転職経験者に学ぶ!職種別転職体験談

理想を求めすぎないことも大切。譲れない条件だけを決めることでスムーズに次の仕事を見つけることができました。

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Tさん / 27歳 / 男性 / 静岡県
転職前:介護スタッフ/年収130万円
転職後:図書館スタッフ/年収150万円

転職成功

-転職前の企業での業務内容を詳しく教えてください。
地域で生活をする障害者の介護です。身体障害者の介護では食事・排せつ・入浴・車椅子への移乗等の身体介護や買い物・調理・掃除等の家事をします。知的障害者の介護では、郵便物の整理・予定組立・金銭管理等の支援をします。施設での介護とは違ってあらかじめ決まったスケジュールはあまりなく、その都度障害者本人の指示に従います。障害者と介護者は同性の1対1で、1人の介護者が同時に複数の障害者を介護することは基本的にありません。
-転職を考えたきっかけを教えてください。
仕事として割り切ることが難しいと感じたことがきっかけです。1対1での介護が基本なので、じっくり向き合うことになります。障害者が自分のことを自分で決めることが最も重要なこととされているので、介護者は指示されないことをしたり余計な口出しをしたりせず、指示を受けて動きます。しかし、単に指示通りに動けば良いわけではありません。相手がどんなことを自分に求めているかを考えて、本人に確認しながら介護をする必要があります。
1対1での介護は、皆が同じようにあらかじめ決められたスケジュールに従い、1人の介護者が同時に複数の人を担当する形で維持されている施設とは違います。効率重視の介護というよりも、障害者とその時間を共にする中で、彼らが必要としたことをその都度その都度手助けするような介護です。つまり効率重視の介護ではなく、一緒に過ごす中での介護という捉え方です。
そのため、仕事として割り切ることが難しいものでした。もちろん、危険がないように障害者が求める介護を行うという責任があります。ですが、1対1の介護ではお互いに相手を単に介護者と障害者とする関係より、一人の人間として関わることが必要になります。この割り切れなさが自分には辛く、転職を考えるようになりました。
-この業務だけはもっと続けたかったという業務があれば教えてください。
一緒に過ごす中での介護という捉え方には良い面もあります。過度にプライベートを知らないようにするというよりは、むしろ良い介護のために相手のことを知ろうとすることが奨められます。私は外出先を相談されて、一緒に考えて出かけるのが楽しかったです。例えばお互いが好きな水族館を探して、電車を乗り継いで行ったことがあります。この間、車椅子介護、トイレでの排せつ介護、食事介護をしています。機械的な介護よりも相手に寄り添えていると思えるやりがいがありました。
-転職活動はどのように行いましたか?
前職での反省を生かし、仕事として割り切れる職業を大前提にして考えました。その上で、一人暮らしを始めて学生時の研究を継続したかったので、フルタイムではなく、かつ賃貸を契約できるような仕事を条件にしました。また、仕事内容は好きな本を扱い、お金を扱わないことから図書館の職員にしようと考えました。さらに可能なら首都圏外で働きたいと考えていました。最初は条件に優先順位をつけずに全てに合う仕事を探したのですが、見つかりませんでした。早く働き始めたかったので、優先順位をつけてどの条件なら折れて良いかを決めました。それでも細かいところを厳密に決めると動けなくなってしまうので、細かい条件は決めずに仕事を探し始めました。
その後、インターネットを利用して図書館業務を扱っている会社の求人を調べ、司書資格がなくても職員ができる求人を見つけました。首都圏外だと賃金が足りないと思われたので、首都圏で働くことに決めました。応募にあたって、図書館の社会的意義について論文や新聞記事を調べて自分なりに整理しました。また、大学図書館や地域の図書館をよく利用していたので自分が働く意義も説明できるようにしました。
-転職後の会社に入社を決めた理由を教えてください。
勤務先を首都圏に限定すれば、自分の条件に合う会社は多く見つかりました。その中でも転職後の会社にしたのは業界最大手で勤務地の候補が多かったことと時給が他の会社より少し良かったからです。また自分にとって理想的な労働時間の求人があったからです。
-転職後の会社での業務内容を詳しく教えてください。
主な仕事内容は、図書の貸出/返却処理・貸出カード発行・レファレンス(利用者の調査補助)・リクエスト受付等のカウンター業務や電話対応、書架整理・新刊本の受入・破損した図書の修理等の業務です。
