祖母の虚言癖と認知機能への不安：介護職のあなたが知っておくべきこと

今回は、ご家族の介護に関するお悩みですね。特に、ご自身のキャリアと関連して、介護の知識や対応に不安を感じていらっしゃる状況、大変お辛いと思います。ご相談内容を拝見し、介護職として働きながら、ご家族の介護にも向き合われているあなたの状況を深く理解し、お役に立てる情報を提供できるよう努めます。

祖母についてです。去年の1月に子宮がんが見つかり全摘後通院で抗がん剤をしています。祖母は80歳ですが10年前からアルツハイマーの薬を飲んでいるそうです。元々多少の鬱というか、心配症ではありますが、ここ最近虚言癖が凄いです。お金が盗まれた、勝手に通帳からお金が無くなっている、物が盗まれたなど家族の事を悪く言ったり眠れないなど様々です。それ以外は物忘れがあるくらいですが、年齢相応だと思います。料理や買い物も行けますしその他は普通です。私はアルツハイマーが進行しているのではと思いましたが、大学病院で脳の検査結果では認知症ではないとの診断でした。抗がん剤により鬱ぎみになるなどは聞いています。これはどちらによるものなのかが分からず同居家族も頭を悩ませています。一度こうだと思ったら決して他の意見には耳を傾けず自分が正しい、ボケてはいないといいます。私も介護職についていますが資格はなくそこまでの知識もありません。どこまでいくと介護施設を利用出来るのかなども分かりません。このような症状では、まず専門の精神科などに受診するのがいいのでしょうか？それともやはり認知症によるものですか？

ご相談ありがとうございます。80歳のお祖母様の健康状態について、様々な症状が見られ、ご家族として、また介護職として、大変ご心配な状況と拝察いたします。認知症ではないとの診断が出ているものの、虚言癖や不眠といった症状、そしてご家族とのコミュニケーションの難しさなど、具体的な対応に苦慮されていることと思います。今回の記事では、お祖母様の症状の原因を多角的に考察し、適切な専門機関への相談、介護サービスの利用、そしてご自身が介護職としてどのように知識を深め、家族を支えていくかについて、具体的なアドバイスを提供します。

1. 症状の原因を多角的に考える

お祖母様の症状の原因を特定するためには、いくつかの可能性を考慮する必要があります。単一の原因ではなく、複数の要因が複合的に影響していることも考えられます。

1-1. 抗がん剤治療の影響

抗がん剤治療は、身体的な副作用だけでなく、精神的な影響も及ぼすことがあります。具体的には、

うつ症状: 気分の落ち込み、意欲の低下、不眠などが現れることがあります。
認知機能への影響: 集中力の低下や記憶力の問題が生じることもあります。
せん妄: 意識混濁、見当識障害、幻覚や妄想などが起こることがあります。

お祖母様の場合、抗がん剤治療が始まってから症状が悪化したという点から、この影響を考慮する必要があります。

1-2. アルツハイマー病の可能性

10年前からアルツハイマー病の薬を服用しているとのことですが、脳の検査結果では認知症ではないと診断されています。しかし、認知症の初期段階では、検査で異常が見つかりにくいこともあります。また、アルツハイマー病以外の認知症（レビー小体型認知症など）の可能性も考慮する必要があります。

虚言癖: 認知症の症状の一つとして、現実と異なることを信じ込んでしまうことがあります。
物忘れ: 記憶障害は認知症の代表的な症状です。
性格の変化: 以前にはなかったような疑心暗鬼や怒りっぽさが見られることがあります。

1-3. 精神的な要因

元々の性格や、がんの告知、治療への不安、老いに対する不安など、精神的な要因も症状に影響を与える可能性があります。

不安障害: 過度な心配や不安から、虚言や不眠につながることがあります。
抑うつ状態: 気分の落ち込みが、物事への興味を失わせたり、認知機能に影響を与えることがあります。

1-4. その他の要因

薬の副作用、他の病気、環境の変化なども症状に影響を与える可能性があります。

薬の副作用: 服用している薬によっては、精神的な症状を引き起こすことがあります。
身体的な病気: 感染症や代謝異常など、身体的な病気が精神症状を引き起こすことがあります。
環境の変化: 入院や引っ越しなど、環境の変化がストレスとなり、症状を悪化させることがあります。

2. 専門機関への相談と適切な対応

お祖母様の症状の原因を特定し、適切な対応をするためには、専門機関への相談が不可欠です。

2-1. 精神科医への受診

まずは、精神科医に相談することをお勧めします。精神科医は、精神的な症状の原因を診断し、適切な治療法を提案してくれます。

問診: 症状の経過、既往歴、服用中の薬などを詳しく聞かれます。
検査: 必要に応じて、血液検査、脳波検査、心理検査などが行われます。
治療: 薬物療法、精神療法、認知行動療法など、様々な治療法が用いられます。

2-2. 認知症専門医への相談

認知症の可能性も考慮し、認知症専門医に相談することも重要です。認知症専門医は、認知症の診断と治療に精通しています。

認知機能検査: MMSE（ミニメンタルステート検査）や長谷川式認知症スケールなど、認知機能を評価する検査を行います。
画像検査: CTやMRIなどの画像検査を行い、脳の状態を詳しく調べます。
治療: 認知症の進行を遅らせる薬や、症状を緩和する薬が処方されます。

2-3. 医療ソーシャルワーカーへの相談

医療ソーシャルワーカーは、医療機関と患者さんやご家族の間をつなぐ役割を担います。介護保険制度や介護サービスの利用について相談できます。

情報提供: 介護保険制度や介護サービスに関する情報を提供してくれます。
相談支援: 介護に関する悩みや不安について相談に乗ってくれます。
連携: 地域の介護サービス事業者との連携をサポートしてくれます。

