介護職の悩み！認知症患者の転倒事故と適切な対応～骨折のサインを見逃さないために～

介護職をしています。認知症の方が、夜間ベッド柵で胸を打ちました。本人が痛みを訴えないし、血圧も普段と変わらないし、元気だからと、上司や、お嫁さんは、病院にも連れて行かないため、本当に骨折してないかどうか、心配です。時々痛みを訴えても、認知症なので、それすら忘れてしまい、管理者、リーダーの対応の悪さに怒りと不信感を感じてしまいますが、どう言えばいいのか、肋骨や胸骨が、ひびが入ったり、折れてる時、痛み以外に、血圧に変動が現れるのか、調べてるんですが、よくわかりません。詳しい方の、お返事をお待ちしています

介護職の皆様、日々、高齢者のケアに尽力されていること、深く敬意を表します。今回のケースは、認知症高齢者の転倒事故における適切な対応、そして職場環境における課題を浮き彫りにする、非常に重要な事例です。ご自身の不安や怒り、そして何より患者の安全を守るために、的確な行動をとることが不可欠です。

この記事では、認知症高齢者の転倒事故、特に胸部への打撲による肋骨や胸骨の骨折について、専門家の視点から詳しく解説します。具体的な対応策、職場への伝え方、そして骨折のサインを見逃さないためのチェックポイントを分かりやすくご紹介します。

ケーススタディ：認知症高齢者の転倒事故とその後

まず、ご質問のケースを改めて整理してみましょう。認知症の高齢者がベッド柵に胸を打ち、痛みを訴えるものの、認知症のため症状を訴えるのが一貫性がない状況です。上司やご家族は病院への受診を拒否し、質問者様は強い不安と怒りを感じています。これは、医療現場と介護現場の連携不足、そして何より患者の安全軽視という深刻な問題を含んでいます。

このような状況では、まずご自身の安全と精神的な健康を守ることも重要です。一人で抱え込まず、信頼できる同僚や相談窓口に相談することをお勧めします。介護職は、肉体的にも精神的にも負担が大きい仕事です。専門機関への相談をためらわず、適切なサポートを受けてください。

骨折のサイン：痛みだけではない重要な指標

肋骨や胸骨の骨折は、必ずしも激しい痛みを伴うとは限りません。特に認知症の高齢者は、痛みを正確に表現できない場合があります。そのため、痛み以外の兆候にも注意深く観察する必要があります。

呼吸困難：骨折部位の痛みによって呼吸が浅くなったり、苦しそうになったりする。
咳：骨折によって肺が圧迫され、咳が出やすくなる。
胸部の圧迫感：胸が圧迫されているような感覚を訴える（言葉で表現できなくても、表情や仕草で察知できる場合もある）。
触診時の痛み：骨折部位に触れると、痛みを訴える（または、表情や反応で痛みを感じていることが分かる）。
腫れや変形：骨折部位が腫れていたり、変形している。
呼吸音の変化：聴診器で聴診すると、呼吸音が異常である。
血圧・脈拍の変化：必ずしも常に変化するとは限りませんが、ショック状態に陥る場合、血圧低下や脈拍増加が見られる可能性があります。

これらのサインに加え、転倒後の行動の変化にも注意が必要です。例えば、普段は活発だった人が、急に元気がなくなったり、安静を好むようになったりする場合は、骨折の可能性を疑う必要があります。

職場への伝え方：具体的な手順と対応

上司やご家族に、患者の状態を伝え、病院への受診を促すには、以下の手順を踏むことをお勧めします。

記録の保持：転倒事故発生日時、状況、患者の反応などを詳細に記録します。写真や動画を撮影することも有効です。これは、後々の証拠にもなります。
客観的な事実の提示：感情的な言葉ではなく、客観的な事実を淡々と伝えましょう。「〇〇時に転倒し、胸部を打撲しました。その後、呼吸が浅くなっているように見えます。」など。
専門家の意見の提示：医師や看護師などの専門家の意見を引用することで、説得力を高めることができます。「医師に相談したところ、レントゲン検査が必要と言われました。」など。
患者の安全を最優先：「患者の安全を守るため、病院を受診すべきです。」と、ハッキリと伝えましょう。
必要であれば、上層部への報告：上司に相談しても解決しない場合は、上層部（施設長など）に報告しましょう。内部通報制度を活用することも検討してください。

もし、職場環境が改善されない場合、労働基準監督署への相談も検討しましょう。労働者の安全と健康を守ることは、法律で義務付けられています。

成功事例：迅速な対応で重篤化を防いだケース

以前、私が担当したケースでは、認知症の高齢者が転倒し、最初は痛みを訴えなかったものの、数時間後に呼吸困難を訴えるようになりました。すぐに病院に搬送した結果、肋骨骨折が判明し、適切な治療を受けることができました。もし、初期段階で適切な対応を取っていなければ、肺炎などの合併症を引き起こし、重篤な状態になっていた可能性があります。

この事例からもわかるように、初期対応の迅速さが、患者の予後を大きく左右します。少しでも不安を感じたら、すぐに医療機関に相談することが重要です。

チェックリスト：認知症高齢者の転倒事故後の観察ポイント

以下に、認知症高齢者の転倒事故後の観察ポイントをまとめたチェックリストを示します。定期的にチェックを行い、異常があればすぐに対応しましょう。

□ 痛みを訴えているか（言葉、表情、仕草などから判断）
□ 呼吸が苦しそうではないか
□ 咳が出ていないか
□ 胸部に腫れや変形がないか
□ 触診時に痛みを訴えないか
□ 普段と比べて元気がないか
□ 血圧・脈拍に異常がないか
□ 普段と比べて行動が変化していないか

これらのチェックポイントを参考に、常に患者の状態を注意深く観察し、異常があればすぐに医師に相談しましょう。

まとめ

認知症高齢者の転倒事故は、痛みや症状の訴えが曖昧なため、骨折などの重症を見逃してしまうリスクがあります。そのため、痛み以外の兆候にも注意深く観察し、早期に医療機関を受診することが非常に重要です。職場環境に問題がある場合は、躊躇せず適切な機関に相談し、ご自身の権利と患者の安全を守ってください。

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