-入社前のイメージと違っていたところはどんなところですか?
図書を運ぶことが多いため、肉体労働が多かったことです。予約された本を集めたり、返却された本を書架に戻したりするにあたって本を運ぶ必要がありました。エレベーターを使える図書館もありますが、私の配属先はなかったため重い本を持って階段を上り下りする必要がありました。私は体力があったので対応できましたが、対応できずに辞める人もいるそうです。
-仕事の難しさ、辛さを感じた点はありますか?またそれはどのように克服しましたか?
同僚との連携です。シフトに沿って1~2時間ごとに仕事内容が変わるのでその度に次の人に仕事を引継ぐ必要があります。また、時間によって忙しい業務とそうでない業務があるので協力が必要です。このため、同僚とスムーズに会話できる必要があります。しかし、私が配属された図書館はドライな人間関係だったので連携に少し難がありました。
これを克服するために、休憩中などに同僚に話しかけて仕事中に話しかけやすい環境を作るように心がけました。しばらくして、引継ぎや協力がうまくいくようになりました。
-仕事の中でやりがいを感じた(ている)部分はどこですか?
1つは利用者の調査を助ける仕事(レファレンス)に納得してもらえる時に感じます。例えば、自分が住む地域の明治期の地名が知りたいという方が来たとします。住む地域といってもどれくらいの範囲を指すのか、また明治期だとかなり幅があることから、利用者に具体的な地域や時期を確認します。それを踏まえて今いる図書館に該当する地図がないか、ない場合は他の図書館にはあるか等を調べて利用者に伝えます。地図がなければ、当時その地域の街頭写真に地名が写っている可能性があるので、写真集などにも当たります。結果、利用者が探していた資料に行き着くと嬉しく感じます。
もう1つは、自分でテーマを決めて図書館にある本で特集を組む企画です。自分が関心のあるテーマや利用者に興味を持ってほしいことをテーマに図書館の入り口付近に展示します。例えば私は、小学生に自由研究の宿題が出る8月の企画で「色々なものを調べよう」という企画をして、様々な科学の歴史や調査方法を紹介しました。読みやすい本から詳しく説明がある本まで様々なバリエーションを揃え、幅広い年代に向けた企画にしました。その特集から図書を借りてもらえると、とても嬉しく感じました。
-転職は成功でしたか?失敗でしたか?
成功
-なぜそのように感じましたか?
仕事として割り切れたこととフルタイムではないことでプライベートを充実させることができたからです。仕事の条件はたくさんありましたが、その中でも優先順位をつけて、この2つを重要な条件にしました。首都圏以外で働きたいという希望がありましたが、条件の全てを満たすことに拘らずに早く働き始めたことが良かったです。また、様々なジャンルの本を扱うので普段読まない本にも触れることができ、関心が広がりました。
-この仕事の個人的な楽しみ方を教えてください。
図書館には立地や周囲の施設との関係でそれぞれの蔵書に特色があります。例えば映画館や美術館が近くにあると芸術分野の蔵書を多く取り揃えていることがあります。自分の勤務する図書館の蔵書を通してその地域のことを知ることは楽しいことですし、来館する地元の利用者によりよく対応することにもつながります。
個人的な楽しみとしては、本のタイトルや表紙などからどんなことが書いてあるのかを想像することをお勧めします。表紙とタイトルだけで、様々なイメージが湧きます。仕事で目についた気になった本は後で借りて読んでみるといいと思います。また、どんな本が人気なのかを知ることもとても楽しいと思います。予約が多く入る本の傾向を探ってみてはいかがでしょうか。 
-この転職からどのようなことを学びましたか?
理想を求めすぎないことです。私は当初、理想の条件を満たす仕事を探しましたが、完全なものはありませんでした。次に優先順位をつけようとしましたが、厳密にしようとするとうまく整理ができずに困りました。そこで、譲れない条件だけを決めて後は緩く考えることにしました。このことが、スムーズに次の仕事を見つけることにつながったと思います。
理想や条件を厳密にしようとするとなかなか現実的な行動に移すことは難しくなります。時間に十分余裕がある場合は考えることも大事ですが、転職を早く実現したい場合は多少の緩さが必要ではないでしょうか。そうすることで、予想と実際のズレにも対応できる心の余裕が生まれ、次の仕事を続けることにも役立つと思います。
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