。
- 本人のペースに合わせる
お兄様のペースに合わせて、焦らずに接しましょう。すぐに結果を求めず、長期的な視点で、見守ることが重要です。お兄様が、新しいことを学ぶには、時間がかかるかもしれません。辛抱強く、サポートし続けることが大切です。
ステップ3：あなたの心のケアと休息
お兄様のケアに加えて、あなたの心のケアも非常に重要です。一人で抱え込まず、周囲のサポートを積極的に活用し、休息を取るようにしましょう。
- 専門家への相談
精神科医や、カウンセラーなどの専門家に相談し、心の状態を把握し、適切なアドバイスを受けましょう。専門家は、あなたの抱える悩みや、葛藤を理解し、具体的な解決策を提案してくれます。また、定期的に相談することで、心の負担を軽減し、精神的な安定を保つことができます。
- 家族や友人との交流
家族や友人との交流を通じて、孤独感を解消し、心の支えを得ましょう。悩みを打ち明け、共感してもらうだけでも、心が軽くなることがあります。また、楽しい時間を過ごすことで、気分転換になり、ストレスを解消することができます。
- 休息とリフレッシュ
十分な休息を取り、心身をリフレッシュさせましょう。睡眠不足は、心身の不調を引き起こし、状況を悪化させる可能性があります。質の高い睡眠を確保し、休息時間には、趣味や好きなことをして、気分転換を図りましょう。また、定期的に休暇を取り、旅行に出かけることも有効です。
- 自助グループの活用
同じような問題を抱える人たちが集まる自助グループに参加し、情報交換や、悩みを共有しましょう。自助グループでは、経験者からのアドバイスや、共感を得ることができ、孤独感を軽減することができます。また、様々な情報交換をすることで、新たな解決策を見つけることができるかもしれません。
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ステップ4：長期的な視点と目標設定
目の前の問題に対処しながら、長期的な視点を持って、目標を設定することも重要です。以下に、具体的なアドバイスを提示します。
- 現実的な目標設定
無理のない、現実的な目標を設定しましょう。例えば、「お兄様が、毎日決まった時間に、薬を飲むことができるようになる」など、具体的な行動目標を設定することが重要です。目標を達成することで、達成感を得ることができ、モチベーションを維持することができます。また、目標は、定期的に見直し、必要に応じて修正しましょう。
- 自己肯定感を高める
自己肯定感を高めるために、自分の良いところを認め、褒めるようにしましょう。あなたは、介護と仕事の両立という、非常に困難な状況に直面しながらも、懸命に努力しています。その努力を、自分自身で認め、褒めてあげましょう。また、小さな成功体験を積み重ねることで、自己肯定感を高めることができます。
- 柔軟な対応
状況は常に変化します。そのため、柔軟な対応を心がけましょう。計画通りに進まないこともありますが、落ち込まずに、状況に合わせて、対応策を修正することが重要です。また、周囲のサポートを積極的に活用し、一人で抱え込まないようにしましょう。
- 将来のビジョンを描く
将来のビジョンを描き、目標に向かって進んでいくことで、モチベーションを維持することができます。例えば、「お兄様が、安心して生活できる環境を整える」など、具体的なビジョンを描きましょう。ビジョンを明確にすることで、日々の努力の意義を再確認し、困難を乗り越える力になります。
専門家からの視点：発達障害と向き合うために
発達障害は、生まれつきの脳機能の偏りによって起こるものであり、その特性は人それぞれ異なります。そのため、一概に「こうすれば良い」という解決策はありません。しかし、以下の点を意識することで、より良い関係性を築き、お互いがより快適に過ごせるようにすることができます。
- 理解と受容
まずは、発達障害の特性を理解し、受け入れることが重要です。特性を理解することで、お兄様の行動の背景にある理由を理解し、適切な対応をすることができます。また、受け入れることで、感情的な負担を軽減し、より穏やかな気持ちで接することができます。
- 環境調整
お兄様が、より過ごしやすい環境を整えることが重要です。例えば、視覚的な情報（写真やイラストなど）を活用したり、騒音を軽減したりするなど、環境を調整することで、お兄様の不安を軽減し、生活の質を向上させることができます。
- コミュニケーションの工夫
コミュニケーションの工夫も重要です。具体的に指示を出す、分かりやすい言葉で話す、視覚的な情報を使うなど、お兄様が理解しやすい方法でコミュニケーションをとるように心がけましょう。
- 専門家のサポート
専門家のサポートを受けることも重要です。精神科医、臨床心理士、作業療法士など、専門家のアドバイスを受けることで、より適切な対応策を見つけることができます。また、専門家は、あなたの悩みや、葛藤を理解し、心の支えとなってくれます。
まとめ：あなた自身の幸せのために
お兄様との同居、介護、そして仕事の両立は、非常に困難な道のりです。しかし、あなた自身の努力と、周囲のサポート、そして専門家の助けを借りることで、必ず乗り越えることができます。まずは、現状を正確に把握し、お兄様とのコミュニケーションと接し方を見直し、あなたの心のケアと休息を優先しましょう。そして、長期的な視点を持って、目標を設定し、一歩ずつ進んでいくことが大切です。
あなたは、一人ではありません。あなたの悩みや、苦しみを理解し、支えてくれる人が必ずいます。積極的に周囲に相談し、サポートを求めましょう。そして、何よりも、あなた自身の幸せを大切にしてください。あなたが心身ともに健康で、笑顔で過ごせるように、心から応援しています。
この記事が、あなたの抱える問題解決の一助となり、より豊かな生活を送るための一歩となることを願っています。
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