2-4. 家族への対応

ご家族だけで抱え込まず、協力して対応することが大切です。

情報共有: 症状や対応について、ご家族で情報を共有し、共通認識を持つようにしましょう。
役割分担: 介護の負担を軽減するために、役割分担を決めましょう。
休息: 介護者は、心身ともに疲労しやすいため、定期的に休息を取りましょう。

3. 介護サービスの利用を検討する

お祖母様の症状やご家族の状況に応じて、介護サービスの利用を検討しましょう。介護サービスを利用することで、ご家族の負担を軽減し、お祖母様の生活の質を向上させることができます。

3-1. 介護保険制度の利用

介護保険制度を利用するには、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定を受けることで、様々な介護サービスを利用できます。

申請: お住まいの市区町村の介護保険窓口に申請します。
認定調査: 調査員が自宅を訪問し、心身の状態や生活状況を調査します。
審査・判定: 介護認定審査会で審査・判定が行われ、要介護度が決定されます。

3-2. 利用できる介護サービス

要介護度に応じて、様々な介護サービスを利用できます。

訪問介護（ホームヘルプサービス）: ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排泄などの介助を行います。
訪問看護: 看護師が自宅を訪問し、健康管理や医療処置を行います。
通所介護（デイサービス）: デイサービスセンターに通い、食事、入浴、レクリエーションなどを受けます。
短期入所生活介護（ショートステイ）: 短期間、介護施設に入所し、介護を受けます。
認知症対応型共同生活介護（グループホーム）: 認知症の高齢者が共同生活を送る施設です。
介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム）: 24時間体制で介護を提供する施設です。

3-3. 介護施設の選び方

介護施設を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。

施設の設備: バリアフリー設計、個室の有無、入浴設備などを確認しましょう。
サービスの質: 職員の対応、レクリエーションの内容、医療体制などを確認しましょう。
費用: 利用料金、食費、その他の費用などを確認しましょう。
立地: 自宅からの距離、交通の便などを確認しましょう。

4. 介護職としてできること

介護職として働くあなたは、専門的な知識や経験を活かして、お祖母様を支えることができます。

4-1. 介護に関する知識を深める

介護に関する知識を深めることで、お祖母様の症状に対する理解を深め、適切な対応ができるようになります。

資格取得: 介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士などの資格を取得することで、専門的な知識と技術を習得できます。
研修参加: 認知症ケアに関する研修や、医療的ケアに関する研修に参加することで、知識をアップデートできます。
情報収集: 介護に関する書籍や、インターネット上の情報を活用して、情報を収集しましょう。

4-2. コミュニケーションの工夫

お祖母様とのコミュニケーションを円滑にするために、以下の点を意識しましょう。

傾聴: 相手の話をよく聞き、共感する姿勢を示しましょう。
分かりやすい言葉: 専門用語を避け、分かりやすい言葉で話しましょう。
肯定的な言葉: 否定的な言葉ではなく、肯定的な言葉で話しましょう。
非言語的コミュニケーション: 表情や身振り手振りなど、非言語的なコミュニケーションも大切にしましょう。

4-3. 専門職との連携

精神科医や認知症専門医、医療ソーシャルワーカーなど、専門職と連携することで、より適切なケアを提供できます。

情報共有: 症状や対応について、専門職と情報を共有しましょう。
アドバイス: 専門職からのアドバイスを参考に、ケアプランを作成しましょう。
連携: 専門職と協力して、お祖母様の生活をサポートしましょう。

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5. 介護と仕事の両立のために

介護と仕事の両立は、心身ともに負担が大きいものです。無理なく両立するために、以下の点を意識しましょう。

5-1. 職場への相談

職場で介護について相談することで、理解と協力を得やすくなります。

上司への相談: 介護の状況を上司に伝え、勤務時間や休暇について相談しましょう。
同僚への相談: 困ったことがあれば、同僚に相談し、助け合いましょう。
介護休暇・休業制度の利用: 介護休暇や休業制度を利用して、介護に専念する時間を作りましょう。

5-2. 家族との連携

ご家族と協力して、介護の負担を分担しましょう。

役割分担: 介護の役割分担を決め、負担を軽減しましょう。
情報共有: 介護の状況について、ご家族で情報を共有しましょう。
相談: 困ったことがあれば、ご家族に相談しましょう。

5-3. 休息とリフレッシュ

心身の健康を保つために、休息とリフレッシュを心がけましょう。

休息: 睡眠時間を確保し、疲労を回復させましょう。
趣味: 趣味や好きなことに時間を使い、リフレッシュしましょう。
ストレス解消: ストレスを感じたら、気分転換になるような方法を見つけましょう。

6. まとめ

お祖母様の虚言癖や認知機能に関するご心配、そして介護職としてのご自身の知識や対応への不安、大変な状況かと思います。今回の記事では、お祖母様の症状の原因を多角的に考察し、専門機関への相談、介護サービスの利用、そして介護職としてできることについて、具体的なアドバイスを提供しました。

まず、お祖母様の症状の原因を特定するために、精神科医や認知症専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。同時に、医療ソーシャルワーカーに相談し、介護保険制度や介護サービスに関する情報を得ましょう。介護サービスの利用を検討し、ご家族の負担を軽減することも大切です。

介護職として働くあなたは、専門的な知識や経験を活かして、お祖母様を支えることができます。介護に関する知識を深め、コミュニケーションを工夫し、専門職との連携を図りましょう。介護と仕事の両立のために、職場への相談、家族との連携、休息とリフレッシュを心がけましょう。

今回の情報が、少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。困難な状況ではありますが、ご自身を大切にし、無理なく介護と仕事の両立を目指してください。応援しています。

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