介護職のやりがいと現実：高齢者のプライドと向き合い、幸せを届ける仕事

介護職について実父は、幼少から足が悪いため、家の中は、つかまり立ちで歩行はできるものの、座ったり立ったりの繰り返しができません。最近、風呂へ入ろうとしないので、２、３ヶ月入浴してなく、私たちが介添えするので入浴するように言っても、昭和一桁の男のプライド（子供の世話になりたくないらしい）が邪魔して入ろうとせず、困っていました。そんな時、ケアマネさんにデイサービスを紹介してもらい、施設の方がどうやって父を説得してくれたかわかりませんが、お風呂に入れてもらい、上機嫌で帰ってきました。その後も父は、デイサービスを楽しみに通っており、家族も父同様幸せな気持ちでおり、本当に介護職の方には感謝しています。そこで、質問です。 ①父のような頑固で、汚い（排尿感覚がなく、オムツです。何日もお風呂入ってなかったです）老人の世話をどんな気持ちで対応しているのでしょうか？やっぱり、仕事と割り切っているのですか？ ②仕事として、割り切ってやっているとしたら、家族でもできないことをやっているのですから、年収７００万〜８００万でも安いくらいですよね？介護職って、どうして給料安いのでしょう？

１．介護職の仕事への向き合い方：プロとしての視点と心の支え

介護の仕事は、単なる「仕事」として割り切れるものではありません。もちろん、プロとして業務を遂行する責任感や、効率的な作業スキルは必要不可欠です。しかし、それ以上に重要なのは、利用者の方々一人ひとりの個性や背景を理解し、寄り添う姿勢です。ご質問にあるお父様のように、プライドが高く、抵抗を示される方もいらっしゃいます。そのような状況では、まず、ご本人の気持ちに寄り添い、信頼関係を築くことから始めます。

例えば、お父様のケースでは、いきなり入浴を促すのではなく、まずは会話を通して、ご本人の気持ちや不安を丁寧に聞き出すことが大切です。なぜ入浴を拒否されているのか、何が不安なのかを理解することで、適切なアプローチ方法が見えてきます。デイサービスのスタッフが成功した要因も、この「丁寧なコミュニケーション」にあったと言えるでしょう。

具体的には、以下のような点に配慮します。

共感と傾聴：ご本人の言葉に耳を傾け、感情を理解しようと努めます。単に指示を出すのではなく、対等な立場でコミュニケーションを取ることが重要です。
信頼関係の構築：時間をかけて、信頼関係を築きます。些細な会話や、ちょっとした気遣いを通して、安心感を与えます。
個別のケアプラン：利用者の方それぞれの状態やニーズに合わせて、個別ケアプランを作成します。無理強いせず、ご本人が納得できるペースで進めていきます。
チームワーク：介護職はチームで仕事をすることが多く、チームメンバーとの連携が不可欠です。情報共有や意見交換を通して、質の高いケアを提供します。

私たち介護職は、利用者の方々の生活の質を高めるために、様々な困難に立ち向かいます。それは、肉体的な負担だけでなく、精神的な負担も伴います。しかし、利用者の方々の笑顔や感謝の言葉は、私たちにとって大きな励みとなり、やりがいへと繋がります。仕事と割り切っているのではなく、利用者の方々の幸せを願う気持ち、そして、その幸せに貢献できた時の喜びが、この仕事の原動力なのです。

２．介護職の低賃金問題：社会的な課題と今後の展望

介護職の給与水準が低いことは、大きな社会問題となっています。ご質問にあるように、「家族でもできないことをやっているのに、年収700万～800万でも安い」というご意見は、多くの介護職が抱える共通の思いです。

しかし、低賃金問題は、単に「仕事が大変なのに給料が低い」というだけではありません。高齢化社会の進展に伴い、介護の需要は増加の一途を辿っていますが、それに伴う人材確保が追いついていないという深刻な状況があります。人材不足は、賃金抑制にも繋がっています。

低賃金問題の背景には、以下の要因が挙げられます。

人材不足：介護業界は慢性的な人材不足に悩まされており、人件費を抑えざるを得ない状況にあります。
財源不足：介護保険制度の財源には限りがあり、給与アップのための十分な予算が確保できていません。
非正規雇用比率の高さ：介護職には、パートやアルバイトなどの非正規雇用者が多く、正規雇用者と比べて給与が低い傾向にあります。
労働環境の厳しさ：介護の仕事は肉体的にも精神的にも負担が大きく、離職率が高いことも給与抑制の一因となっています。

しかし、近年では、介護業界の待遇改善に向けた動きも活発化しています。政府による介護報酬改定や、人材育成への投資、労働環境の改善など、様々な取り組みが進められています。また、介護施設によっては、資格取得支援制度やキャリアアップ支援制度などを導入し、待遇向上に力を入れているところもあります。

将来的な展望としては、以下の点が期待されます。

給与水準の向上：人材確保のため、給与水準の引き上げが不可欠です。政府や業界団体による取り組みが、着実に成果を上げていくことが期待されます。
労働環境の改善：長時間労働や人手不足といった問題の解消により、働きやすい環境が整備されることで、離職率の低下や人材確保に繋がります。
キャリアパス：キャリアアップを目指せる環境が整備されれば、モチベーション向上や人材定着に繋がります。資格取得支援や研修制度の充実が重要です。

介護職は、社会貢献度の高い、やりがいのある仕事です。しかし、現状の課題を克服し、より魅力的な職業となるためには、社会全体で取り組んでいく必要があります。

まとめ

介護職は、利用者の方々の生活を支える、やりがいのある仕事です。しかし、低賃金や労働環境の厳しさといった課題も存在します。これらの課題を克服し、より多くの優秀な人材が介護業界に参入するためには、社会全体の理解と協力が不可欠です。

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